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魔法のある世界で
74.ラーラ、屋敷をでる!
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ラーラは自室に戻り、タマチャンを呼びだしていた。
「タマチャン、この屋敷を出ます!」
『何故でございますか?』
「私の存在はお父様…ロード様を困らせるだけだから…」
『私にはわかりかねますが、それは綺羅様の本当の望みではないのでは?』
「いいから私の言葉に従って!」
『畏まりました!』
ラーラは”卵”に乗り込みワープした。
場所はこのロード邸や王城から離れれればどこでも良かったのである。
封筒にさえ入っていない、たった一枚のメモのような手紙を残し…。
手紙の内容はこうだ。
-----
お父様、お兄様、ロード邸の皆様へ
私はお父様の本当の子供ではありません。
お父様は身寄りのない私を哀れに思い自分が不名誉をかぶる事を厭わずに自分の子だと宣言してくださいました。
だから私が屋敷を出てもお父様(ロード様)を責めないで下さい。
私は大丈夫です。
もう体も大きくなりましたし、どこかで、ひっそり暮らしていきます。
短い間でしたがお世話になりました。
私の事はまた時狭間に見舞われたなり本当の親が名乗り出てきて連れて行ったとでも言って下さい。
勝手を言って本当にごめんなさい。
こんな形で出て行く事をお許しください。
本当にごめんなさい。
皆様の健康とご多幸をお祈りしています。
さようなら
ラーラ
-----
そうして、ラーラは王都の外れにある山の頂の小さな洞窟に住処を構えた。
ふもとから山頂までの間には魔の森があり人がここまで来ることはなかった。
ラーラの『誰も人の来ない所で隠れ住みたい』と言う言葉にタマチャンは従いこの場所を着地点に選んだのだ。
そして、ロード邸では、食事の用意が出来たからと部屋に呼びにいった侍女のミーファが、手紙を見つけ叫んだ。
「えっ!なに!この手紙はっっ!?ラーラ様?ラーラ様っ!」
部屋は静まり返り人のいる気配はなく、あの銀色の魔道具”卵”も消えていた!
ミーファの慌てた叫び声に何事かと皆が集まる!
そして、たまたま一番に駆けつけたバート王がロードやサラより先にその手紙を読んだ。
「父上の子供ではない?一体どういう事なんだ!」バート王は大きな声をあげた。
「「バート(様)」」
続いて入ってきたロードとサラが、顔色をかえている。
奪うようにその手紙をバートからひったくり、ロードはその内容を確認しがっくりと膝をついた。
「なんてことだ…」
「父上、ここに書かれている事は本当なのですか?実の子ではないと?ラーラは王の謁見の間に何の縛りもなく入れたではないですか!」
ロードはそうつめよるバートの言葉すら耳に入らないように放心していた。
サラは、そのロードの様子に庇うように間に入りラーラとの出会いの経緯を説明しだした。
「陛下!陛下を欺くようになってしまい申し訳ございません!ラーラ様は、じつは遺跡の中で見つかったあの銀色の”卵”の中から発見された姫君だったのです!」
「どういう事だ?」
怒りを含んだように問いかけるバート。
それに観念したようにサラはラーラとの出会いから今までの事を分かる限り、バートに語りだしたのだった。
「タマチャン、この屋敷を出ます!」
『何故でございますか?』
「私の存在はお父様…ロード様を困らせるだけだから…」
『私にはわかりかねますが、それは綺羅様の本当の望みではないのでは?』
「いいから私の言葉に従って!」
『畏まりました!』
ラーラは”卵”に乗り込みワープした。
場所はこのロード邸や王城から離れれればどこでも良かったのである。
封筒にさえ入っていない、たった一枚のメモのような手紙を残し…。
手紙の内容はこうだ。
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お父様、お兄様、ロード邸の皆様へ
私はお父様の本当の子供ではありません。
お父様は身寄りのない私を哀れに思い自分が不名誉をかぶる事を厭わずに自分の子だと宣言してくださいました。
だから私が屋敷を出てもお父様(ロード様)を責めないで下さい。
私は大丈夫です。
もう体も大きくなりましたし、どこかで、ひっそり暮らしていきます。
短い間でしたがお世話になりました。
私の事はまた時狭間に見舞われたなり本当の親が名乗り出てきて連れて行ったとでも言って下さい。
勝手を言って本当にごめんなさい。
こんな形で出て行く事をお許しください。
本当にごめんなさい。
皆様の健康とご多幸をお祈りしています。
さようなら
ラーラ
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そうして、ラーラは王都の外れにある山の頂の小さな洞窟に住処を構えた。
ふもとから山頂までの間には魔の森があり人がここまで来ることはなかった。
ラーラの『誰も人の来ない所で隠れ住みたい』と言う言葉にタマチャンは従いこの場所を着地点に選んだのだ。
そして、ロード邸では、食事の用意が出来たからと部屋に呼びにいった侍女のミーファが、手紙を見つけ叫んだ。
「えっ!なに!この手紙はっっ!?ラーラ様?ラーラ様っ!」
部屋は静まり返り人のいる気配はなく、あの銀色の魔道具”卵”も消えていた!
ミーファの慌てた叫び声に何事かと皆が集まる!
そして、たまたま一番に駆けつけたバート王がロードやサラより先にその手紙を読んだ。
「父上の子供ではない?一体どういう事なんだ!」バート王は大きな声をあげた。
「「バート(様)」」
続いて入ってきたロードとサラが、顔色をかえている。
奪うようにその手紙をバートからひったくり、ロードはその内容を確認しがっくりと膝をついた。
「なんてことだ…」
「父上、ここに書かれている事は本当なのですか?実の子ではないと?ラーラは王の謁見の間に何の縛りもなく入れたではないですか!」
ロードはそうつめよるバートの言葉すら耳に入らないように放心していた。
サラは、そのロードの様子に庇うように間に入りラーラとの出会いの経緯を説明しだした。
「陛下!陛下を欺くようになってしまい申し訳ございません!ラーラ様は、じつは遺跡の中で見つかったあの銀色の”卵”の中から発見された姫君だったのです!」
「どういう事だ?」
怒りを含んだように問いかけるバート。
それに観念したようにサラはラーラとの出会いから今までの事を分かる限り、バートに語りだしたのだった。
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