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ところ変われば公爵夫人?
138.披露宴で…1
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パレードを終えてもルミアーナとダルタスは、一旦休憩した後ではあるが、お色直しをして夕方からの披露宴である。
まったくもって忙しい事ではあるが公爵家同士の結婚ともなれば致し方ない。
しかしパレードでは突然のハプニングはあったものの、鬼将軍、鬼畜将軍などという心無い噂は払拭されたようである。
これはダルタスにとっては良かったといえるだろう。
何しろ、嫌がる公爵令嬢をむりやり妻にするだの脅しているだの、果ては拉致監禁してるなどのあり得ない噂まで流れていたのだから二人のラブラブ甘々パレードは非常に有益だった。
子供を身を呈して救ったその咄嗟の行動と、何より噂の眠り姫から向けられる愛情にみちた眼差しが、人々に二人が『相思相愛』であると、皆に知らしめたのである。
しかも妖精かと思えるほどの美しい花嫁がとったとっさの行動と、泥まみれの子供を抱くその姿に民衆からの熱烈な支持を得て、この日、この瞬間から熱狂なルミアーナファン=ルミファンなるものが生まれ、刻々と増殖中である。
美羽時代にも女子からは絶大な支持を受けていて女子のみによる親衛隊なるものまでいたルミアーナだが、ここにきて老若男女問わず、無差別無節操?手あたり次第な人気である。
ところ変われば、こんなことになっちゃうのかという感じなのである。
まぁ、それもこれも美羽の時より美しいこの容姿のせいだろうと本人は思っているので、やはり向こうの世界の今の美羽より今の自分が得しているような現在の日本にいる美羽に、ちょっぴり申し訳ない気持ちになったりするルミアーナであった。
そのせいか、自分があり得ないほど綺麗だとわかっていても、そこは奢ること無く謙虚に生きたいと思っている。
(注※ ルミアーナは決してナルシストではない。もともと異世界あちらで入っていた体にいた日本人の姿の時より今の姿が美しいと感じているだけである。いわゆる客観的にみても美しいのだから致し方がないのである)
夕刻を迎え、あたりは暗くなってきて街には明かりがともり、様々な露店が居並んだ。
三日三晩続く祭りの始まりである。
そしてダルタスの屋敷では続々と貴族たちが集まりだす。
まだ社交界にも出ていなかったルミアーナ姫が間近で見られると招待された有力な貴族たちは興味津々で我先にと押し掛けた。
「お式では、人が多すぎてルミアーナ様のお顔がよく拝見できませんでしたわ。本当にそんなにもお美しかったんですの?」と疑うような令嬢もいれば、大貴族の姫君の社交界への進出で貴族令嬢達の間での新たな勢力がうまれるのではと危ぶむような心配をしている令嬢達も少なくない。
「どのような方なのか見極めなければなりませんわね」と臨戦態勢である。
ただルミアーナ嬢は皇妃争いからは外れているのでそこだけは、良かったと、上位貴族の派閥をもつ令嬢たちは胸をなで下ろしていた。
何しろ王家に次ぐ二大公爵家の令嬢であり、この国の要、ダルタス・ラフィリアード公爵将軍の妻である。
この国の女性としては王妃に次ぐ高貴な姫なのだ。
敵に回したらまず貴族社会で生きてはいけまいと危惧する。
しかも王や王妃のお気に入りの姫である。
仲良くなれればよいが敵に回したら最後だと息をのむ。
一方、男性陣は、また目線が違う。
「「「ありえない!」」」
「夢ですら見たこともない位に美しい姫君だった!きっと姫は将軍に魔法でもかけられているんだ!あんなに美しい姫があんな恐ろし気な男に喜んでと嫁ぐなど信じられん」
「おお、そうに違いない。もしくは、深窓のご令嬢で父親以外の異性などダルタス将軍以外見たこともないのではないか?ダルタス将軍びいきの父親に洗脳されているに違いない!」
「「「違いないっ!」」」
「可哀想なルミアーナ嬢、社交界にも出ぬうちに父親に婚約者を決められて、きっと出会いすらなかったままにダルタス将軍とひきあわされたに違いない!あんな武骨な軍人などより優雅で優美な紳士はもっといるのに…例えば私わたしのような」
「「「いや、わたしこそっ!」」」
等々とダルタス将軍へのやっかみの発言もちらほらである。
そして家令のブラントが大広間にあつまる客たちに声をかける。
「皆さま、お待たせいたしました。当家の主ダルタス・ラフィリアード公爵並びに公爵夫人となられましたルミアーナ様の入場です。どうぞ温かくお迎えください」と一礼し、扉がひらかれる。
お色直しを終えたルミアーナは、その瞳の碧にあわせ淡い水色のドレス姿である。
そしてまた違うデザインの月の石とサファイアを合わせた耳飾りとネックレスを身に付けてしている。
髪は結い上げられ、いつもより少しだけ大人っぽく、さらに上品な装いである。
