56 / 62
1
しおりを挟む
モノはコンロを買いに行くことだが、なんと町も良く知らないのに待ち合わせをすることになった。
危険だから携帯電話代わりに錬金生物は持たせたが、いよいよデェートゥっぽくなってきた。
「デートっていうのかねえ。
若いころは女性との出会いを求めていなかったしねえ。」
自分たちの良いところも悪いところをも知っているのに今更デェートュを行う必要があるのかと言われれば、要は気分の問題だろう。
互いに意識を改めてしあうことで悪いところ良いところの両方を発見していこうというのが目的だ。
もちろんデェートュは良いところを見てもらいたいと努力するのが特徴だが、私はそうは思わない。
良いところをずっと見せ続けなければいけないのは辛い。
良いところも悪いところも受け入れ改善してこそのいい夫婦。
理想の夫婦像はそれだ。
互いに喧嘩しあっていても、最後は笑って仲直り。
独身歴の長い二人が意思を尊重し合うのは非常に難しいかもしれない。
一ファンとしてでも限界がいずれ訪れる。
だからこそ互いをもっと知ろう。
「お待たせ!」
「こっちこそお待たせ。
今日は眼鏡をかけてるんだね。」
「だってリアルだもん。
リアルっぽく眼鏡をかけてみたよ!
エレンツォはなんでスーツなの?
ここではそれがトレンド?」
「大抵の男性は、庶民ならスーツが街に出かけるときの正装と言われているね。
あくまでも外出用の服だから、これから行くのはそれなりの格式をもっているから敬意を評すという意味で来ている感覚かな。」
「あーフランス料理のレストランとかだとフォーマルを求められるのと同じってこと?」
「概ねあってるよ。」
フォーマルを求められるのはそれなりの格式と権威を示す場所である。
町の市場程度なら、普段の服装。
それこそ、マスターとしてのエプロン姿でもよかった。
今から行くのは王族御用達のお抱え商人が店を構える場所で格式と権威が高い。
スーツもギリギリなところに行くので、女性はともかく男性はしっかりとした服装で居なくてはならない。
「だから服も買いに行くよ。
アンズさんのをね。」
「うへー。」
「着飾るのは嫌?」
「嫌。
正しい姿勢を余儀なくされている気分が嫌。」
フォーマルはその通り正装なのだから正しい姿勢を保ちやすいように作られている。
カジュアルな服と違い、伸びもしなければすぐに皺ができる。
ドレスにしてもそう。
きちんとしたものは着るのも大変だった。
「ウエディングドレスとかも着たくないの?」
「うん!」
ちょっと心が傷ついた気がした。
危険だから携帯電話代わりに錬金生物は持たせたが、いよいよデェートゥっぽくなってきた。
「デートっていうのかねえ。
若いころは女性との出会いを求めていなかったしねえ。」
自分たちの良いところも悪いところをも知っているのに今更デェートュを行う必要があるのかと言われれば、要は気分の問題だろう。
互いに意識を改めてしあうことで悪いところ良いところの両方を発見していこうというのが目的だ。
もちろんデェートュは良いところを見てもらいたいと努力するのが特徴だが、私はそうは思わない。
良いところをずっと見せ続けなければいけないのは辛い。
良いところも悪いところも受け入れ改善してこそのいい夫婦。
理想の夫婦像はそれだ。
互いに喧嘩しあっていても、最後は笑って仲直り。
独身歴の長い二人が意思を尊重し合うのは非常に難しいかもしれない。
一ファンとしてでも限界がいずれ訪れる。
だからこそ互いをもっと知ろう。
「お待たせ!」
「こっちこそお待たせ。
今日は眼鏡をかけてるんだね。」
「だってリアルだもん。
リアルっぽく眼鏡をかけてみたよ!
エレンツォはなんでスーツなの?
ここではそれがトレンド?」
「大抵の男性は、庶民ならスーツが街に出かけるときの正装と言われているね。
あくまでも外出用の服だから、これから行くのはそれなりの格式をもっているから敬意を評すという意味で来ている感覚かな。」
「あーフランス料理のレストランとかだとフォーマルを求められるのと同じってこと?」
「概ねあってるよ。」
フォーマルを求められるのはそれなりの格式と権威を示す場所である。
町の市場程度なら、普段の服装。
それこそ、マスターとしてのエプロン姿でもよかった。
今から行くのは王族御用達のお抱え商人が店を構える場所で格式と権威が高い。
スーツもギリギリなところに行くので、女性はともかく男性はしっかりとした服装で居なくてはならない。
「だから服も買いに行くよ。
アンズさんのをね。」
「うへー。」
「着飾るのは嫌?」
「嫌。
正しい姿勢を余儀なくされている気分が嫌。」
フォーマルはその通り正装なのだから正しい姿勢を保ちやすいように作られている。
カジュアルな服と違い、伸びもしなければすぐに皺ができる。
ドレスにしてもそう。
きちんとしたものは着るのも大変だった。
「ウエディングドレスとかも着たくないの?」
「うん!」
ちょっと心が傷ついた気がした。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!


悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

パワハラ女上司からのラッキースケベが止まらない
セカイ
ライト文芸
新入社員の『俺』草野新一は入社して半年以上の間、上司である椿原麗香からの執拗なパワハラに苦しめられていた。
しかしそんな屈辱的な時間の中で毎回発生するラッキースケベな展開が、パワハラによる苦しみを相殺させている。
高身長でスタイルのいい超美人。おまけにすごく巨乳。性格以外は最高に魅力的な美人上司が、パワハラ中に引き起こす無自覚ラッキースケベの数々。
パワハラはしんどくて嫌だけれど、ムフフが美味しすぎて堪らない。そんな彼の日常の中のとある日の物語。
※他サイト(小説家になろう・カクヨム・ノベルアッププラス)でも掲載。
トイレのミネルヴァは何も知らない
加瀬優妃
ライト文芸
「ストーカーされてるんだよね。犯人探しに協力してくれない?」
ミネルヴァの正体を黙っててもらう代わりに、新川透のストーカーを見つける手伝いをすることになった莉子。
高校を辞め、掃除婦として光野予備校で働く天涯孤独の少女、仁神谷莉子には「トイレのミネルヴァ」というもう1つの顔があった。
そんな莉子の前に現れたのは、光野予備校の人気数学講師、新川透。
「……協力はいいけど、新川透がよくわかんない。フェロモンがハンパない上に行動が予測できない。誰か私に彼のトリセツをください……」
「そういうのは知らない方が楽しめるよ?」
「お前が言うな!!」
※本編は4時間目で完結しました。
※「放課後」は後日談です。短編連作。
※表紙は「こんぺいとう**メーカー」で作成いたしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる