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どこに最先端技術が搭載されているか。
それはそのリヴァイアサンと呼ばれているモンスターにだ。

「このリヴァイアサンと呼ばれている奴はベースが鯱蛇なのは間違いない。
 けどこいつには歯の期間がおかしい。」

「歯?」

「こいつに生えてる歯を見ろ。
 鯱としての歯が生えた跡があるにも関わらずサメと同じ歯をはやしている。
 それに、蛇の歯ではなく、これは虎の歯に生え変わっている。
 キメラリズム、通称遺伝子組み換え、DNA配列の変換のいずれかを生きたまま作用できるように工夫している。
 肝心なところをやっていないから歯茎に傷が多くみられるし、
 口の筋肉配列も全く異なるから、口内炎も多くできている。」

雑な最先端技術。
半分実験段階である技術をそのまま使った感覚しかない。
不完全な技術を見せびらかす、ガキ大将のようなダンジョンマスターだとも思える。

「今はわからないが、兵法を知らんとみるな。
 年齢に制限でもあるのか?」

「あの、上官?」

「ああ、気にするな。」

「えっと、アレはリヴァイアサンで間違いないのですか?」

「恐らくね。
 でもあれ以外にも個体が居る筈なんだけどな。」

「そうなのですか?」

一応ダンジョンから召喚できるモンスターに鯱蛇があるしその図鑑とだいぶ違っていた。
彼らは縄張り意識も強いが、仲間意識も強い。
基本的に群れで動くはずの生物は単体で居るのはありえないのだ。

ましてや、この世界の中で魔力を一切持たずして屈指の戦闘力を持つモンスターに。

「大河ちゃんと違って世が世なら天下を取っていそうなダンジョンマスターネ。」

「あ、アンデット!
 私以外に知性を持っている存在が居たのですか?」

「えっと確か大河が言っていた人があなたでしょうか?」

「そうネ、おいちゃんはシムっていうネ。」

「シムさんはアレの正体について知ってるんですか?」

「おいちゃん、昔クリフォト帝国に勤めていたことがあってネ。
 その時の実験相手として彼の兄弟と戦ったことがあるネ。」

そして死んでいる地域が違うと言うことは彼はその戦いに勝ったということになる。
彼ならば今の鯱蛇キメラ(仮)に勝てるかどうか不明だが、今の状況は遥かに自分に追い風が吹いてきていると思っても良いと思う。

「ま、今回は念ための保険として来てるネ。
 戦うのはおいちゃんじゃなくて、大河ちゃんネ。」

「そうですか、それは構いませんが大河にアレが叶いますかね?」

「ま、それは彼の修業次第ネ。」

「でもまだ数日しか経っていませんよ?」

「ノンノンネ。
 おいちゃんとタメ張ってた彼らの付ける修業は凡才でさえ秀才に変わるネ。」
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