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走ることが1分、違和感に気が付いた。

「これ、見合ってるカピ?」

同じ景色が何度も続くように見える。
最初の池と作った温泉の景色が何度も見えてしまう。

《半分正解で半分不正解です。どうやら40日前とは状況が変わったようです。幻惑草が花を咲かせており知覚情報に齟齬を与えているようです。》

「幻覚を見せられているってことカピか。」

《とりあえず、幻惑草を私が収納していきますので私が指示する進行方向に進んでください。私は宿主の知覚情報を共有してはいますが運動的な知覚に異常は見受けられませんので現在地から目的地までの経路を変更いたします。》

「もういいカピ。食ってやるカピ!」

もぐもぐ
もぐもぐ

「うーんヤミーカピ。デリシャスカピ。」

適当に草を喰っているだけなのでそもそも何を喰っているか解らないがなんか人一倍美味しい草があるからそれを優先して食べていた。
柿のような甘みと渋みが共存する草の味がするのでそれが何故か美味しく感じていた。

《スキル【鼠の王】より幻惑耐性が付与されました。》

「視界がクリアになったカピ!」

《スキル【鼠の王】は鼠の持つ環境適応能力を最大限高める効果を持っています。今回は結果オーライでしたがあまり突っ走らないようにお願いします。》

あ、はい。
申し訳ございません
弊社の部下が突っ走ったあまりに御社に対して損害を生んでしまう可能性に気が付かなかったことを深くお詫び申し上げます。

《弊社も何も、あなた一人しか今は居ないでしょう。》

「そこはノリカピ。
 で、ご近所さんへのナビをよろしくカピ!」

《ずいぶん調子のいいものいいですね。》

声を聴いているだけなのに、女子が男子のエロ本談義を蔑むような視線を感じる。
ヘラさん早速妬いていらっしゃるのですね。
私、暖かい家庭しか見たことが無いので困っちゃいます。

《じー。》

視線を言葉にするのは辞めて欲しいです。
あ、黙った方が良いですか。
黙ります。
スミマセン。

《ではそこから、800mほど行った先に封印されている悪魔の塚があります。》

結構進んでる。
もしかして幻惑草って、時間間隔とかも狂わせるかもしれない。

「OKggr・幻惑草について教えてカピ。」

《はい、幻惑草は全ての感覚に対して幻惑作用を付与する草です。》

幻惑草
五感、時間間隔などにも作用する草。
エナジードリンクポーションの材料になる。
また、この草を特殊な方法で煎じると72時間働けるテンションハイ状態に成れる薬ができる。

ぶ、ブラックや。
俺はこの草を駆逐してやる!

《この草は全大陸で根を下ろしているため、駆逐は不可能です。》

「麻薬カピ、こんなの流行したらダメカピ!」

《ほとんどの国で秘密裏に流行しております。
 そして、ご近所さん家に着きました。》

目の前に池しか見当たらない。
とにかく話しかけなければならないと前に出る。

「初めましてカピ!
 最近生まれたカピパラカピ!
 ご近所さんになるから挨拶しに来たカピ!」

「ふえええええ!?
 お、おきゃくさんですか!
 い、いまこの池に封印されている状況で何もできないですけど、
 よ、よよよかったらゆっくりしていってください。」

池が喋った。
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