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集いし猟犬達
古代遺跡へ宝探し!?
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小鳥のさえずりが聞こえる。窓からは日が差し、とても穏やかな朝だ。
「今日もありがとうございます、美味しかったです」
ここはギルド 猟犬の牙。
2階でアリスとシリエが作ってくれた朝食にキースが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、クラインは感謝の意を述べた。
「いいのよ、冒険者のみんなのサポートも私の大事な役目ですもの」
「私も料理は好きですし、クラインさんが喜んでくれるなら私も嬉しいです」
あぁ、素敵な朝だ。
今日は穏やかな1日になりそうだな。
そんな呑気なことを考えるクライン。
次の瞬間には穏やかなどという言葉は塵と化してしまうとはつゆ知らず…
リンリンと誰かが入ってくる音がした。
「おぉーい、クライン!キースとアリスも、いるかぁ!」
響いてきたのはダンの声だった。
なんだろう、嫌な予感がする。
「じゃ、 僕はこれから例のアルフェウスについて調べてくるから、あと頼むね!」
「キースさん、逃げるつもりですか?」
アリスがじろっとキースを見据える。
「やだなぁ、逃げるんじゃなくて、調査だよ」
…なら、なぜ窓から出ようとしている。
引き止める間も無く、キースは窓から飛び降りてしまった。
そうこうしている間にダンは二階に上がってくる。
「なんだ、キースはいねぇのか。まぁいい、二人とも聞いてくれ!」
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
「宝の地図…ですか?」
なんだろう、嫌な予感がさっきより一層増した…。
クラインは怪しさ全開のその地図を眺めながら聞き返した。
「おう。依頼の途中に魔物に襲われていた商人に出くわしてな。助けてやったらこれをくれたんだよ」
「ダン、これは信用できる地図なんでしょうか。商人とは初対面だったんですよね」
アリスがもっともらしい質問を投げる。
「俺もそう思ってな。一応アスクランにいる鑑定士に渡してみたんだけどよ、なんでもこの印が付いているところにゃ古代遺跡があるらしいぜ」
まさか印とはこの不吉な頭蓋骨のマークのことだろうか。
「それで気になったので行ってみたいということですか。ダンが一人で行けばいいんじゃないですか?」
「相変わらず冷てぇなアリスは。なにが出るか分からんから一人じゃ心許ないだろう」
ダンはクラインの方に視線を向ける。
「なぁ、クラインは「行きませんよ」」
…いや、行くわけないだろう。
宝がある保証はどこにもないし。
というかドクロマークだし!
とクラインは心の中でつぶやく。
「おいおい、いいのかクライン。宝は無くとも掘り出し物はあるかもしれないぜ」
「掘り出し物?」
食いついた!とばかりにまくし立てるダン
「そう、掘り出し物さ。ここは古代の遺跡なんだぜ。オーパーツと呼ばれる特異な力を持った武器とか、誰にも発見されないままの防具やらがあるかもしれないんだぞ」
「なん…ですって…」
「いや、クラインさん。やめといたほうがいいですよ。そういう遺跡はすでに探索されてますから」
アリスの言葉にニッとするダン。
「ところがな、そうでもねぇのさ」
えっ?と首をかしげるアリス。
「なんでも遺跡の入り口にはワイバーンが数匹住み着いているらしくてな。そのせいで誰も立ち寄っていないらしい」
…なるほど、そうなるとダンの話もまんざらでは無くなってくる。何より掘り出し物が気になるな。
色々考えた末クラインが出した結論は…
「わかりました、僕も行きましょう」
「え、行くんですかクラインさん」
アリスの顔からはやめておけという感情が滲み出ている。
「すいませんアリス、掘り出し物が気になってしまって」
やれやれといった感じで大きく息を吐くアリス。
「わかりました。そういうことなら私も行きますよ。武器のことになるとクラインさん止まりませんからね」
やっぱりこいつら仲がいいなと心の中でつぶやくダン。何はともあれこれで頭数は揃ったわけだ。
気が変わらないうちにさっさと行動に移してしまおう。