何しろ月の石はネルデアの所で大量生産されたものを袋にいっぱい詰めて王城に持ってきていたので、そのいくつかをアクセサリーにしたとしても、もともと石の主はルミアーナなのだから罰はあたらないだろう。
この耳飾りが通信の受信にとっても便利なのである。頭の中に直接話しかけてくるので耳の側である必要はないのだが、聞こうという意識が、しやすいのか、交信が着た時に気づきやすいようなのである。
まぁ、この機能はいまのところ、ルミアーナ、ルーク、リゼラ、フォーリー限定の機能だが、ちょっとした連絡に非常に便利なのである。
ぜひダルタスにももって頂こうと思うが、駆け落ち以来、ほとんど一緒にいたので、今のところ、直ぐに必要な事態になっていなかったのだが、月の石に頼んでぜひダルタス用の月の石を用意しようと思うルミアーナである。
ルミアーナは月の石の主ではあるが、ルークのように魔法が使えるわけではないので、いちいち月の石に相談して頼まないといけない。
機会があれば魔法も習ってみたいと思うのだった。
二人が再び、皆の前に現わすと会場は再びどよめいた。
「「「「「おおっ」」」」」と客達から、感嘆の声があがる。
ダルタス将軍は軍服の正装に数々の勲章を胸にかざりいかにも強そうで精悍な感じである。
ルミアーナと居並ぶとまさに美女と野…もとい”美少女と野獣”という感じである。
「今宵は我らの結婚の祝いに駆けつけて頂き感謝する。今宵はごゆるりとお楽しみください」と短く挨拶をした。
ルミアーナはダルタスのその姿をうっとりと眺める。
そして二人は広間の中央にいき最初のダンスを踊る。
今日の主役である二人は最初にダンスをして、その後、招待客は自由にダンスを楽しむのである。
ちなみに、ダルタスもルミアーナもダンスはあまりしたことがなく、昨日一昨日で少しばかり練習しただけである。
とは、言っても二人とも体を動かすのは大得意なのでダンスの一曲ぐらい何のことは無い。
二日もこの一曲分だけを練習したので完璧である。
音楽がはじまり、二人が軽やかに踊りはじめると、その優雅なダンスに招待客たちはまたも「ほぅっ」とため息をもらす。
ダルタスがルミアーナの体を軽々と持ち上げ、ふわりと宙でステップをふむ姿は本当に妖精がふわふわと舞っているようである。
愛するダルタスを見上げルミアーナの瞳は心なしか少し潤うるみ頬はピンクに染まり何とも言えない可愛らしさである。
そして花嫁を見つめるダルタス将軍の瞳はどこまでも優しく、ダルタスの頬の傷や大きな体躯からだにおびえていた筈の令嬢達すら胸がときめいた。
まったくもって忙しい事ではあるが公爵家同士の結婚ともなれば致し方ない。
しかしパレードでは突然のハプニングはあったものの、鬼将軍、鬼畜将軍などという心無い噂は払拭されたようである。
これはダルタスにとっては良かったといえるだろう。
何しろ、嫌がる公爵令嬢をむりやり妻にするだの脅しているだの、果ては拉致監禁してるなどのあり得ない噂まで流れていたのだから二人のラブラブ甘々パレードは非常に有益だった。
子供を身を呈して救ったその咄嗟の行動と、何より噂の眠り姫から向けられる愛情にみちた眼差しが、人々に二人が『相思相愛』であると、皆に知らしめたのである。
しかも妖精かと思えるほどの美しい花嫁がとったとっさの行動と、泥まみれの子供を抱くその姿に民衆からの熱烈な支持を得て、この日、この瞬間から熱狂なルミアーナファン=ルミファンなるものが生まれ、刻々と増殖中である。
美羽時代にも女子からは絶大な支持を受けていて女子のみによる親衛隊なるものまでいたルミアーナだが、ここにきて老若男女問わず、無差別無節操?手あたり次第な人気である。
ところ変われば、こんなことになっちゃうのかという感じなのである。
まぁ、それもこれも美羽の時より美しいこの容姿のせいだろうと本人は思っているので、やはり向こうの世界の今の美羽より今の自分が得しているような現在の日本にいる美羽に、ちょっぴり申し訳ない気持ちになったりするルミアーナであった。
そのせいか、自分があり得ないほど綺麗だとわかっていても、そこは奢ること無く謙虚に生きたいと思っている。
(注※ ルミアーナは決してナルシストではない。もともと異世界あちらで入っていた体にいた日本人の姿の時より今の姿が美しいと感じているだけである。いわゆる客観的にみても美しいのだから致し方がないのである)
夕刻を迎え、あたりは暗くなってきて街には明かりがともり、様々な露店が居並んだ。
三日三晩続く祭りの始まりである。
そしてダルタスの屋敷では続々と貴族たちが集まりだす。
まだ社交界にも出ていなかったルミアーナ姫が間近で見られると招待された有力な貴族たちは興味津々で我先にと押し掛けた。
