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間章 初代勇者
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「なんで君はいなくなっちゃたんだよ。せっかく魔王だって倒して平和にしたのに。君はどこに居るの?」
私は勇者、世間では魔王を倒した英雄と謳われているモノだけどアレは本来は倒してはいけない存在だ。
世界樹を狙っていたようだけど何がしたいのかは分からなかった。
でも、アレは世界の調停をやっているように見えていた。
世界樹教は信用できない。
誰も世界樹のことを疑う人が居ないんだ。
世界樹の森を見て思ったけど雑草と呼べるものが何一つ生えていない。
村でも雑草と呼べるものがあったのにここには全て人間に益のある植物しか存在しない。
それがおかしいことに誰も気が付かない。
むしろこの森では人間に益のあるもの以外ありえないと言わんばかりの世界樹の恩恵の絶対信仰。
彼らにはこの異常性に気が付かないのか。
自分たちが飼育されているような環境にあることを何故気が付かない。
家畜のようにある程度の自由はあるだろう。
でもこの土地で死んだ者は腐り落ち土へと帰るのが半年と短い。
そんなの世界樹に栄養を吸収されご飯となったようにしか私は見えなかった。
魔王なんて瞬く間に消えていったのだから世界樹にとってはごちそうなんだ。
そして私もそのごちそうに見えるのかもしれない。
このままでは私も世界樹の餌だ。
王都で出されるような極上ステーキのように食べられてしまう未来が待っている。そんなのは嫌だ。
「早くアレを切り倒す方法を考えないと。」
今私にあるのは強靭な肉体と聖剣、そして魔王の持っていた魔剣。
どちらも世界樹を切断することができる代物だ。
だが世界樹は植物。
半ば森全てに株分けをして根を隅々に張っているに違いない。
地中全てを掘り返して焼け野原を作っても駆除しきれるかどうか。
それに焼け野原にするまでの時間が私一人では足りない。
今まで戦場をともにしてきた仲間たちが敵になるリスクは高い。
世界樹教はまだまだ振興宗教だけど精霊教から靴替えした人たちはたくさんいる。
教えは精霊教と変わらないのに世界樹教は見える存在があるというのがとても大きい。
見えないモノよりも実在するモノを信じるのは当然のことだ。
私だって実在するかどうかわからないものを信じるより実在するモノを信じたい時もある。
「実は虚かもしれないし虚が実かもしれない。なら私がいつも遊んでいた幼馴染は虚でこの見えない恋心が実。」
実態あるモノほど信用してはいけないと神父様に言われていた。
実態無い私の恋心は不確かなモノに思えている。
でもなぜだろうか実態ある彼を見なくとも彼のことを考えると心躍るのは…………
「早く、見せつけてやりたいかな。」
のちに世界樹の森を焼け野原にした私は彼の死を知った。
私は勇者、世間では魔王を倒した英雄と謳われているモノだけどアレは本来は倒してはいけない存在だ。
世界樹を狙っていたようだけど何がしたいのかは分からなかった。
でも、アレは世界の調停をやっているように見えていた。
世界樹教は信用できない。
誰も世界樹のことを疑う人が居ないんだ。
世界樹の森を見て思ったけど雑草と呼べるものが何一つ生えていない。
村でも雑草と呼べるものがあったのにここには全て人間に益のある植物しか存在しない。
それがおかしいことに誰も気が付かない。
むしろこの森では人間に益のあるもの以外ありえないと言わんばかりの世界樹の恩恵の絶対信仰。
彼らにはこの異常性に気が付かないのか。
自分たちが飼育されているような環境にあることを何故気が付かない。
家畜のようにある程度の自由はあるだろう。
でもこの土地で死んだ者は腐り落ち土へと帰るのが半年と短い。
そんなの世界樹に栄養を吸収されご飯となったようにしか私は見えなかった。
魔王なんて瞬く間に消えていったのだから世界樹にとってはごちそうなんだ。
そして私もそのごちそうに見えるのかもしれない。
このままでは私も世界樹の餌だ。
王都で出されるような極上ステーキのように食べられてしまう未来が待っている。そんなのは嫌だ。
「早くアレを切り倒す方法を考えないと。」
今私にあるのは強靭な肉体と聖剣、そして魔王の持っていた魔剣。
どちらも世界樹を切断することができる代物だ。
だが世界樹は植物。
半ば森全てに株分けをして根を隅々に張っているに違いない。
地中全てを掘り返して焼け野原を作っても駆除しきれるかどうか。
それに焼け野原にするまでの時間が私一人では足りない。
今まで戦場をともにしてきた仲間たちが敵になるリスクは高い。
世界樹教はまだまだ振興宗教だけど精霊教から靴替えした人たちはたくさんいる。
教えは精霊教と変わらないのに世界樹教は見える存在があるというのがとても大きい。
見えないモノよりも実在するモノを信じるのは当然のことだ。
私だって実在するかどうかわからないものを信じるより実在するモノを信じたい時もある。
「実は虚かもしれないし虚が実かもしれない。なら私がいつも遊んでいた幼馴染は虚でこの見えない恋心が実。」
実態あるモノほど信用してはいけないと神父様に言われていた。
実態無い私の恋心は不確かなモノに思えている。
でもなぜだろうか実態ある彼を見なくとも彼のことを考えると心躍るのは…………
「早く、見せつけてやりたいかな。」
のちに世界樹の森を焼け野原にした私は彼の死を知った。
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