貴女へ

ゆり

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貴女へ

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今頃僕は、戦闘機の中でしょう。

僕は死ぬのは怖くありません。

お国のために、家族や貴女のために死ぬのですから。

怖いのは、これから貴女と永遠に逢えないことでしょうか。

生まれたのがこんな時代じゃなければ、

僕はもう少し貴女のそばにいて、

貴女が悲しいときはその綺麗な涙をぬぐい、

貴女が幸せなときはその花のような笑顔に見惚みとれたことでしょう。

ずっと貴女を、貴女だけを想っていました。

ああ、最後に伝えればよかった。

───なんて、今さら遅いか。

お国のために、僕はこの美しい空に散ります。

どうか、幸せになってください。

日本の未来よ、明るくあれ。

貴女の未来に、光あれ。

愛しています、

さようなら。
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