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ジルの話
100.豹獣人ディオルの困惑① ディオル視点
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クルンデュラ国最強の部隊『影』の隊長ディオル…それが今の俺の肩書だ。
突然、魔の森から轟音と共に凄まじい火柱が上がり、それはこのクルンデュラ国の城からも見て取れた。
その後、突然の竜巻が現れそれは直ぐに消えた。
この国には魔族、獣人、そして魔族と人間の混血や魔族と獣人の混血などの亜人達がいる。
そして極一部、さらわれてきた人間たち…。
このさらわれてきた人間と言うのは主に一部の悪しき魔族たちが、外界の人間達を使い繁殖の為に浚ってきた者達で、その全ては女達だ。
居城には、一部の悪しき魔族どもに人間の国から浚われて来た女達を保護し、その報告に来ていたところだった。
この国は、魔界との狭間にあり、しかも地形が独特で渓谷の底位置にあり、谷を囲む山々(霊山)には大地からの膨大な霊力がありそれが結界となり他国からは入りずらく、一度入ったら出づらい国だ。
他国から入る時は最高峰に高度な魔法が必要で、転移させるしかない。
特殊な霊山の持つ結界をも超える転移の魔法が必要で大量の魔力と大掛かりな魔術具が必要だ。
一部の悪しき魔物たちはこの魔術具を使い、自分達の花嫁を浚ってくる。
元々は罪人の流刑の地だったが、無実の罪で流された者や政権争いに敗れてここに飛ばされた者は少なくはなかった。
そして過酷なこの国で生き残れた者は多大な魔力を持つ者や、強靭なる肉体を持つ獣人たちもしくは、反獣人や半魔族(魔人)に限られていた。
そして数百年以上の年月からそこで、勢力争いに負けて飛ばされて来た魔力もちの貴族やその子孫達によって国が起こされた。
国として立ち上がったのはわずか百年ほど前…まだ歴史は浅く、若い国だ。
他国では未だこの国の存在を知る者は、そうは多くなく伝説や物語の中の国だと囁かれている。
更に付け加えるならば、咎人を祖先とする悪しき一族、悪しき風習、悪しき民も少なからずいる事は否めない。
故に、この国で生き残っている民たちは他国の人間達とは比にならないほどの強者ばかりだ。
人間達から見れば超人達の国と言ってもいいだろう。
そんな超人達の国…他国から見れば脅威だ。
人間達はこのクルンデュラの地を恐れている。
この国が他国を攻めればあっという間に掌握してしまうだろう。
そう思えるくらいに、この国に生きる者達は強いのだ。
人間などのか弱き生き物の比ではない。
人間達にとって幸いだったのは、この渓谷の国の周りが、恐ろしく強固な結界で守られた聖なる山々だった事だ。
魔界と人界との境目であるが故の成り立ちなのかもしれない。
魔物たちには、この山を越える事は出来ない。
そう、伝説によると、この世界を創りし偉大なる魔法使い達の一人が、人の世界を分ける為に作った聖なる山々だった。
そんな特殊な国の最奥にある魔の森に人間が…しかも子供が飛ばされて来るなどと…そんな事があり得るのか?こんな子供が罪人とも思えないし、何よりこの国が国として名を挙げてから、罪人を送りつけてくるような事は無くなった筈だ。
だが、現実のこの美しい子供は目の前に存在している。
そして、人間達が怯えるはずの我らの外見に怯える様子もない。
保護した人間の女達など、助けてやったというのに俺たちをみて泣き叫んでいたというのに。
これは…どういう事なのだ?人間は人間以外の者を極端に恐れる生き物ではなかったか?
突然、魔の森から轟音と共に凄まじい火柱が上がり、それはこのクルンデュラ国の城からも見て取れた。
その後、突然の竜巻が現れそれは直ぐに消えた。
この国には魔族、獣人、そして魔族と人間の混血や魔族と獣人の混血などの亜人達がいる。
そして極一部、さらわれてきた人間たち…。
このさらわれてきた人間と言うのは主に一部の悪しき魔族たちが、外界の人間達を使い繁殖の為に浚ってきた者達で、その全ては女達だ。
居城には、一部の悪しき魔族どもに人間の国から浚われて来た女達を保護し、その報告に来ていたところだった。
この国は、魔界との狭間にあり、しかも地形が独特で渓谷の底位置にあり、谷を囲む山々(霊山)には大地からの膨大な霊力がありそれが結界となり他国からは入りずらく、一度入ったら出づらい国だ。
他国から入る時は最高峰に高度な魔法が必要で、転移させるしかない。
特殊な霊山の持つ結界をも超える転移の魔法が必要で大量の魔力と大掛かりな魔術具が必要だ。
一部の悪しき魔物たちはこの魔術具を使い、自分達の花嫁を浚ってくる。
元々は罪人の流刑の地だったが、無実の罪で流された者や政権争いに敗れてここに飛ばされた者は少なくはなかった。
そして過酷なこの国で生き残れた者は多大な魔力を持つ者や、強靭なる肉体を持つ獣人たちもしくは、反獣人や半魔族(魔人)に限られていた。
そして数百年以上の年月からそこで、勢力争いに負けて飛ばされて来た魔力もちの貴族やその子孫達によって国が起こされた。
国として立ち上がったのはわずか百年ほど前…まだ歴史は浅く、若い国だ。
他国では未だこの国の存在を知る者は、そうは多くなく伝説や物語の中の国だと囁かれている。
更に付け加えるならば、咎人を祖先とする悪しき一族、悪しき風習、悪しき民も少なからずいる事は否めない。
故に、この国で生き残っている民たちは他国の人間達とは比にならないほどの強者ばかりだ。
人間達から見れば超人達の国と言ってもいいだろう。
そんな超人達の国…他国から見れば脅威だ。
人間達はこのクルンデュラの地を恐れている。
この国が他国を攻めればあっという間に掌握してしまうだろう。
そう思えるくらいに、この国に生きる者達は強いのだ。
人間などのか弱き生き物の比ではない。
人間達にとって幸いだったのは、この渓谷の国の周りが、恐ろしく強固な結界で守られた聖なる山々だった事だ。
魔界と人界との境目であるが故の成り立ちなのかもしれない。
魔物たちには、この山を越える事は出来ない。
そう、伝説によると、この世界を創りし偉大なる魔法使い達の一人が、人の世界を分ける為に作った聖なる山々だった。
そんな特殊な国の最奥にある魔の森に人間が…しかも子供が飛ばされて来るなどと…そんな事があり得るのか?こんな子供が罪人とも思えないし、何よりこの国が国として名を挙げてから、罪人を送りつけてくるような事は無くなった筈だ。
だが、現実のこの美しい子供は目の前に存在している。
そして、人間達が怯えるはずの我らの外見に怯える様子もない。
保護した人間の女達など、助けてやったというのに俺たちをみて泣き叫んでいたというのに。
これは…どういう事なのだ?人間は人間以外の者を極端に恐れる生き物ではなかったか?
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