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集いし猟犬達
猟犬、ジャバウォックを狩る
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ジャバウォック ランクB+ 合成>飛竜種
「この世で最も醜悪な竜」。巨大な目に対して小さい顔に細長い首。鋭い牙と口周りには触手が伸びる。
歪に曲がった長い爪に体に似合わない小さめの翼。まさに不気味の体現者である。
夜行性で明かりを嫌い、森の中で夜のみ活動する。目が大きく発達しているのはそのためだと言われている。
鋭い歯による噛みつきも危険だが、何より気をつけるべきはその爪による攻撃と鞭のような尻尾の振りだろう。そこまで好戦的な魔物ではないが、自身に害をなすものには容赦しない。
もし森の中で光る大きな目に出くわしたら、刺激しないようにその場を離れるのが得策だろう。
トラソニル魔物全集1
~合成種編~ より一部抜粋
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
「しっかし、不思議な話もあるものだなナタリア殿」
先ほどまで宿の中で話を聞いていた二人は、ジャバウォックを探すべく再び街の外に繰り出した。
話を振られ、ナタリア・メルクリウスは甲冑の男の方を向く。
「何よ急に。ドイルのくせに何か思うところでもあるわけ?」
やや…いやかなり罵倒交じりの返答にも全く動じないドイル・フルハート。
「うむ。ジャバウォックは夜行性だろう。それどころかあやつは光を嫌う。先ほどの主人の話では街の人は食事時だったのだろう。当然街明かりが付いている」
「あーそれね。私も聞いてて不可解だったわ。明かりが嫌いで森の奥底に住んでるような魔物が街に出てくるなんておかしな話よね」
若干気にかかっている様子のナタリアだが、そんなことは二の次のようだ。
「私たちはただ害をなす魔物を倒して街の人を助ければいいの。頭を使うのはマスターやキースに任せておけばいいわ」
「うむ、それもそうだな!」
この二人、見た目こそまるでアンバランスな組み合わせだが、本質なところは似ているようだ。
「しかし、どう探したものか。夜まで待ったほうがよかったかも知れんな」
霧がかかっているとは言えまだ日は沈んでおらず、ジャバウォックの活動時間には至っていない。
「そうねぇ。ダメ元で飛ばしてみようかしら」
ナタリアは手を前に出す。
「“アーデン”、上から見てきてくれる?」
ナタリアの手から飛びてきたそれは、まるで小さなワイバーンのようだ。だが体は毛で覆われ、爬虫類的な特徴はあまり見られない。
アーデンは様子を伺うために霧が覆う空に消えていった。
「ナタリア殿、よく考えてみれば霧がかかっていてはあたりを見回すことも叶わないのではないか?」
はっと口を手で覆うナタリア
「やだ、ドイルに指摘されてしまったわ!私としたことが…アレ?」
一旦言葉を止めるナタリア。どうやらアーデンと視界を共有していたところ何か見えたらしい。
少し考えるナタリア。そして何かに気がついた。
「…あーなるほど、そういうことね」
「何か見えたのか!」
「えぇ。なんとね、霧を抜けたわ」
「霧を抜けただと!それほどにアーデンは飛ぶのが早いのか」
まるで的外れなことをいうドイルに声を荒げるナタリア。
「ちーがーうーわーよ!この霧は!この街だけにかかってるの!」
「なんと!」
そう、ナタリアの飛ばした使い魔は思いのほか早く霧を抜けたのだ。
そこから見えたのは球状に立ちこめた霧だった。
森からこの街に入ってきた二人は、そのことに気づくことができなかったのだ。
そこまで言われればドイルにも理解できる。
「意図的に魔術で作られた霧と思ってよいだろうな。そうなると目的は一つ、日光が嫌いなジャバウォックを日中でも活動させるためということだろう」
まったく、と腰に手を当てるナタリア。
「えぇ、そうなると森の中を探す必要なんて全くないわね。なんてったって…」
そこまでいったところでナタリアは目の前の影に気が付いた。
霧ではっきりとしないが大きな体に長い首、小さめの羽根にうねる尻尾。間違いない。
「街の中にいるって言おうと思ったんだけど…向こうから来てくれたみたいね!」
「ギィィイイイィイイィイイ!!」
向こうもこちらに気が付いたようだ。不快な咆哮をあげ威嚇を仕掛けてきた。
「見た目だけじゃなくって声も醜いのねあなた!ドイル、私は離れるわ。霧があるからアーデンで狙う、いつも通りやるわよ!」
そういうとナタリアは後方の霧に向かって走り消えていった。
ドイルはフンッと背負っていた大剣をベルトから外して構える。
霧をかき分けてジャバウォックが姿をあらわす。主人の話した通りの見た目だ。顔のサイズとは不釣り合いな黄色く光る目がドイルを捉える。
「しかしお主、本当に不思議であるなぁ。本来ここまで好戦的ではなかっただろう。この霧といい何者かが裏で糸を引いていると我輩は見ているがどうだ?」
魔物に話しかけたところで返答が返ってくることなどない。そのかわり、ジャバウォックはその長い尾をしならせ鞭のようにドイルに振り下ろす!
