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ルミアーナの逆襲?
175.悪女ロレッタの”もしかしたら”
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「ねぇねぇ、聞いた?今日ダルタス将軍もこの同窓会に来るって」
「ええっ?嘘でしょう?やだっ知ってたら来なかったのにっ!」
そんな失礼な暴言を吐いているのはダルタスの同期生の女子たちである。
ちなみに男子達は両極端である。
「おおっ!我らが同期の出世頭!この国の英雄に会えるのか?楽しみだ」という者もいれば
「やばい!俺、あいつがまさか公爵家跡取りだなんて知らずに結構ぞんざいな口聞いてたんだよな」と青くなる者もいた。
そんな中、一人俯く女騎士がいた。
かつてダルタスに罠を仕掛けたロレッタ・ルーティーである。
彼女は今は辺境地区の騎士として勤務している。
女性ながらも一個小隊を任され、それなりに活躍はしている(と、自分では思っている)ものの、卒業後、ダルタスが公爵家跡取りであったことを知り、罰ゲームとは言え、一緒にいた自分より高位貴族であろう女子の言いつけを聞きダルタスを貶めた事を激しく後悔していた。
彼が優しい人間だと言う事は知っていたが、当時は、数少ない同期の女友達に逆らえなかったのである。
自分は貧乏な男爵家の出である。
女友達たちは、自分より身分が上だと思われたし、実際、卒業してみたら子爵家や辺境伯の出で自分より身分が上だった。
逆らわなかったのは正解だったと思えたが卒業後、ダルタスがこの国の要、王都を護る将軍に抜擢された時には次に自分が会ったときに、処罰されるのではないかと恐れおののいた。
だが、その反面都合のいい夢を見たりもした。
あんなことをした後もダルタスは自分を庇って先生に言いつける事もなかった。
よほど自分の事が好きだったに違いない…。
あんな傷のあるお顔だと普通の貴族令嬢ならきっと卒倒してしまうに違いないわ…。
公爵令嬢と結婚したという噂は辺境にまで届いたけれど、きっと政略結婚に違いない。
公爵令嬢だなどと正真正銘のお姫様が、あんな粗野なダルタスに耐えられる筈がない。
そう、荒くれの騎士や武人達の相手もへっちゃらな女騎士の自分ならともかく…である。
それに、もしかしたら未だにダルタスは自分の事が好きで、もしかしたら再会して自分が心から詫びれば許して愛人の一人にでもしてくれるかもしれない…。
そして、男の子でも授かろうものなら次期公爵の生母という事になる。
そんな都合のいい事さえ考えていた。
そう…。自分は友人にそそのかされて嫌々ダルタスを騙した形になっていたが、ずっと後悔していたと伝えよう。
鬼将軍と名を馳せていようとも、見た目に反して彼が実は優しい人間だと自分は知っている。
優しいダルタスなら、きっと自分を許し受け入れてくれる!
だって自分は悪い友人にそそのかされただけなのだから…。
自分は騎士の中では見た目も悪くないと自負している。
公爵令嬢などきっとダルタスに怯える人形のような姫君に違いないのだから『自分こそがダルタスの妻に相応しいに違いない!』と、ありえない夢をみる。
都合のよすぎる”もしかしたら”という妄想はロレッタの中では限りなく現実めいたものに感じられていた。
ロレッタは、自分の妄想に憑りつかれ、自分の過去の過ちさえも自分が被害者だったかのように思いこむのだった。
「ええっ?嘘でしょう?やだっ知ってたら来なかったのにっ!」
そんな失礼な暴言を吐いているのはダルタスの同期生の女子たちである。
ちなみに男子達は両極端である。
「おおっ!我らが同期の出世頭!この国の英雄に会えるのか?楽しみだ」という者もいれば
「やばい!俺、あいつがまさか公爵家跡取りだなんて知らずに結構ぞんざいな口聞いてたんだよな」と青くなる者もいた。
そんな中、一人俯く女騎士がいた。
かつてダルタスに罠を仕掛けたロレッタ・ルーティーである。
彼女は今は辺境地区の騎士として勤務している。
女性ながらも一個小隊を任され、それなりに活躍はしている(と、自分では思っている)ものの、卒業後、ダルタスが公爵家跡取りであったことを知り、罰ゲームとは言え、一緒にいた自分より高位貴族であろう女子の言いつけを聞きダルタスを貶めた事を激しく後悔していた。
彼が優しい人間だと言う事は知っていたが、当時は、数少ない同期の女友達に逆らえなかったのである。
自分は貧乏な男爵家の出である。
女友達たちは、自分より身分が上だと思われたし、実際、卒業してみたら子爵家や辺境伯の出で自分より身分が上だった。
逆らわなかったのは正解だったと思えたが卒業後、ダルタスがこの国の要、王都を護る将軍に抜擢された時には次に自分が会ったときに、処罰されるのではないかと恐れおののいた。
だが、その反面都合のいい夢を見たりもした。
あんなことをした後もダルタスは自分を庇って先生に言いつける事もなかった。
よほど自分の事が好きだったに違いない…。
あんな傷のあるお顔だと普通の貴族令嬢ならきっと卒倒してしまうに違いないわ…。
公爵令嬢と結婚したという噂は辺境にまで届いたけれど、きっと政略結婚に違いない。
公爵令嬢だなどと正真正銘のお姫様が、あんな粗野なダルタスに耐えられる筈がない。
そう、荒くれの騎士や武人達の相手もへっちゃらな女騎士の自分ならともかく…である。
それに、もしかしたら未だにダルタスは自分の事が好きで、もしかしたら再会して自分が心から詫びれば許して愛人の一人にでもしてくれるかもしれない…。
そして、男の子でも授かろうものなら次期公爵の生母という事になる。
そんな都合のいい事さえ考えていた。
そう…。自分は友人にそそのかされて嫌々ダルタスを騙した形になっていたが、ずっと後悔していたと伝えよう。
鬼将軍と名を馳せていようとも、見た目に反して彼が実は優しい人間だと自分は知っている。
優しいダルタスなら、きっと自分を許し受け入れてくれる!
だって自分は悪い友人にそそのかされただけなのだから…。
自分は騎士の中では見た目も悪くないと自負している。
公爵令嬢などきっとダルタスに怯える人形のような姫君に違いないのだから『自分こそがダルタスの妻に相応しいに違いない!』と、ありえない夢をみる。
都合のよすぎる”もしかしたら”という妄想はロレッタの中では限りなく現実めいたものに感じられていた。
ロレッタは、自分の妄想に憑りつかれ、自分の過去の過ちさえも自分が被害者だったかのように思いこむのだった。
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