27 / 89
魔法のある世界で
26.若き王の後悔~バート視点~
しおりを挟む
わたしは何と愚かなのか…。
これで父を越える王になどなれる筈も無い…。
突然現れた幼子に涙ながらに謝られ、喧嘩をしないでと訴えられてようやく自分がどれだけ酷く心無い事を言ったのか気づかされたのだ。
父や、セイバスのあのわたしへの非難がましい目もこの妹の涙を見た後なら当然の事だと納得した。
いや、むしろ生ぬるいぐらいである。
「な、泣くな!わたしが悪かった。すまない!」
「うぐ…王しゃま…悪くないにょ!わたしが、こなきゃ良かったの…わたし(”卵”に)帰るにょ!だから…だから…」
「ま、待て待て!一体、どこに帰ると言うのだ!お前の母は死んだのだろう?」
「だいじょうびなの…」
舌ったらずに、そう言ってその幼子はまだ泣いていた。
その涙が明らかに自分のせいだと思うとまるでぐりぐりと胸を剣でえぐられているような心持ちになった。
「大丈夫な訳ないだろう?こんなに小さいのに」
そのわたしの言葉に、この幼子は言ったのだ。
「わたしは平気なのにょ!お父様もお母様も、もともと家族なんていなかったから!」と…。
「だから喧嘩しないで」と…。
目にいっぱいの涙をためながら…。
父は言っていた。
一人きり神殿に閉じ込められて日も当たらぬところで隠されるように育てられたのだと…また大袈裟にお涙ちょうだいの話を…と思っていたが、この妹の透けるような白い肌をみて、太陽の日すら浴びずに育ったと言うのにも納得せざるおえなかった。
(※実際の身体は”卵”の中で培養されて育ったのだが、日の当たらないところで…というのは紛れもない事実で合致している)
自分はどうなのか?
生まれた時には父も母もいた。
即位する前に母は亡くなったが良くも悪くも沢山の思い出もあり、それなりに愛しんでもらった。
母が亡くなっても乳母や召使に囲まれ、父との遠乗りや狩り、様々な祝い事、沢山の思い出もある。
食べるものにも衣服にも寝るところにも困った事などないというのに…。
こんな小さな幼子が母の記憶も父の記憶も無くそれでも平気だからと兄と父の仲たがいを心配して自分は出て行くと言ったのだ。
いや!違う!言ったのではない!
わたしが…このわたしが言わせたのだ!
…言わせてしまったのだ!
何とわたしは愚かなのだ!
そう激しく後悔した。
そしてその時、その瞬間に既にわたしは彼女の事を妹と無意識にも認めていたのだろう。
「ラーラ、すまない!父には、わたしから謝って仲直りするから、どうか許してくれないか?どうか出て行くなどと言わないでくれ」わたしは涙のとまらぬ妹に心を込めて謝った。
それはもう心から…。
「王しゃま…もう怒ってにゃい?」
”王様”と呼ぶその言葉にも胸が痛んだ。
こんな小さな子が兄であるわたしに気を使っている事が窺えたからだ。
兄であるわたしが自分を認めていないと知り、あえて”王様”と呼ぶのだと…。
胸の奥がしめつけられた。
なんと罪深い事だろう。
「どうか、わたしの事は兄様と呼んでくれないか?」
わたしは、妹の美しい紫水晶のような瞳を覗き込みながらそう懇願した。
なんと曇りのない美しい瞳なのか…。
「にいしゃま?」
「ああ、そうだよ」そう言うと妹はやっと泣き止んだ。
「い…いいの?」
「ああ、もちろんだとも、むしろお願いだから」
妹の涙の止まった事が嬉しく、わたしは笑顔でそう言っていた。
「お…おにいしゃま?」
そう言って妹はくしゃっと顔をゆがませまた泣いた。
「ああ、ああ、ラーラ!本当にすまなかった!ああ、泣かないでおくれ!悲しませて本当に悪かった!」
「ちがうにょ!嬉しいにょ~…うぐっ…えぐっ…」そう言ってラーラは、一生懸命笑おうとしながらも涙がとまらないようだった。
その嬉しそうな泣き笑いにわたしはもう、もう、もう!胸がものすごく締め付けられた。
何なんだコレは!
なんて無垢で純粋な奇跡のような存在なのか!