パァアン!
人通りのない静かな街中に大きな音が響く。恐ろしく強力な一撃だ。尾が当たった地面は深くえぐれてしまっている。
だが、受け止めたドイルはまるで動じていない。一歩たりともその場を動かず、大剣一本で受け切ってしまった。
「ハッハッハッ!威勢がいいではないか!よいよい、楽しめそうだ!この“鉄壁のドイル”が相手をしようぞ!」
ドイルは大剣を構える。
合わせてジャバウォックも腕を振り上げ、その鋭い爪をドイル目掛けて振り下ろす!
「ぬぅううん!」
ブオン!と大木でも振り回しているのではと思うほどの風を切る音がする。
綺麗にジャバウォックの爪に大剣が激突し…
ガイィィン!
ドイルの大剣から大きな金属音が響いた。ジャバウォックはというと
「ギィイイイィイ!」
腕を思い切り吹っ飛ばされよろめいている。あの長い爪は切断されてしまっている。
ドイルの攻撃はまだ終わっていない。そのままぐるっと体をひねり、そのまま遠心力に任せて大剣を振りかぶる!
「もう一発だ!」
危険を感じたのだろうか。ジャバウォックは尾で剣を弾き飛ばそうとするが、そのまま両断されてしまった。
「ギィイイイィアアアィアアア!」
よろめくジャバウォック。
その時だった。ドイルの脇を何かがかすめていく。
気が付いた時にはジャバウォックは霧の向こうまで吹っ飛んでいた。
「ナタリア殿、我輩のギリギリ横を狙って射るのはわざとなのか?」
若干の悪意を感じつつ、とどめを刺すためガション!ガション!と鎧を鳴らしながら吹っ飛ばされたジャバウォックに歩み寄っていく。
地に横たわるジャバウォックには、異常とも言える大きさの矢が刺さっていた。
ほぼ急所を撃ち抜かれている。ジャバウォックはもう立ち上がることはできないだろう。
ドイルは大剣をかざす。
「しかしお主もなかなか運がない」
そう言ってドイルはジャバウォックの首を切り落とした。
「お主が対峙したのはあの“竜狩りのナタリア”。残念だが出会った瞬間からお主の敗北は決まっておったのだ」
「この世で最も醜悪な竜」。巨大な目に対して小さい顔に細長い首。鋭い牙と口周りには触手が伸びる。
歪に曲がった長い爪に体に似合わない小さめの翼。まさに不気味の体現者である。
夜行性で明かりを嫌い、森の中で夜のみ活動する。目が大きく発達しているのはそのためだと言われている。
鋭い歯による噛みつきも危険だが、何より気をつけるべきはその爪による攻撃と鞭のような尻尾の振りだろう。そこまで好戦的な魔物ではないが、自身に害をなすものには容赦しない。
もし森の中で光る大きな目に出くわしたら、刺激しないようにその場を離れるのが得策だろう。
トラソニル魔物全集1
~合成種編~ より一部抜粋
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・・・
・
「しっかし、不思議な話もあるものだなナタリア殿」
先ほどまで宿の中で話を聞いていた二人は、ジャバウォックを探すべく再び街の外に繰り出した。
話を振られ、ナタリア・メルクリウスは甲冑の男の方を向く。
「何よ急に。ドイルのくせに何か思うところでもあるわけ?」
やや…いやかなり罵倒交じりの返答にも全く動じないドイル・フルハート。
「うむ。ジャバウォックは夜行性だろう。それどころかあやつは光を嫌う。先ほどの主人の話では街の人は食事時だったのだろう。当然街明かりが付いている」
「あーそれね。私も聞いてて不可解だったわ。明かりが嫌いで森の奥底に住んでるような魔物が街に出てくるなんておかしな話よね」
若干気にかかっている様子のナタリアだが、そんなことは二の次のようだ。
「私たちはただ害をなす魔物を倒して街の人を助ければいいの。頭を使うのはマスターやキースに任せておけばいいわ」
「うむ、それもそうだな!」
この二人、見た目こそまるでアンバランスな組み合わせだが、本質なところは似ているようだ。
「しかし、どう探したものか。夜まで待ったほうがよかったかも知れんな」
霧がかかっているとは言えまだ日は沈んでおらず、ジャバウォックの活動時間には至っていない。
「そうねぇ。ダメ元で飛ばしてみようかしら」
ナタリアは手を前に出す。
「“アーデン”、上から見てきてくれる?」
ナタリアの手から飛びてきたそれは、まるで小さなワイバーンのようだ。だが体は毛で覆われ、爬虫類的な特徴はあまり見られない。
アーデンは様子を伺うために霧が覆う空に消えていった。
「ナタリア殿、よく考えてみれば霧がかかっていてはあたりを見回すことも叶わないのではないか?」