「二人とも、善は急げだ。早速だが準備をしてくれ。お昼には出発しようじゃねぇか!」
「今日もありがとうございます、美味しかったです」
ここはギルド 猟犬の牙。
2階でアリスとシリエが作ってくれた朝食にキースが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、クラインは感謝の意を述べた。
「いいのよ、冒険者のみんなのサポートも私の大事な役目ですもの」
「私も料理は好きですし、クラインさんが喜んでくれるなら私も嬉しいです」
あぁ、素敵な朝だ。
今日は穏やかな1日になりそうだな。
そんな呑気なことを考えるクライン。
次の瞬間には穏やかなどという言葉は塵と化してしまうとはつゆ知らず…
リンリンと誰かが入ってくる音がした。
「おぉーい、クライン!キースとアリスも、いるかぁ!」
響いてきたのはダンの声だった。
なんだろう、嫌な予感がする。
「じゃ、 僕はこれから例のアルフェウスについて調べてくるから、あと頼むね!」
「キースさん、逃げるつもりですか?」
アリスがじろっとキースを見据える。
「やだなぁ、逃げるんじゃなくて、調査だよ」
…なら、なぜ窓から出ようとしている。
引き止める間も無く、キースは窓から飛び降りてしまった。
そうこうしている間にダンは二階に上がってくる。
「なんだ、キースはいねぇのか。まぁいい、二人とも聞いてくれ!」
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「宝の地図…ですか?」
なんだろう、嫌な予感がさっきより一層増した…。
クラインは怪しさ全開のその地図を眺めながら聞き返した。
「おう。依頼の途中に魔物に襲われていた商人に出くわしてな。助けてやったらこれをくれたんだよ」
「ダン、これは信用できる地図なんでしょうか。商人とは初対面だったんですよね」
アリスがもっともらしい質問を投げる。
「俺もそう思ってな。一応アスクランにいる鑑定士に渡してみたんだけどよ、なんでもこの印が付いているところにゃ古代遺跡があるらしいぜ」
まさか印とはこの不吉な頭蓋骨のマークのことだろうか。
「それで気になったので行ってみたいということですか。ダンが一人で行けばいいんじゃないですか?」
「相変わらず冷てぇなアリスは。なにが出るか分からんから一人じゃ心許ないだろう」
ダンはクラインの方に視線を向ける。
「なぁ、クラインは「行きませんよ」」
…いや、行くわけないだろう。
宝がある保証はどこにもないし。
というかドクロマークだし!
とクラインは心の中でつぶやく。
「おいおい、いいのかクライン。宝は無くとも掘り出し物はあるかもしれないぜ」
「掘り出し物?」
食いついた!とばかりにまくし立てるダン
「そう、掘り出し物さ。ここは古代の遺跡なんだぜ。オーパーツと呼ばれる特異な力を持った武器とか、誰にも発見されないままの防具やらがあるかもしれないんだぞ」
「なん…ですって…」
「いや、クラインさん。やめといたほうがいいですよ。そういう遺跡はすでに探索されてますから」
アリスの言葉にニッとするダン。
「ところがな、そうでもねぇのさ」
えっ?と首をかしげるアリス。
「なんでも遺跡の入り口にはワイバーンが数匹住み着いているらしくてな。そのせいで誰も立ち寄っていないらしい」
…なるほど、そうなるとダンの話もまんざらでは無くなってくる。何より掘り出し物が気になるな。
色々考えた末クラインが出した結論は…
「わかりました、僕も行きましょう」
「え、行くんですかクラインさん」
アリスの顔からはやめておけという感情が滲み出ている。
「すいませんアリス、掘り出し物が気になってしまって」
やれやれといった感じで大きく息を吐くアリス。
「わかりました。そういうことなら私も行きますよ。武器のことになるとクラインさん止まりませんからね」
やっぱりこいつら仲がいいなと心の中でつぶやくダン。何はともあれこれで頭数は揃ったわけだ。
気が変わらないうちにさっさと行動に移してしまおう。
「二人とも、善は急げだ。早速だが準備をしてくれ。お昼には出発しようじゃねぇか!」
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