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出会い
しおりを挟む(はぁ……)
私は電車を待ちながら、大きなため息をついた。
私の勤める企業はそれなりに有名な企業ではあるものの、福利厚生はあまり良くない。通勤手当は最低限の実費が出るものの、家賃補助に至ってはほとんどないため、こうして長い時間満員電車に揺られて出勤している。会社の近くは家賃が高いのだから、仕方がない。そう思いつつ、通勤時間の長さと、ぎゅうぎゅうの電車を思い、またため息が漏れる。
(次のボーナスが出たら、絶対に引っ越す……)
心の中でそう誓う。
通勤時間の長さから睡眠時間もほとんど取れず、疲ればかりが蓄積されている。金で解決できるなら、多少生活が苦しくなっても会社の近くに引っ越したい。そう思うようになっていた。
首を軽く左右に傾けコキコキと鳴らし、ようやく到着した電車に乗り込む。なるべく出口付近を確保したいため、入ってすぐ左側へ進む。もう何度も繰り返しているため慣れたもので、扉のすぐ近くのポジションをゲットすることができた。
扉が閉まると、目の前におじさんの頭。私より低い身長だからか、ちょうど目の前に頭髪の寂しくなった後頭部がある。おじさん特有の臭いが鼻につく。
眉を顰めそっと顔を逸らすと、突然目の前のおじさんがしゃがみ込んだ。
「……大丈夫ですか?」
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