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はじまり
42.決戦当日--07-ルークの秘密と親友ルミアーナ
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これでもか?という程に、やらかしつくす?マルガリータに周りは驚愕の嵐だった。
(ぬおおぅっ、マルガリータ様?ってば、地雷の上でタップダンスおどってらっしゃるわ)とラフィリアード公爵夫人ルミアーナは思った。
いつもならルークは、ルミアーナの考えが読めてしまうので、そんなルミアーナの言葉に噴き出すところなのだが…ルークは静かにマルガリータを睨んでいた。
そう…これまでルークが他人に心を開いてこなかったのは、ひとえにこの能力のせいである。
ルークは生まれつき魔力が高く小さな頃から人の心が読めてしまうのだ。
そのせいで魔力が不安定で危険な魔力が暴発する危険があったため、王家の第二王子という身分でありながら、わずか五歳のころから神殿預けとなり幼少期を家族と離れ、自分の魔力や感情を制御できる術を学んだのである。
王子が王城で家族とやっと過ごせるようになったのは、神殿から学園へ進み卒業できた十五歳のころからである。
心が読める…読めてしまう。
人の良き心も悪しき心も…醜い気持ちや欲望も…。
それは、ルークにとって決して喜べる事ではなかった。
この秘密はルミアーナと精霊たち、そしてラフィリル大神殿の神官長だけが知るルークの秘密である。
従兄弟であるであるダルタスも両親であるラフィリル国王夫妻も兄や弟ですら知らぬ秘密である。
(あれま、ルークってば、まだ怖い顔して、本気で怒ってるのね?)と、ルミアーナがルークにちらりと視線をおくるとルークがルミアーナにふんっという視線を送った。
(当たり前だろう?)と思っているようだ。
(こわっ!心なんか読めなくても言いたい事はわかるわよ~…何となくねっ!はいはい!イリューリアを突き飛ばした事とか馬鹿にしたことが許せないのよね~?)と思うルミアーナだった。
そう、ルミアーナ自身は精霊たちの主で自国では女神と称えられているものの、心を読んだり、魔法を使ったりはできない。
自分に魔力があるなど知らずに育ったルミアーナはそれを魔法として使う方法を知らないのである。
特に人の心が読めてしまうような事もなかった。
血族の中でも精霊に選ばれしルミアーナの中には無尽蔵な魔力が溢れているが、ルークのように、感情に左右されるタイプのものではなく安定しすぎて自分や周りさえも、その内なる魔力に気づかないくらいだったのだ。
ルークの持つ魔力とルミアーナの内なる魔力は、全く異なるものだった。
そして、それをよりどころに精霊たちが精霊界からやってきてはルミアーナの創り出す”月の石”に宿る。
創り出すと言ってもルミアーナの、感情がたかぶると、勝手に月の石が、生まれてきてしまうのである。
それ故、精霊はルミアーナを主としてつき従うのである。
ルミアーナとルークが知り合ったのは二人が十六歳の頃である。
その頃からの親友なのだ。
出会ったその頃、既にルミアーナはダルタスのことが好きで好きでたまらず、それはダルタスも同じなのに、変に勘違いして、婚約破棄したり、家出したり、かと思ったら思い叶いあったのに国王の反対にあって駆け落ちしたりと、とにかく、めまぐるしかった。
ルークはそれまで、身内以外の人間に気を許すことはなかったが、ルミアーナだけは特別だった。
ルミアーナの破天荒すぎで、面白すぎで、とびきり純粋で元気で無垢な魂が、非常に気に入ってしまったのである。
だからと言ってルミアーナに恋することはなかった。
何故なら出会ったころから「ダルタス命!」のルミアーナが、超絶!面白かったからである。
当時から強面で女子供から恐れられていた鬼将軍ダルタスに何の裏もなく本気も本気で恋しているルミアーナはとても好ましかったし、男の格好をして騎士団に入って修行し、第一王子と決闘してぶちのめした事もあるルミアーナは、本当に面白すぎて、とてもじゃないが、ルークにとっては恋する対象とかにはならなかった。
ある日、ルミアーナが、ルークに「心を読めるのも大変ね~」と笑って言った事があった。
ルークは、驚いた。
これまでルークの秘密に気づいた者は皆、驚愕し、そして怯え狼狽えたからである。
そうした者達の記憶をルークは消していった。
心が読まれていると知った上であっけらかんとしていたのはルミアーナが、今のところ初めてで最後である。
「僕の事が、気味悪くはないのか?心を読まれるなんて嫌じゃないか?」と聞いた事があった。
ちなみにルミアーナがその時に言った言葉をルークは今も覚えている。
「私なんて、うじゃうじゃいる精霊たち全部に普段から心なんて読まれまくりだから、慣れちゃてるわよ。プライバシーなんて、あったもんじゃないわよね!まぁ、魔法使いも精霊も似たようなもんでしょ?ルークは魔法使いなんだし、気にしてないわよ!だからルークも私が黒い事とかダルタス様相手にエッチな事考えてるの、うっかり読んじゃってもバラしちゃダメよ?あははははっ!」と笑い飛ばしたのである。
人知れず、我が身を厭わしいと感じる事すらあったルークは、自分が心から崇める精霊と同じようなものだと言われ、その言葉の裏のなさに喜び、涙した事は忘れようもない。
(なんて、男前な奴なんだ!ルミアーナ!お前とは生涯、親友だ!)と心から思ったものである。
ルークは親友ルミアーナと尊敬する従兄の恋を心から応援し、すったもんだの末、今のラフィリアード一家ができたのである。
