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ところ変われば女子高生!
114.ルミアーナ、ラフィリルから日本の美羽と交信する-04狼狽える美羽
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美羽は思った。
ああ、呆れられたわ!呆れられたわよね?兄に恋するなんて!心がつながってるんだもの!今考えてることだってバレバレよね?だって、私とルミアーナは一つの魂なんですものね?
『いや、落ち着いて!落ち着いてってば!美羽!呆れてなんかいないから!』
『う…うううっ…嘘っ!嘘だわっ』
『自分に嘘言って何になるのよ?まぁね~、分からなくもないわよ?私も小さいころはお兄ちゃんのお嫁さんになる~とか言ってたらしいし…あんま、覚えてないけどね?』
『まぁ、じゃあルミアーナもお兄ちゃんのこと好きだったの?』
『いや、まぁ、そのダルタス様のこと好きみたいに恋してるとかじゃなかったけどね?まさに、”兄”に対する好き~って感じだったけどね?』
『まぁ、とにかく美羽の気持ちは今ので、すっごいわかったわよ。美羽はお兄ちゃんに恋してるのね?』
『う…そうみたいなの…私…私ってば…気持ち悪いわよね?』ともう手が付けられないくらい涙がだだもれである。
『や…そんなことないって…私はお兄ちゃんの事、そういう対象として見たことないけど、お兄ちゃん昔からもててたし、美羽が好きになってもおかしくはない…とは、思うけど…』
『や、やっぱり?やっぱりなのね?そうよね?お兄ちゃんはとても美しくて格好良くてしかも優しくて…もてるわよね?』
『や、まぁ、その…う…うん。そうだね、もててたよ?けど、お兄ちゃんのほうは全然、興味なかったみたいだったけど…優しくないし』
『まぁ!何言ってるの?お兄ちゃんはとても優しいわよ?今だって学校へ毎日送り迎えしてくれて…』
『あ、あ~、うん、妹には優しかったよ確かに!私にもお姉ちゃんにも優しかったもん。お兄ちゃんは自分のことが大好きな恋する乙女が嫌いなのよ』
『え!そ、そうなの?』
『うん、昔、私の同級生が勇気を振り絞って告白したのを酷い言葉で傷つけて追い払ってたのを見たことがあるの…』
『そんな、まさか!あんなに優しいお兄ちゃんが?』
『うん、私も…その現場を見た時には信じられないものを見たと思った』ルミアーナは自分が美羽だった時をおもいだし遠い目をする。
『見たの?』と現在の美羽がごくりと息を飲みながら尋ねる。
『うん、そう』
『お兄ちゃんは自分に恋する女の子が嫌いなの?』美羽はあんなに優しい兄が…と信じられない様子であるが事実は事実である。
『うん、そうとしか思えないよ。妹は対象外だから優しいんじゃないのかなぁ?』とルミアーナは正直に思っていた事を答えた。
『そ…そっか…じゃあ、妹だから嫌われる事はない?かな?』
美羽は何やら少しだけほっとしたような感じでルミアーナに同意を求める…。
『う…うん、そうだと思うけど?』
何やらよく分からないけど美羽がちょっとだけ元気になったような気がしてルミアーナもほっとする。
『うん、なんだか元気がでたわ。ありがとう、ルミアーナ』
『そう?本当に?』
『ええ、ありがとう』
『よく、分からないけど美羽はお兄ちゃんのこと、兄としてじゃなく…男の人として好きなのよね?』と、答えを聞くのが怖い気もしたがルミアーナは勇気をだして?聞いてみた。
『…』
黙り込んだことが、美羽の返事だろうとルミアーナは理解した。
考えてみれば無理もない。
美羽は目覚めるまえは十五年間ルミアーナだったのである。
つい、最近まで一人っ子だったルミアーナ。
しかも、深窓のご令嬢でまだ社交界デビューもしていない。
ルミアーナは(あ、そうだ、私、社交界デビューする前に結婚しちゃったな?まぁ、いいけど)と、ちょっとだけよそ事を思い浮かべて、はっとまた美羽にむきなおる。
とにかく、異性など父親と年かさの執事くらいしかかかわったこともなかったのである。
父、母、姉はともかく…。
いきなり、兄と言われても半年やそこらで心底兄と思えなくても仕方ないのかもしれない。
そして兄の神崎仁は見た目は本当に美しいのである。
このラフィリル王国の理想とされるのは男女共に華奢で美しい人間である。
ラフィリルでルミアーナとして育った十五年間の記憶の濃い美羽からみたら、金髪碧眼ではないものの、兄の仁は、この国でいう理想の男性に限りなく近かったのだろう。
とにかく兄は”美人”なのである!