「ああ~、もうっ!何でこんなに可愛いんだっっ!」
ついついそう呟いてわたしは妹を抱きあげ背中をポンポンと叩いてやった。
***
わたし以外、誰もいない筈のこの部屋から話声がして不振に思ったのであろう。
扉の外を警備する騎士達が恐る恐る室内を覗きこみ固まっていた。
王たるわたしが、幼子を抱っこして背中をポンポンしながらあやしていたのだ。
そりゃあ、さぞかし驚いただろう。
わたしが騎士達の立場でも驚いたと思う。
そして扉の外、少しばかり離れた場所から、父や爺たちの焦ったような声が聞こえた。
「ラーラ様~!どこですか~?」
「「「ラーラ様~っ!」」」
「ラーラ!返事しろ~!父様とお家に帰ろう~?」
「ラーラ姫様!お返事して下さいませぇーっ」
と、それは明らかに妹を探す複数の声だった。
なるほど、誰にも告げず発作的に、いきなり転移して来たようである。
しかし、いくら王族とはいえ(ほんとは違うけど)まだ三歳くらいだろうに、短い距離とは言え『転移』をするなんて、末恐ろしい妹だと驚愕した。
そして、わたしは騎士に申し付けた。
「先王陛下にラーラはここに居ると伝えよ」
私は、そこにいた二人の騎士達にそう言った。
「えっ?は、はい!あの!そのお子様は?」
「い、一体、いつの間に…」
「転移して入ってきたのだ。わたしに用があったらしい」
「え!ええっ?転移魔法で?しかしここは」
「そ、そうです、ここは!王族のみ…」
「そう、王族のしかも直系の者しか入れぬ場所だ!この者は我が妹ラーラだ!父が心配して探しているようだ。早く言って安心させてやるがいい」
「「えっ!ええっ?妹姫様っ??」」
「早く行け!」
「「は!はいぃっ!」」
騎士達は更に目をまん丸にして驚き、そして直ぐに外にいる父やセイバス達に知らせに走った。
騎士達に声をかけられ、こちらを見た父は、わたしがラーラを抱きかかえてあやしているのを見て満足そうなドヤ顔になった。
大体言いたい事は分かる。
『ほうら、みろ!ラーラは、可愛いだろう?』と言ったところだろう!
悔しいが父の子とは思えないくらい可愛らしい!
しかも無垢で健気だ!
この妹の母親の巫女姫とはさぞかし美しく清らかな姫君だったに違いない。
父などに捕まったのが気の毒なくらいだ!
わたしだったらすぐにも城に向かえたのにと父の不誠実に憤慨した。
そして同時にこんなにも愛しく思える存在が自分の妹だと言う事に歓喜した!
出会ったその瞬間からまるで心ごと全部さらっていかれたかの衝撃に紛れもなく自分の血につらなる者に違いないと感じられたのだった!
そうでなければ、この溢れんばかりの気持ちに説明がつかない!そう思った。
そうしてわたしはあっさり妹を受け入れたのだった。
悔しいが悪いのは全て父で、この妹には何の罪もないのである!
父の事はいつか必ず乗り越えて見せると思っているが、この超絶可愛く優しい健気な妹には、ひょっとしたら(ひょっとしなくても)わたしは一生頭があがらないかもしれない。
そんな事を思いながら腕の中にいる妹の暖かさを感じて心の中まで暖まるような…そんな気がしていた。
これで父を越える王になどなれる筈も無い…。
突然現れた幼子に涙ながらに謝られ、喧嘩をしないでと訴えられてようやく自分がどれだけ酷く心無い事を言ったのか気づかされたのだ。
父や、セイバスのあのわたしへの非難がましい目もこの妹の涙を見た後なら当然の事だと納得した。
いや、むしろ生ぬるいぐらいである。
「な、泣くな!わたしが悪かった。すまない!」
「うぐ…王しゃま…悪くないにょ!わたしが、こなきゃ良かったの…わたし(”卵”に)帰るにょ!だから…だから…」
「ま、待て待て!一体、どこに帰ると言うのだ!お前の母は死んだのだろう?」
「だいじょうびなの…」
舌ったらずに、そう言ってその幼子はまだ泣いていた。
その涙が明らかに自分のせいだと思うとまるでぐりぐりと胸を剣でえぐられているような心持ちになった。
「大丈夫な訳ないだろう?こんなに小さいのに」
そのわたしの言葉に、この幼子は言ったのだ。
「わたしは平気なのにょ!お父様もお母様も、もともと家族なんていなかったから!」と…。
「だから喧嘩しないで」と…。
目にいっぱいの涙をためながら…。
父は言っていた。
一人きり神殿に閉じ込められて日も当たらぬところで隠されるように育てられたのだと…また大袈裟にお涙ちょうだいの話を…と思っていたが、この妹の透けるような白い肌をみて、太陽の日すら浴びずに育ったと言うのにも納得せざるおえなかった。
(※実際の身体は”卵”の中で培養されて育ったのだが、日の当たらないところで…というのは紛れもない事実で合致している)
自分はどうなのか?