はっと口を手で覆うナタリア
「やだ、ドイルに指摘されてしまったわ!私としたことが…アレ?」
一旦言葉を止めるナタリア。どうやらアーデンと視界を共有していたところ何か見えたらしい。
少し考えるナタリア。そして何かに気がついた。
「…あーなるほど、そういうことね」
「何か見えたのか!」
「えぇ。なんとね、霧を抜けたわ」
「霧を抜けただと!それほどにアーデンは飛ぶのが早いのか」
まるで的外れなことをいうドイルに声を荒げるナタリア。
「ちーがーうーわーよ!この霧は!この街だけにかかってるの!」
「なんと!」
そう、ナタリアの飛ばした使い魔は思いのほか早く霧を抜けたのだ。
そこから見えたのは球状に立ちこめた霧だった。
森からこの街に入ってきた二人は、そのことに気づくことができなかったのだ。
そこまで言われればドイルにも理解できる。
「意図的に魔術で作られた霧と思ってよいだろうな。そうなると目的は一つ、日光が嫌いなジャバウォックを日中でも活動させるためということだろう」
まったく、と腰に手を当てるナタリア。
「えぇ、そうなると森の中を探す必要なんて全くないわね。なんてったって…」
そこまでいったところでナタリアは目の前の影に気が付いた。
霧ではっきりとしないが大きな体に長い首、小さめの羽根にうねる尻尾。間違いない。
「街の中にいるって言おうと思ったんだけど…向こうから来てくれたみたいね!」
「ギィィイイイィイイィイイ!!」
向こうもこちらに気が付いたようだ。不快な咆哮をあげ威嚇を仕掛けてきた。
「見た目だけじゃなくって声も醜いのねあなた!ドイル、私は離れるわ。霧があるからアーデンで狙う、いつも通りやるわよ!」
そういうとナタリアは後方の霧に向かって走り消えていった。
ドイルはフンッと背負っていた大剣をベルトから外して構える。
霧をかき分けてジャバウォックが姿をあらわす。主人の話した通りの見た目だ。顔のサイズとは不釣り合いな黄色く光る目がドイルを捉える。
「しかしお主、本当に不思議であるなぁ。本来ここまで好戦的ではなかっただろう。この霧といい何者かが裏で糸を引いていると我輩は見ているがどうだ?」
魔物に話しかけたところで返答が返ってくることなどない。そのかわり、ジャバウォックはその長い尾をしならせ鞭のようにドイルに振り下ろす!
パァアン!
人通りのない静かな街中に大きな音が響く。恐ろしく強力な一撃だ。尾が当たった地面は深くえぐれてしまっている。
だが、受け止めたドイルはまるで動じていない。一歩たりともその場を動かず、大剣一本で受け切ってしまった。
「ハッハッハッ!威勢がいいではないか!よいよい、楽しめそうだ!この“鉄壁のドイル”が相手をしようぞ!」
ドイルは大剣を構える。
合わせてジャバウォックも腕を振り上げ、その鋭い爪をドイル目掛けて振り下ろす!
「ぬぅううん!」
ブオン!と大木でも振り回しているのではと思うほどの風を切る音がする。
綺麗にジャバウォックの爪に大剣が激突し…
ガイィィン!
ドイルの大剣から大きな金属音が響いた。ジャバウォックはというと
「ギィイイイィイ!」
腕を思い切り吹っ飛ばされよろめいている。あの長い爪は切断されてしまっている。
ドイルの攻撃はまだ終わっていない。そのままぐるっと体をひねり、そのまま遠心力に任せて大剣を振りかぶる!
「もう一発だ!」
危険を感じたのだろうか。ジャバウォックは尾で剣を弾き飛ばそうとするが、そのまま両断されてしまった。
「ギィイイイィアアアィアアア!」
よろめくジャバウォック。
その時だった。ドイルの脇を何かがかすめていく。
気が付いた時にはジャバウォックは霧の向こうまで吹っ飛んでいた。
「ナタリア殿、我輩のギリギリ横を狙って射るのはわざとなのか?」
若干の悪意を感じつつ、とどめを刺すためガション!ガション!と鎧を鳴らしながら吹っ飛ばされたジャバウォックに歩み寄っていく。
地に横たわるジャバウォックには、異常とも言える大きさの矢が刺さっていた。
ほぼ急所を撃ち抜かれている。ジャバウォックはもう立ち上がることはできないだろう。
ドイルは大剣をかざす。
「しかしお主もなかなか運がない」
そう言ってドイルはジャバウォックの首を切り落とした。
「お主が対峙したのはあの“竜狩りのナタリア”。残念だが出会った瞬間からお主の敗北は決まっておったのだ」
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