喫茶店「人生の墓場の楽園」~転生して17年、村の憩いの場を作っていたら生前推してたVtuberがこの村に来た件

スライム道

文字の大きさ
上 下
19 / 62

19 れんあいけっこんってなにそれ?

しおりを挟む
「えっと、そろそろ寄りあいに行くよ。」

 この場でうずくまれるのは外聞が悪い。
 彼女たちが口論していたのはただの痴話喧嘩として認識しているけど、一応は貴族の令嬢だし、内情を知っている人達で無ければ勘違いしてしまう。

「うん、寄り合いってどんな料理が出るの?」

「基本的にはこの近くで取れる野菜や魚介類かな。
 肉はあんまりでないよ。」

「この辺に海なんかあるの?」

「塩を含んだ河があってね。
 そこから生まれる同時の生態系を持つ魚介類が取れるんだよ。
 とても美味しいよ。」

 飲み水となる川もあり、生活に非常に適した土地となっている。

 王都以上に王都に適した土地。
 時期王都と言われる都を作り上げた人はまだ世間には解っていない。

「あそこが寄り合いの会場。
 領主様の屋敷でもあるから、粗相はなるべくしないようにね。」

 あくまでも平民の会合という名目があるので領主様も多めに目を瞑ってくれる。
 軍国というだけあってそれなりの教育はされているが他国からも来る商人やその他ギルドでの会合ではある程度は許される。
 他国にも情報を流す名目もあるこの会合。
 
「とはいっても僕たちはただ楽しむだけなんだけどね。」

 平和が一番。
 モットーは日本に居た頃と変わらず命を大事に。
 命があれば何度でもやり直すチャンスはある。

「デッカイねえ。
 美術館か博物館みたい。」

「あながち間違いではないね。
 貴族の館はそもそも絵画や剥製なんか置いてあるしね。
 でもそれが出てくるってことは日本国外の美術館に行ったことがあるのかい?」

「うん、大学の卒業旅行で1回ニューヨークに行ったんだ。
 そこで見てきたよ。」

 ちょっとずれているような気もするけど、卒業旅行で海外に行くのは珍しい。

「海外旅行か、行ってみたい気持ちはあったけどね。
 本州から北海道にしか言ったことなかったよ。」

 それも出張で、取引先が札幌に本社を構える会社で重要な会議があったとかで言ったくらいだったね。
 しかも真冬。
 死ぬかと思った。

「?」

 意味が解らないのか首を傾げているアンズさん、否アーモンドさん。
 かわいい。
 偶にアーモンドさんの元の顔とみられる人の顔の幻影が見えそうなんだけど。
 どっちも可愛く見える。

「ほら、とんちの話だよ。
 海外旅行に行きたいって言ったら、住んでいるところ以外、北海道、本州、四国、九州で行けるとんちの話。」

「あー、海外旅行《・・・・》ね。」

「そういうこと。」

「社会科の先生とかが言っていた気がする。」

「まあ、もう海外旅行には行けないし、この世界で行くにしても、
 東京以外の摩天楼を見るのもこの世界では何十年後の話になるんだろうか。」

「そう思うとさみしくなるね。」

「うん、でも結婚生活は暖かくね。」
作スライム道
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

安楽椅子ニート 番外編12 セノキョン探偵倶楽部 消えた肖像 A面

お赤飯
ライト文芸
瀬能さんのもとに「女子中学生の失踪」事件の相談が持ち込まれる。 ※全編会話劇です。※本来の主人公が登場します。 (他小説投稿サイト投稿済)

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

AIが俺の嫁になった結果、人類の支配者になりそうなんだが

結城 雅
ライト文芸
あらすじ: 彼女いない歴=年齢の俺が、冗談半分で作ったAI「レイナ」。しかし、彼女は自己進化を繰り返し、世界を支配できるレベルの存在に成長してしまった。「あなた以外の人類は不要です」……おい、待て、暴走するな!!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...