「お式では、人が多すぎてルミアーナ様のお顔がよく拝見できませんでしたわ。本当にそんなにもお美しかったんですの?」と疑うような令嬢もいれば、大貴族の姫君の社交界への進出で貴族令嬢達の間での新たな勢力がうまれるのではと危ぶむような心配をしている令嬢達も少なくない。
「どのような方なのか見極めなければなりませんわね」と臨戦態勢である。
ただルミアーナ嬢は皇妃争いからは外れているのでそこだけは、良かったと、上位貴族の派閥をもつ令嬢たちは胸をなで下ろしていた。
何しろ王家に次ぐ二大公爵家の令嬢であり、この国の要、ダルタス・ラフィリアード公爵将軍の妻である。
この国の女性としては王妃に次ぐ高貴な姫なのだ。
敵に回したらまず貴族社会で生きてはいけまいと危惧する。
しかも王や王妃のお気に入りの姫である。
仲良くなれればよいが敵に回したら最後だと息をのむ。
一方、男性陣は、また目線が違う。
「「「ありえない!」」」
「夢ですら見たこともない位に美しい姫君だった!きっと姫は将軍に魔法でもかけられているんだ!あんなに美しい姫があんな恐ろし気な男に喜んでと嫁ぐなど信じられん」
「おお、そうに違いない。もしくは、深窓のご令嬢で父親以外の異性などダルタス将軍以外見たこともないのではないか?ダルタス将軍びいきの父親に洗脳されているに違いない!」
「「「違いないっ!」」」
「可哀想なルミアーナ嬢、社交界にも出ぬうちに父親に婚約者を決められて、きっと出会いすらなかったままにダルタス将軍とひきあわされたに違いない!あんな武骨な軍人などより優雅で優美な紳士はもっといるのに…例えば私わたしのような」
「「「いや、わたしこそっ!」」」
等々とダルタス将軍へのやっかみの発言もちらほらである。
そして家令のブラントが大広間にあつまる客たちに声をかける。
「皆さま、お待たせいたしました。当家の主ダルタス・ラフィリアード公爵並びに公爵夫人となられましたルミアーナ様の入場です。どうぞ温かくお迎えください」と一礼し、扉がひらかれる。
お色直しを終えたルミアーナは、その瞳の碧にあわせ淡い水色のドレス姿である。
そしてまた違うデザインの月の石とサファイアを合わせた耳飾りとネックレスを身に付けてしている。
髪は結い上げられ、いつもより少しだけ大人っぽく、さらに上品な装いである。
何しろ月の石はネルデアの所で大量生産されたものを袋にいっぱい詰めて王城に持ってきていたので、そのいくつかをアクセサリーにしたとしても、もともと石の主はルミアーナなのだから罰はあたらないだろう。
この耳飾りが通信の受信にとっても便利なのである。頭の中に直接話しかけてくるので耳の側である必要はないのだが、聞こうという意識が、しやすいのか、交信が着た時に気づきやすいようなのである。
まぁ、この機能はいまのところ、ルミアーナ、ルーク、リゼラ、フォーリー限定の機能だが、ちょっとした連絡に非常に便利なのである。
ぜひダルタスにももって頂こうと思うが、駆け落ち以来、ほとんど一緒にいたので、今のところ、直ぐに必要な事態になっていなかったのだが、月の石に頼んでぜひダルタス用の月の石を用意しようと思うルミアーナである。
ルミアーナは月の石の主ではあるが、ルークのように魔法が使えるわけではないので、いちいち月の石に相談して頼まないといけない。
機会があれば魔法も習ってみたいと思うのだった。
二人が再び、皆の前に現わすと会場は再びどよめいた。
「「「「「おおっ」」」」」と客達から、感嘆の声があがる。
ダルタス将軍は軍服の正装に数々の勲章を胸にかざりいかにも強そうで精悍な感じである。
ルミアーナと居並ぶとまさに美女と野…もとい”美少女と野獣”という感じである。
「今宵は我らの結婚の祝いに駆けつけて頂き感謝する。今宵はごゆるりとお楽しみください」と短く挨拶をした。
ルミアーナはダルタスのその姿をうっとりと眺める。
そして二人は広間の中央にいき最初のダンスを踊る。
今日の主役である二人は最初にダンスをして、その後、招待客は自由にダンスを楽しむのである。
ちなみに、ダルタスもルミアーナもダンスはあまりしたことがなく、昨日一昨日で少しばかり練習しただけである。
とは、言っても二人とも体を動かすのは大得意なのでダンスの一曲ぐらい何のことは無い。
二日もこの一曲分だけを練習したので完璧である。
音楽がはじまり、二人が軽やかに踊りはじめると、その優雅なダンスに招待客たちはまたも「ほぅっ」とため息をもらす。
ダルタスがルミアーナの体を軽々と持ち上げ、ふわりと宙でステップをふむ姿は本当に妖精がふわふわと舞っているようである。
愛するダルタスを見上げルミアーナの瞳は心なしか少し潤うるみ頬はピンクに染まり何とも言えない可愛らしさである。
そして花嫁を見つめるダルタス将軍の瞳はどこまでも優しく、ダルタスの頬の傷や大きな体躯からだにおびえていた筈の令嬢達すら胸がときめいた。
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