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全ての始まり
大都市アスクランを目指して1
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その少年、クライン・アスコートは目の前に広がる光景に少しばかり驚いた。荷馬車が魔物に襲われているではないか!
何かしら壊れた音がしたので事故でも起こしたかと思っていたが、まさか襲われているとは思いもしなかった。こんな動物もいない丘に魔物が一匹、荷馬車を襲っているなんて!
荷馬車に隠れてよく見えないが、乗っていた
人はまだ逃げていないようだ。
まずい、助けなくては!
考えるよりも先にクラインは走り出した。
「グオォォオォ!!」
「クソッ、とことんついてねぇなぁ!」
咆哮に混じって声が聞こえてくる。荷馬車に近づいてきたところで改めて状況を確認した。襲われているのは恰幅のいい中年の男性だ。少し長いオールバックの黒髪に無精髭、寒くもないのにコートを着ている。一見強そうに見えるがどうやら丸腰のようだ。
一方の魔物はまるで熊のような生き物だった。熊と違うのは背中や腕に何やら鱗のようなものが見え隠れしており爪が鋭く伸びている。これを相手に丸腰では歯が立たないだろう。
「大丈夫ですか!」
クラインは腰の剣に手を伸ばしつつ声を掛ける。
「これが大丈夫に見えるんならあんたの故郷は魔物の巣の中だろうよ!」
まだ冗談を言える余裕はあるようだ。
中年男性は隙を見てこちらへ向かって走ってきた。それを魔物が追いかける。
「腕に自信はあるんだろうな!」
「えぇ、任せてください!」
突進してくる魔物に向かってクラインは走り出す。魔物はまだ中年男性をターゲットにしているようで、こちらのことなど気にしていないようだ。腰のブロードソードを抜いて構える。魔物がこちらに気付いた時には、クラインはすでに斬りかかっていた。魔物の背中に剣を振り下ろす。
ガィン!?
まるで想像していなかった音と手応え。呆気に取られるのもつかの間、剣が手を離れ弾き飛ばされているのに気付いてすぐに距離を取る。
「コウラベアの背中を斬りつけたら弾かれるに決まってんだろ!あんたこいつの相手は初めてか!」
なるほど、チラチラ見えてた鱗は装甲のようなものか。武器をどれだけ扱えても敵の知識がないと意味がないな、クソッ!
悪態をつく暇もなく、コウラベアと呼ばれる魔物はこちらに向かってくる!
「何か武器になるものはありませんか!何でもいい!」
「武器ぃ?んなもんあれば俺が…!いや、こんなもんならあるぞ!」
クラインめがけて投げられたそれは物干し竿のような木の棒だった。散らばっている荷馬車の荷物だろうか。
「十分です!」
木の棒を綺麗にキャッチして構え直す。
さぁ、仕切り直しだ!
何かしら壊れた音がしたので事故でも起こしたかと思っていたが、まさか襲われているとは思いもしなかった。こんな動物もいない丘に魔物が一匹、荷馬車を襲っているなんて!
荷馬車に隠れてよく見えないが、乗っていた
人はまだ逃げていないようだ。
まずい、助けなくては!
考えるよりも先にクラインは走り出した。
「グオォォオォ!!」
「クソッ、とことんついてねぇなぁ!」
咆哮に混じって声が聞こえてくる。荷馬車に近づいてきたところで改めて状況を確認した。襲われているのは恰幅のいい中年の男性だ。少し長いオールバックの黒髪に無精髭、寒くもないのにコートを着ている。一見強そうに見えるがどうやら丸腰のようだ。
一方の魔物はまるで熊のような生き物だった。熊と違うのは背中や腕に何やら鱗のようなものが見え隠れしており爪が鋭く伸びている。これを相手に丸腰では歯が立たないだろう。
「大丈夫ですか!」
クラインは腰の剣に手を伸ばしつつ声を掛ける。
「これが大丈夫に見えるんならあんたの故郷は魔物の巣の中だろうよ!」
まだ冗談を言える余裕はあるようだ。
中年男性は隙を見てこちらへ向かって走ってきた。それを魔物が追いかける。
「腕に自信はあるんだろうな!」
「えぇ、任せてください!」
突進してくる魔物に向かってクラインは走り出す。魔物はまだ中年男性をターゲットにしているようで、こちらのことなど気にしていないようだ。腰のブロードソードを抜いて構える。魔物がこちらに気付いた時には、クラインはすでに斬りかかっていた。魔物の背中に剣を振り下ろす。
ガィン!?
まるで想像していなかった音と手応え。呆気に取られるのもつかの間、剣が手を離れ弾き飛ばされているのに気付いてすぐに距離を取る。
「コウラベアの背中を斬りつけたら弾かれるに決まってんだろ!あんたこいつの相手は初めてか!」
なるほど、チラチラ見えてた鱗は装甲のようなものか。武器をどれだけ扱えても敵の知識がないと意味がないな、クソッ!
悪態をつく暇もなく、コウラベアと呼ばれる魔物はこちらに向かってくる!
「何か武器になるものはありませんか!何でもいい!」
「武器ぃ?んなもんあれば俺が…!いや、こんなもんならあるぞ!」
クラインめがけて投げられたそれは物干し竿のような木の棒だった。散らばっている荷馬車の荷物だろうか。
「十分です!」
木の棒を綺麗にキャッチして構え直す。
さぁ、仕切り直しだ!
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