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間章 勇者

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「では世界樹教の教えは間違っていたのですか!」

世界樹教の創始者はエルフでありそのエルフが教義を違えていると言うなそありえないことだ。

「あくまでも一部のエルフたちが叩き出した結論だからね。」
「でもそのエルフの考えにすれば不毛の土地と世界樹との辻褄があうのさ。」
「世界樹があった場所は秘匿とされているはず。それに教義では森でしか育たないと言うではありませんか。」

お父さんは熱心な世界樹教の信者だ。
そのせいもあってか現実が受け入れられない。
ラピスおばあちゃんもしょうがないという目で見ていた。

「今まで秘密にしていたけどね。勇者の親としちゃあきちんと世界の真実を知っておく必要がある。それにこれはあくまでも可能性の話程度に思っておけばいいね。」

「しかし家庭の話とは言え魔女裁判ものですよ!こんなこと話して良いことではありませんぞ母上に学園長!」

魔女裁判は確か物語に出てくる悪い魔女を探す世界樹教の聖者たちが魔女を探し出した後に出てくる魔女が処刑される話だ。

魔女は最後の言葉は、世界樹は悪しき外来種だ。駆除しなければこの世界は終わる。と話していた。

「魔女裁判の魔女は人間でこそあったが古代エルフの文献を読み解いたり生物学に長けている人物でね。あの魔女と呼ばれた女の資料は時代の数世紀先を行った技術を持っていた。エルフの中でも学者をしていたものたちはすぐに気がついたさこれは正しいってね。」

私たちもその1人だと前置きを置いて私に眼を向けた。
ラピスおばあちゃんと学園長はとても優しそうな顔をして私に働きかけた。

「あの男は数々の神話から考察、検証を繰り返し行い解読を試みていた。そしてこの学園を卒業する頃には表の向きの論文とは別に世界樹があった場所について証明してみせたのさ。」

「あの男というのは誰ですか学園長?」

「お前さんたちもよーく知っている人物だよ。」

「村長?」

「正解!マリアンヌちゃん。そして不毛の土地では今もなお世界樹の根がどこかに植っている。そしてそれ以外の土地でも草木が土となった場所は世界樹の出す毒素によって呪いのように枯れさせていく。」

そうなったらユートと結婚できないではないか。
不毛の土地の開拓をするまではあの漢は絶対に独身を貫くに違いない。
そうなったら幸せ結婚子作り計画があぁぁぁ!

「気づいたようだね。勇者は愛するもののためにしか戦わない。そして今回戦うべきなのは他でもない世界樹というわけさ。」

「でも、信じられません。」

「信じるかどうかは自由さ、ただ世界樹の影響力で不毛の土地ができたのは紛れもない事実ね。」
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