生まれた時には父も母もいた。
即位する前に母は亡くなったが良くも悪くも沢山の思い出もあり、それなりに愛しんでもらった。
母が亡くなっても乳母や召使に囲まれ、父との遠乗りや狩り、様々な祝い事、沢山の思い出もある。
食べるものにも衣服にも寝るところにも困った事などないというのに…。
こんな小さな幼子が母の記憶も父の記憶も無くそれでも平気だからと兄と父の仲たがいを心配して自分は出て行くと言ったのだ。
いや!違う!言ったのではない!
わたしが…このわたしが言わせたのだ!
…言わせてしまったのだ!
何とわたしは愚かなのだ!
そう激しく後悔した。
そしてその時、その瞬間に既にわたしは彼女の事を妹と無意識にも認めていたのだろう。
「ラーラ、すまない!父には、わたしから謝って仲直りするから、どうか許してくれないか?どうか出て行くなどと言わないでくれ」わたしは涙のとまらぬ妹に心を込めて謝った。
それはもう心から…。
「王しゃま…もう怒ってにゃい?」
”王様”と呼ぶその言葉にも胸が痛んだ。
こんな小さな子が兄であるわたしに気を使っている事が窺えたからだ。
兄であるわたしが自分を認めていないと知り、あえて”王様”と呼ぶのだと…。
胸の奥がしめつけられた。
なんと罪深い事だろう。
「どうか、わたしの事は兄様と呼んでくれないか?」
わたしは、妹の美しい紫水晶のような瞳を覗き込みながらそう懇願した。
なんと曇りのない美しい瞳なのか…。
「にいしゃま?」
「ああ、そうだよ」そう言うと妹はやっと泣き止んだ。
「い…いいの?」
「ああ、もちろんだとも、むしろお願いだから」
妹の涙の止まった事が嬉しく、わたしは笑顔でそう言っていた。
「お…おにいしゃま?」
そう言って妹はくしゃっと顔をゆがませまた泣いた。
「ああ、ああ、ラーラ!本当にすまなかった!ああ、泣かないでおくれ!悲しませて本当に悪かった!」
「ちがうにょ!嬉しいにょ~…うぐっ…えぐっ…」そう言ってラーラは、一生懸命笑おうとしながらも涙がとまらないようだった。
その嬉しそうな泣き笑いにわたしはもう、もう、もう!胸がものすごく締め付けられた。
何なんだコレは!
なんて無垢で純粋な奇跡のような存在なのか!