(その愉快にも慌ただしい数々のエピソード、それは、また別のルミアーナとダルタス将軍の恋のお話である。)
それ故、ルークとダルタス一家との絆は深かった。
(ぬおおぅっ、マルガリータ様?ってば、地雷の上でタップダンスおどってらっしゃるわ)とラフィリアード公爵夫人ルミアーナは思った。
いつもならルークは、ルミアーナの考えが読めてしまうので、そんなルミアーナの言葉に噴き出すところなのだが…ルークは静かにマルガリータを睨んでいた。
そう…これまでルークが他人に心を開いてこなかったのは、ひとえにこの能力のせいである。
ルークは生まれつき魔力が高く小さな頃から人の心が読めてしまうのだ。
そのせいで魔力が不安定で危険な魔力が暴発する危険があったため、王家の第二王子という身分でありながら、わずか五歳のころから神殿預けとなり幼少期を家族と離れ、自分の魔力や感情を制御できる術を学んだのである。
王子が王城で家族とやっと過ごせるようになったのは、神殿から学園へ進み卒業できた十五歳のころからである。
心が読める…読めてしまう。
人の良き心も悪しき心も…醜い気持ちや欲望も…。
それは、ルークにとって決して喜べる事ではなかった。
この秘密はルミアーナと精霊たち、そしてラフィリル大神殿の神官長だけが知るルークの秘密である。
従兄弟であるであるダルタスも両親であるラフィリル国王夫妻も兄や弟ですら知らぬ秘密である。
(あれま、ルークってば、まだ怖い顔して、本気で怒ってるのね?)と、ルミアーナがルークにちらりと視線をおくるとルークがルミアーナにふんっという視線を送った。
(当たり前だろう?)と思っているようだ。
(こわっ!心なんか読めなくても言いたい事はわかるわよ~…何となくねっ!はいはい!イリューリアを突き飛ばした事とか馬鹿にしたことが許せないのよね~?)と思うルミアーナだった。
そう、ルミアーナ自身は精霊たちの主で自国では女神と称えられているものの、心を読んだり、魔法を使ったりはできない。
自分に魔力があるなど知らずに育ったルミアーナはそれを魔法として使う方法を知らないのである。
特に人の心が読めてしまうような事もなかった。
血族の中でも精霊に選ばれしルミアーナの中には無尽蔵な魔力が溢れているが、ルークのように、感情に左右されるタイプのものではなく安定しすぎて自分や周りさえも、その内なる魔力に気づかないくらいだったのだ。
ルークの持つ魔力とルミアーナの内なる魔力は、全く異なるものだった。
そして、それをよりどころに精霊たちが精霊界からやってきてはルミアーナの創り出す”月の石”に宿る。
創り出すと言ってもルミアーナの、感情がたかぶると、勝手に月の石が、生まれてきてしまうのである。
それ故、精霊はルミアーナを主としてつき従うのである。
ルミアーナとルークが知り合ったのは二人が十六歳の頃である。
その頃からの親友なのだ。
出会ったその頃、既にルミアーナはダルタスのことが好きで好きでたまらず、それはダルタスも同じなのに、変に勘違いして、婚約破棄したり、家出したり、かと思ったら思い叶いあったのに国王の反対にあって駆け落ちしたりと、とにかく、めまぐるしかった。
ルークはそれまで、身内以外の人間に気を許すことはなかったが、ルミアーナだけは特別だった。
ルミアーナの破天荒すぎで、面白すぎで、とびきり純粋で元気で無垢な魂が、非常に気に入ってしまったのである。
だからと言ってルミアーナに恋することはなかった。
何故なら出会ったころから「ダルタス命!」のルミアーナが、超絶!面白かったからである。
当時から強面で女子供から恐れられていた鬼将軍ダルタスに何の裏もなく本気も本気で恋しているルミアーナはとても好ましかったし、男の格好をして騎士団に入って修行し、第一王子と決闘してぶちのめした事もあるルミアーナは、本当に面白すぎて、とてもじゃないが、ルークにとっては恋する対象とかにはならなかった。
ある日、ルミアーナが、ルークに「心を読めるのも大変ね~」と笑って言った事があった。
ルークは、驚いた。
これまでルークの秘密に気づいた者は皆、驚愕し、そして怯え狼狽えたからである。
そうした者達の記憶をルークは消していった。
心が読まれていると知った上であっけらかんとしていたのはルミアーナが、今のところ初めてで最後である。
「僕の事が、気味悪くはないのか?心を読まれるなんて嫌じゃないか?」と聞いた事があった。
ちなみにルミアーナがその時に言った言葉をルークは今も覚えている。
「私なんて、うじゃうじゃいる精霊たち全部に普段から心なんて読まれまくりだから、慣れちゃてるわよ。プライバシーなんて、あったもんじゃないわよね!まぁ、魔法使いも精霊も似たようなもんでしょ?ルークは魔法使いなんだし、気にしてないわよ!だからルークも私が黒い事とかダルタス様相手にエッチな事考えてるの、うっかり読んじゃってもバラしちゃダメよ?あははははっ!」と笑い飛ばしたのである。
人知れず、我が身を厭わしいと感じる事すらあったルークは、自分が心から崇める精霊と同じようなものだと言われ、その言葉の裏のなさに喜び、涙した事は忘れようもない。
(なんて、男前な奴なんだ!ルミアーナ!お前とは生涯、親友だ!)と心から思ったものである。
ルークは親友ルミアーナと尊敬する従兄の恋を心から応援し、すったもんだの末、今のラフィリアード一家ができたのである。
(その愉快にも慌ただしい数々のエピソード、それは、また別のルミアーナとダルタス将軍の恋のお話である。)
それ故、ルークとダルタス一家との絆は深かった。
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