ううむ…ゆゆしき問題?
でも、もとは美羽は、自分だった訳で…なんか、自分が兄と?と思うとちょっとだけやっぱり気持ち悪いかも?と、うっかり心の中で思ってしまった。
その途端、美羽は、両目から洪水のように涙を流した。
『や、やっぱり気持ち悪いって思ったぁ~っ!』と号泣する美羽である。
一つの魂が別れた二人と言うのは厄介である。
こんな事まで心が読まれてしまうのである。
そもそも、心の中で話し合っているのだから思ってること丸出しになってしまう。
『いやっ!ごめっ!ごめん!ちがうちがうっ!私が兄とと思ったら気持ち悪いけど今の美羽は私と魂は一緒でも私でって私じゃない訳だし!ええと!』と、あたふたと弁解していると美羽の激情は留まることを知らず荒くれだした!
『いいの!分かってる!今の私は美羽なんですもの、妹なんですもの!気持ち悪いわよね!きっとそう!今は妹だから優しいけど、私のこんな邪な気持ちが知れたらきっとお兄ちゃんだって私の事気味悪がるに違いない!そうよっ!』
『いや、だから、そんなこと無いってば』とルミアーナが美羽に言うが美羽には伝わらない。
『いいの!分かってる!』美羽が泣きながら叫ぶ。
『いや、絶対わかってないから!』とルミアーナが言いきる。
『わぁああああああん』と泣きだしたかと思うと美羽はいきなり交信を遮ってしまった。
そして、はっとする。
いきなり周りの時間が流れだしたのである。
ああ、呆れられたわ!呆れられたわよね?兄に恋するなんて!心がつながってるんだもの!今考えてることだってバレバレよね?だって、私とルミアーナは一つの魂なんですものね?
『いや、落ち着いて!落ち着いてってば!美羽!呆れてなんかいないから!』
『う…うううっ…嘘っ!嘘だわっ』
『自分に嘘言って何になるのよ?まぁね~、分からなくもないわよ?私も小さいころはお兄ちゃんのお嫁さんになる~とか言ってたらしいし…あんま、覚えてないけどね?』
『まぁ、じゃあルミアーナもお兄ちゃんのこと好きだったの?』
『いや、まぁ、そのダルタス様のこと好きみたいに恋してるとかじゃなかったけどね?まさに、”兄”に対する好き~って感じだったけどね?』
『まぁ、とにかく美羽の気持ちは今ので、すっごいわかったわよ。美羽はお兄ちゃんに恋してるのね?』
『う…そうみたいなの…私…私ってば…気持ち悪いわよね?』ともう手が付けられないくらい涙がだだもれである。
『や…そんなことないって…私はお兄ちゃんの事、そういう対象として見たことないけど、お兄ちゃん昔からもててたし、美羽が好きになってもおかしくはない…とは、思うけど…』
『や、やっぱり?やっぱりなのね?そうよね?お兄ちゃんはとても美しくて格好良くてしかも優しくて…もてるわよね?』
『や、まぁ、その…う…うん。そうだね、もててたよ?けど、お兄ちゃんのほうは全然、興味なかったみたいだったけど…優しくないし』
『まぁ!何言ってるの?お兄ちゃんはとても優しいわよ?今だって学校へ毎日送り迎えしてくれて…』
『あ、あ~、うん、妹には優しかったよ確かに!私にもお姉ちゃんにも優しかったもん。お兄ちゃんは自分のことが大好きな恋する乙女が嫌いなのよ』
『え!そ、そうなの?』
『うん、昔、私の同級生が勇気を振り絞って告白したのを酷い言葉で傷つけて追い払ってたのを見たことがあるの…』
『そんな、まさか!あんなに優しいお兄ちゃんが?』
『うん、私も…その現場を見た時には信じられないものを見たと思った』ルミアーナは自分が美羽だった時をおもいだし遠い目をする。
『見たの?』と現在の美羽がごくりと息を飲みながら尋ねる。