「ああ~、もうっ!何でこんなに可愛いんだっっ!」
ついついそう呟いてわたしは妹を抱きあげ背中をポンポンと叩いてやった。
***
わたし以外、誰もいない筈のこの部屋から話声がして不振に思ったのであろう。
扉の外を警備する騎士達が恐る恐る室内を覗きこみ固まっていた。
王たるわたしが、幼子を抱っこして背中をポンポンしながらあやしていたのだ。
そりゃあ、さぞかし驚いただろう。
わたしが騎士達の立場でも驚いたと思う。
そして扉の外、少しばかり離れた場所から、父や爺たちの焦ったような声が聞こえた。
「ラーラ様~!どこですか~?」
「「「ラーラ様~っ!」」」
「ラーラ!返事しろ~!父様とお家に帰ろう~?」
「ラーラ姫様!お返事して下さいませぇーっ」
と、それは明らかに妹を探す複数の声だった。
なるほど、誰にも告げず発作的に、いきなり転移して来たようである。
しかし、いくら王族とはいえ(ほんとは違うけど)まだ三歳くらいだろうに、短い距離とは言え『転移』をするなんて、末恐ろしい妹だと驚愕した。
そして、わたしは騎士に申し付けた。
「先王陛下にラーラはここに居ると伝えよ」
私は、そこにいた二人の騎士達にそう言った。
「えっ?は、はい!あの!そのお子様は?」
「い、一体、いつの間に…」
「転移して入ってきたのだ。わたしに用があったらしい」
「え!ええっ?転移魔法で?しかしここは」
「そ、そうです、ここは!王族のみ…」
「そう、王族のしかも直系の者しか入れぬ場所だ!この者は我が妹ラーラだ!父が心配して探しているようだ。早く言って安心させてやるがいい」
「「えっ!ええっ?妹姫様っ??」」
「早く行け!」
「「は!はいぃっ!」」
騎士達は更に目をまん丸にして驚き、そして直ぐに外にいる父やセイバス達に知らせに走った。
騎士達に声をかけられ、こちらを見た父は、わたしがラーラを抱きかかえてあやしているのを見て満足そうなドヤ顔になった。
大体言いたい事は分かる。
『ほうら、みろ!ラーラは、可愛いだろう?』と言ったところだろう!
悔しいが父の子とは思えないくらい可愛らしい!
しかも無垢で健気だ!
この妹の母親の巫女姫とはさぞかし美しく清らかな姫君だったに違いない。
父などに捕まったのが気の毒なくらいだ!
わたしだったらすぐにも城に向かえたのにと父の不誠実に憤慨した。
そして同時にこんなにも愛しく思える存在が自分の妹だと言う事に歓喜した!
出会ったその瞬間からまるで心ごと全部さらっていかれたかの衝撃に紛れもなく自分の血につらなる者に違いないと感じられたのだった!
そうでなければ、この溢れんばかりの気持ちに説明がつかない!そう思った。
そうしてわたしはあっさり妹を受け入れたのだった。
悔しいが悪いのは全て父で、この妹には何の罪もないのである!
父の事はいつか必ず乗り越えて見せると思っているが、この超絶可愛く優しい健気な妹には、ひょっとしたら(ひょっとしなくても)わたしは一生頭があがらないかもしれない。
そんな事を思いながら腕の中にいる妹の暖かさを感じて心の中まで暖まるような…そんな気がしていた。
0
お気に入りに追加
462
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】婚約破棄された傷もの令嬢は王太子の側妃になりました
金峯蓮華
恋愛
公爵令嬢のロゼッタは王立学園の卒業パーティーで婚約者から婚約破棄を言い渡された。どうやら真実の愛を見つけたらしい。
しかし、相手の男爵令嬢を虐めたと身に覚えのない罪を着せられた。
婚約者の事は別に好きじゃないから婚約破棄はありがたいけど冤罪は嫌だわ。
結婚もなくなり、退屈していたところに王家から王太子の側妃にと打診が来た。
側妃なら気楽かも? と思い了承したが、気楽どころか、大変な毎日が待っていた。
*ご都合主義のファンタジーです。見守ってくださいませ*
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
(完結)夫に浮気されたのは嫁の私が至らないせいだそうです
青空一夏
恋愛
私はパトリシア。両親を早くに亡くし叔父夫妻に育てられた。ギガンテッド男爵家の三男に見初められて結婚したが、その結婚生活は・・・・・・
ギガンテッド元男爵夫妻(夫の両親)が私達夫婦の屋敷に同居し、私はいつも振り回されている。それでも、夫は私に優しくねぎらいの言葉をかけてくれた。だから、我慢できたのだけれど・・・・・・
夫の浮気が発覚。私は悲しみにくれ夫を責めた。すると、夫の母親は私に言った。
「夫に浮気されるのは嫁のあなたが至らないせいでしょう!」
だから私は・・・・・・
☆ご注意☆
この小説の舞台は異世界です。ヨーロッパ風ですが、史実に基づいてはおりません。貴族は嫡男だけが爵位や屋敷・財産を継ぎ、次男以下は仕事を持ち自分で生活します。パトリシアの夫は三男である為、パトリシアの屋敷では平民に近い生活になっています。
※途中タグの追加・変更の可能性あるかもしれません。
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる