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エリーとそのまま別れて学園長と泥パックの実験をしていた。
「学園長、泥を塗る美容実験なんですけども、もしかしたら、この国の南部にある原住民が行っているかもしれません。」
「ふむふむ、私もその辺りは行ったことが無いわ。
ちょっと理事長やスポンサーたちを脅して、研修費をせしめてくるか迷うわね。
でも南部で同じことをやっていたのを知っているのかしら。」
それはすでに調べているからだ。
この国の歴史なんかは転生者の苦手分野として有名なところ。
自分が公爵令嬢を王妃に据えることができなかった時、万が一処刑されたり、王国が崩壊したときの逃亡先兼避難所としても優秀な場所。
この国の影響をほぼ受けない。
移動手段を確保できるか。
尚且つ騎士団が追跡しにくい場所。
この三つの条件が合致する場所を探しだす過程で見つけたモノだ。
社会で苦手なものを克服しなければ生きていけるものも生きていけない。
郷に入っては郷に従え、言うは易し実行するは難し。
田舎の不便さを知った嫁が逃げていくのもまたしかり。
アメリカの大統領夫人は都会の物価の高さを嘆いたと言う。
郷に入って受け入れるのは難しいし、この世界でも比較的都会育ちの私でも生きて行けるかどうか調べるのって苦労するんですよ。
「ナケナシのお小遣いで、図書館にある本を読んでいたら見つけました。」
「とても優秀なのね。」
図書館にある本は40万冊を超えている。
片っ端から読んでいれば、一冊ぐらいは見つかってもおかしくはないと判断し言い訳した。
学園長には何かを他の意図があることがバレていると合図を送られたけど、深く追及はされなかった。
学園長もある程度目星は付けられているから追求しなかった。
私がそんなことを調べないといけない理由として挙げられるのが、
学園で貴族の反感を買う、
もしくは王太子関係か。
貴族の反感はごもっとも、
いくら学園が平民を受け入れようとも、身分制度は撤廃することは無い。
王国の法律上は、貴族の子息令嬢たちは貴族ではないとされているが粗相をしたら親から、身の程を知れと警告が走る。
それを受け止めるワンクッションめが学園長。
貴族は平民よりも優秀でないといけないと刷り込まれた彼らの教育に、津波を起こしかねない大岩を放り込む。
難癖付けてくる可能性も捨てきれず、貴族がどういった生き物か知らない平民たちだが、辺境の村を訪れる者たちにはその悪評が分かっている。
彼らは飛んで火を熾す害虫とすら心の中で思っている平民も少なくない。
私は街育ちだが一般常識を調べていく過程で行商人や都に出稼ぎに来ている方々からよく聞いていた。
そしてもう一つだが。
「学園長、泥を塗る美容実験なんですけども、もしかしたら、この国の南部にある原住民が行っているかもしれません。」
「ふむふむ、私もその辺りは行ったことが無いわ。
ちょっと理事長やスポンサーたちを脅して、研修費をせしめてくるか迷うわね。
でも南部で同じことをやっていたのを知っているのかしら。」
それはすでに調べているからだ。
この国の歴史なんかは転生者の苦手分野として有名なところ。
自分が公爵令嬢を王妃に据えることができなかった時、万が一処刑されたり、王国が崩壊したときの逃亡先兼避難所としても優秀な場所。
この国の影響をほぼ受けない。
移動手段を確保できるか。
尚且つ騎士団が追跡しにくい場所。
この三つの条件が合致する場所を探しだす過程で見つけたモノだ。
社会で苦手なものを克服しなければ生きていけるものも生きていけない。
郷に入っては郷に従え、言うは易し実行するは難し。
田舎の不便さを知った嫁が逃げていくのもまたしかり。
アメリカの大統領夫人は都会の物価の高さを嘆いたと言う。
郷に入って受け入れるのは難しいし、この世界でも比較的都会育ちの私でも生きて行けるかどうか調べるのって苦労するんですよ。
「ナケナシのお小遣いで、図書館にある本を読んでいたら見つけました。」
「とても優秀なのね。」
図書館にある本は40万冊を超えている。
片っ端から読んでいれば、一冊ぐらいは見つかってもおかしくはないと判断し言い訳した。
学園長には何かを他の意図があることがバレていると合図を送られたけど、深く追及はされなかった。
学園長もある程度目星は付けられているから追求しなかった。
私がそんなことを調べないといけない理由として挙げられるのが、
学園で貴族の反感を買う、
もしくは王太子関係か。
貴族の反感はごもっとも、
いくら学園が平民を受け入れようとも、身分制度は撤廃することは無い。
王国の法律上は、貴族の子息令嬢たちは貴族ではないとされているが粗相をしたら親から、身の程を知れと警告が走る。
それを受け止めるワンクッションめが学園長。
貴族は平民よりも優秀でないといけないと刷り込まれた彼らの教育に、津波を起こしかねない大岩を放り込む。
難癖付けてくる可能性も捨てきれず、貴族がどういった生き物か知らない平民たちだが、辺境の村を訪れる者たちにはその悪評が分かっている。
彼らは飛んで火を熾す害虫とすら心の中で思っている平民も少なくない。
私は街育ちだが一般常識を調べていく過程で行商人や都に出稼ぎに来ている方々からよく聞いていた。
そしてもう一つだが。
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