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十四話

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「ふう終わったあ。」

「ええ、そうね。私もまだまだだってことがわかったわ。」

ミーナとリュヒルは歴戦個体達に三乙食らってグッタリと席に持たれた。俺も俺で疲労困憊である。

「イグアスさん。今ならお時間はおよろしいでしょうか。こちらも勉強は終わりましたしお話をしてもいいかと思いまして。」

「構わない。」

疲労困憊の身体に鞭を打ち話をする準備をする。

「それで妹の聖のことだったか。行方不明になってから一度あったきりだったし詳しくは聞いてないんだろ。」

「ええ、父や母からもあんな一族の恥さらしはもう忘れろと言ったきり話してくれませんでした。」

「そりゃあそうだ。愛理、お前も分流の分家だが北辰一刀流って流派は幕末まで名を轟かせていた由緒正しい剣術だ。その中でも呪われた武器の妖刀使いの母さんだからこそ蔑まれこそしたが名を挙げることで冷遇からは脱出した。それは聞いているな。」

「ええ、なんでも新選組から選ばれた人物の流派とは聞いております。それでイグアスさん達のお母様が冷遇され殆ど絶縁状態に近い中名を挙げたのも。」

「そ、でもそれは親父がいたからなんだと。親父はサクソン人だったからある剣に対して絶大な適正を持っていた。」

愛理はサクソン人という言葉に対して疑問を持っていた。

「サクソン人はイングランド人の礎となった人物で有名な御伽話に出てくる民族でもある。ここまで言えば分かるな。」

イングランド人の御伽話。それは誰もが知り誰もが憧れた王の物語。

「アーサー王物語、即ち聖剣への適正ですか。聖剣で妖刀を中和することで自我を保っていたということですか?」

「半分正解半分不正解くらいにしておく。後は自分で探せ。俺はアレに関わりたくは無い。昨今、アーススキルというテロ組織が来ている。その中に確実に俺の妹と母はいる。奴らは禁忌の術の数々を掘り出すためにいる。だから必ずこの街にある何かを探しに来るだろう。」

そこで正解を言わないところにイラッときた愛理であったがそれよりも気になることがあった。

「はい、わかりました。後は自分で探しますが貴方は何故そこまで親族を恐れているのですか。先程から私にも恐怖心が見えます。特に妹、母と言った時さらに顔色が優れないように思えるのですが。」

そう、平静を装ってこそ居るが親族だからこそ分かる共通の生理反応によって何かの恐れが生じているとほぼ確信して愛理はイグアスの心に踏み込んだのだ。

「最愛を無くした者は狂乱に陥り愛が見えなくなる。面影を持つ愛はさらなる愛を求められて監獄に閉められる。」






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