『うん、そう』
『お兄ちゃんは自分に恋する女の子が嫌いなの?』美羽はあんなに優しい兄が…と信じられない様子であるが事実は事実である。
『うん、そうとしか思えないよ。妹は対象外だから優しいんじゃないのかなぁ?』とルミアーナは正直に思っていた事を答えた。
『そ…そっか…じゃあ、妹だから嫌われる事はない?かな?』
美羽は何やら少しだけほっとしたような感じでルミアーナに同意を求める…。
『う…うん、そうだと思うけど?』
何やらよく分からないけど美羽がちょっとだけ元気になったような気がしてルミアーナもほっとする。
『うん、なんだか元気がでたわ。ありがとう、ルミアーナ』
『そう?本当に?』
『ええ、ありがとう』
『よく、分からないけど美羽はお兄ちゃんのこと、兄としてじゃなく…男の人として好きなのよね?』と、答えを聞くのが怖い気もしたがルミアーナは勇気をだして?聞いてみた。
『…』
黙り込んだことが、美羽の返事だろうとルミアーナは理解した。
考えてみれば無理もない。
美羽は目覚めるまえは十五年間ルミアーナだったのである。
つい、最近まで一人っ子だったルミアーナ。
しかも、深窓のご令嬢でまだ社交界デビューもしていない。
ルミアーナは(あ、そうだ、私、社交界デビューする前に結婚しちゃったな?まぁ、いいけど)と、ちょっとだけよそ事を思い浮かべて、はっとまた美羽にむきなおる。
とにかく、異性など父親と年かさの執事くらいしかかかわったこともなかったのである。
父、母、姉はともかく…。
いきなり、兄と言われても半年やそこらで心底兄と思えなくても仕方ないのかもしれない。
そして兄の神崎仁は見た目は本当に美しいのである。
このラフィリル王国の理想とされるのは男女共に華奢で美しい人間である。
ラフィリルでルミアーナとして育った十五年間の記憶の濃い美羽からみたら、金髪碧眼ではないものの、兄の仁は、この国でいう理想の男性に限りなく近かったのだろう。
とにかく兄は”美人”なのである!
ううむ…ゆゆしき問題?
でも、もとは美羽は、自分だった訳で…なんか、自分が兄と?と思うとちょっとだけやっぱり気持ち悪いかも?と、うっかり心の中で思ってしまった。
その途端、美羽は、両目から洪水のように涙を流した。
『や、やっぱり気持ち悪いって思ったぁ~っ!』と号泣する美羽である。
一つの魂が別れた二人と言うのは厄介である。
こんな事まで心が読まれてしまうのである。
そもそも、心の中で話し合っているのだから思ってること丸出しになってしまう。
『いやっ!ごめっ!ごめん!ちがうちがうっ!私が兄とと思ったら気持ち悪いけど今の美羽は私と魂は一緒でも私でって私じゃない訳だし!ええと!』と、あたふたと弁解していると美羽の激情は留まることを知らず荒くれだした!
『いいの!分かってる!今の私は美羽なんですもの、妹なんですもの!気持ち悪いわよね!きっとそう!今は妹だから優しいけど、私のこんな邪な気持ちが知れたらきっとお兄ちゃんだって私の事気味悪がるに違いない!そうよっ!』
『いや、だから、そんなこと無いってば』とルミアーナが美羽に言うが美羽には伝わらない。
『いいの!分かってる!』美羽が泣きながら叫ぶ。
『いや、絶対わかってないから!』とルミアーナが言いきる。
『わぁああああああん』と泣きだしたかと思うと美羽はいきなり交信を遮ってしまった。
そして、はっとする。
いきなり周りの時間が流れだしたのである。
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