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魔法のある世界で
68.ラーラ本人は…02
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「そうだな…元の姿に戻れない以上、その方が皆も安心するしラーラ自身も今後、城にも行き来しやすいだろう」
そう言ってお兄様はすぐに賛成してくれた。
「ううむ、三歳のラーラも城ではとても好意的に受け入れられていたし、今の姿でも賢いラーラなら…いや、しかし別の心配も…」と何やらお父様の方は何か心配そうだったが王城内でも常にサラさんが側にいるという条件付きで許してくれた。
何か後半はもごもごと私には言いにくそうにしていた。
私は何だかそれが不思議でその事をサラさんに聞いてみた。
「お父様は何を心配しているのかしら?私の中身が三歳のままだと思って心配を?」
「いいえ!ラーラ様、逆ですわ!中身もすでに見た目通り、いえ、それ以上の淑女ぶりに心配しているのです。私には、むしろルゼルジュ様のご心配も当然かと…。以前のお可愛らしい三歳の姫様でも可愛すぎて心配でしたが今のお年頃に近い姫様では、それこそ高位貴族の者の中では身の程知らずにも懸想してくる者とかが出てきて婚姻の申し込みなどして来るやもしれませんし」
「け!懸想?こ!婚姻?まさかっ」
「何がまさかなのですか?姫様程お美しくて可愛らしくて、しかも賢い姫君、望まれて当然ではございませんか!」
「えっ?でも、成長したって言ってもまだ、せいぜい十四歳くらいじゃない?結婚なんてまだまだ…」
「まぁ、ラーラ様、この国の貴族以上の女性の適齢期は大体十五歳から十八歳くらいですわ!男性は大体十五歳から二十五歳くらいですけど」
「ええっ?はやっ!」
中身三十二歳でも研究一筋の残念女子だったウブい私にはハードルの高い世界だ!あと一年くらいで結婚適齢期なんて心の準備も何もあったものではないじゃないかと驚愕だ!
そんな驚きおののきの様子の私にサラさんは言った。
「まぁ、三歳だったラーラ様が、そういったこの世界の常識に疎いのは仕方ありませんが、王城に訪れる前にそう言った事もお伝えしておかないとですね?」
「そ、そうね?宜しくご指導お願いします」
サラさんは、本当に心強い!そう思い私はぺこりと頭を下げた。
「まあ、ラーラ様!本当にラーラ様は謙虚と言うか…私はラーラ様に仕える身なのですからお願いなどしなくても命じて下されば…」
「何言ってるの?サラさんは、私の大切なお友達でお姉様ですよ。さすがにこんなに綺麗で若いサラさんを今の姿の私がママとは呼べませんが…って何?サラさん、何泣いてるのっっ?」
サラさんは気づくと目にいっぱいの涙をためていて私は焦りまくった。
「ラーラ様、私は一生ラーラさまをお守りいたしますわ!どうぞ、私の事はサラと呼び捨てに!」
「えええっ!そんな!最初、この世界で目覚めて直ぐの時に私を保護して助けてくれた優しいお姉さんをそんな呼び捨てになんて!」
「いいえっ!今やラーラ様は王家の姫君なのですから、これから先、外で姫様が従者にまでそのような呼び方をしていると姫様を侮る者がでてきてもいけません!私がそのように主に言わせている不忠者と思うものも出てくるでしょう…」
「えっ?」
私が、『さん』づけする事で、サラさんが不忠者とか言われちゃうって?むむぅ…それは、ゆゆしき問題だわ!それはいけない!
「わ、わかった!じゃあ、サラさん…じゃなくて、サラ!これからも宜しくお願いします…じゃなくて、お願いね?」
「はい!ラーラ様っ!」
そして私は翌日、この日はお父様も付き添ってくれて、王城にサラと侍女ズを従えてむかったのだった。
そう言ってお兄様はすぐに賛成してくれた。
「ううむ、三歳のラーラも城ではとても好意的に受け入れられていたし、今の姿でも賢いラーラなら…いや、しかし別の心配も…」と何やらお父様の方は何か心配そうだったが王城内でも常にサラさんが側にいるという条件付きで許してくれた。
何か後半はもごもごと私には言いにくそうにしていた。
私は何だかそれが不思議でその事をサラさんに聞いてみた。
「お父様は何を心配しているのかしら?私の中身が三歳のままだと思って心配を?」
「いいえ!ラーラ様、逆ですわ!中身もすでに見た目通り、いえ、それ以上の淑女ぶりに心配しているのです。私には、むしろルゼルジュ様のご心配も当然かと…。以前のお可愛らしい三歳の姫様でも可愛すぎて心配でしたが今のお年頃に近い姫様では、それこそ高位貴族の者の中では身の程知らずにも懸想してくる者とかが出てきて婚姻の申し込みなどして来るやもしれませんし」
「け!懸想?こ!婚姻?まさかっ」
「何がまさかなのですか?姫様程お美しくて可愛らしくて、しかも賢い姫君、望まれて当然ではございませんか!」
「えっ?でも、成長したって言ってもまだ、せいぜい十四歳くらいじゃない?結婚なんてまだまだ…」
「まぁ、ラーラ様、この国の貴族以上の女性の適齢期は大体十五歳から十八歳くらいですわ!男性は大体十五歳から二十五歳くらいですけど」
「ええっ?はやっ!」
中身三十二歳でも研究一筋の残念女子だったウブい私にはハードルの高い世界だ!あと一年くらいで結婚適齢期なんて心の準備も何もあったものではないじゃないかと驚愕だ!
そんな驚きおののきの様子の私にサラさんは言った。
「まぁ、三歳だったラーラ様が、そういったこの世界の常識に疎いのは仕方ありませんが、王城に訪れる前にそう言った事もお伝えしておかないとですね?」
「そ、そうね?宜しくご指導お願いします」
サラさんは、本当に心強い!そう思い私はぺこりと頭を下げた。
「まあ、ラーラ様!本当にラーラ様は謙虚と言うか…私はラーラ様に仕える身なのですからお願いなどしなくても命じて下されば…」
「何言ってるの?サラさんは、私の大切なお友達でお姉様ですよ。さすがにこんなに綺麗で若いサラさんを今の姿の私がママとは呼べませんが…って何?サラさん、何泣いてるのっっ?」
サラさんは気づくと目にいっぱいの涙をためていて私は焦りまくった。
「ラーラ様、私は一生ラーラさまをお守りいたしますわ!どうぞ、私の事はサラと呼び捨てに!」
「えええっ!そんな!最初、この世界で目覚めて直ぐの時に私を保護して助けてくれた優しいお姉さんをそんな呼び捨てになんて!」
「いいえっ!今やラーラ様は王家の姫君なのですから、これから先、外で姫様が従者にまでそのような呼び方をしていると姫様を侮る者がでてきてもいけません!私がそのように主に言わせている不忠者と思うものも出てくるでしょう…」
「えっ?」
私が、『さん』づけする事で、サラさんが不忠者とか言われちゃうって?むむぅ…それは、ゆゆしき問題だわ!それはいけない!
「わ、わかった!じゃあ、サラさん…じゃなくて、サラ!これからも宜しくお願いします…じゃなくて、お願いね?」
「はい!ラーラ様っ!」
そして私は翌日、この日はお父様も付き添ってくれて、王城にサラと侍女ズを従えてむかったのだった。
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