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サイド砂漠のダンジョン

「このままじゃ、死ぬ。」

砂漠だから生物のせの字をも見当たらず。
蟻塚なども見当たらないし、来るのは精々サソリくらい。

周りの植物が無いのが要因の一つとして挙げられるが、根本的に生物が少なすぎた。

「せめてもの救いは、水が知恵の門で確保できているってことか。」

しかし、生命体が一切居ない。

「にゃー。」

そんなこと思っていたらネコがいた。

「うん。」

ポイントは微々たるものだがマイナスからプラスにはなりそうだった。

「意外とネコってダンジョンポイント率高いのな。」

可愛らしいネコさまに住みやすい環境を作って居座ってもらおうと考え始めた。

とりあえず、知恵の門で鰹節とカツオ、藁、水場を即興で考えた物語で作り出す。

「えっと鰹節を造るのに必要な材料を述べよ。
 でいいか。」

ミスリードとして、カツオの叩きの材料と共においておけばどう手とでも成る。
また調理法をしるした本を置くことで防いでおいた。

「にゃん?」

ネコは突如として現れた謎の物体に警戒心を表しているのか、後ろに後ずさった。

「いきなり出すのは辞めた方が良かったか?」

野生動物はただでさえ未知の事柄に対する警戒心が跳ねのけて強いことを忘れていた。
ネコは警戒し続けている。

じっと見ながら様子をうかがっている。

そのまま獲物に目を離さないまま数分が経過した。

「スンスン。」

興味を示しながら匂いを嗅ぐ。
このネコにとって海水魚自体未知の生物で淡水魚とは比べ物にならない異質なニオイに一瞬身震いこそ起こしたが食べられるのではと疑問を浮かべていた。

「そのまま食べて居座ってくれるとありがたいな。」

砂漠で飢えを凌ぎたい俺にとってこのネコは仏様のように見える。

「はむ。」

鰹節を食べた。

「はむはむはむ。」

がつがつと食べ始めた。

「このまま居座ってくれよ。」

居座って俺にダンジョンポイントを( ゚д゚)クレ。

「にゃーにゃー。」

藁の中に入り居座った。

「っしゃー!」

思わずガッツポーズをとった。
それくらいには生計がかつかつだったのだ。
ネコ一匹で知恵の門二つくらいの維持費は賄える。

「あれ?」

嬉しくて水晶から目を離していたら、大家族になっている。

「これ100匹くらいいません?」

ダンジョンはネコに占拠されたと言っても過言では無い量のネコが最初のフロアに居た。
ダンジョンポイントはみるみる入ってくる。

「これくらいいると全員賄えるのか?」

意外と仲間意識の強いネコたちなのか餌を食べつつも警戒している。
それでいて全員そろって食べている。
可愛いけどここまでいると怖い。
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