25 / 227
ところ変われば姫!時々、騎士見習い!
25.ルミアーナの訓練の行方
しおりを挟む
さて、ルミアーナの基礎体力が、意外にもかなり高かったことが分かり、早速、国王夫妻に報告した上で近衛兵専用の訓練場での練習の許可を願い出たが、これには難色を示された。
国王夫妻の心配も尤もな事であったので諦めるしかないか…とさえ思われた。
と、言うのも、いくら身元のしっかりした貴族出身の身元の確かな者ばかりで編成された近衛兵だろうとほとんどが男性である。
ルミアーナに邪な気持ちを抱く者がでてくるやもしれぬ!と、国王夫妻は危惧したのである。
(リゼラには誰が…とは言えないが、つい先日身元のしっかりした王家の馬鹿者が出現したばかりなのだから)
「狼の群れに子羊を放つようなものではないか?そんな危険な事はさせられぬ」と王が言い、王妃も続けて気がかりを口にした。
「そうよルミアーナ!周りは男ばかりなのよ?貴女を巡って争いが起きるかもしれないわ!何より貴女自身が危ないわ!貴女を見初め思いつめた騎士に攫われたりしたらどうするの?」
そんな国王夫妻のルミアーナを心配する言葉は、リゼラも納得せざるを得ないものだった。
何しろルミアーナ様ときたら同性の自分ですら自分の家へ連れ帰りたいくらいの可愛らしさなのだから。
国王夫妻に、そんな心配な理由を諭されているルミアーナを見て改めてリゼラは思った。
危ないかもしれない!
…とゆーか、危ないわっっ!
よく考えたら国王夫妻も何だかんだと理由をつけてルミアーナ様を王宮にとどめているのは単に毎日自分たちが会いたいからではなかろうか?
いや、多分そうだ!そうに違いない!
王妃様なんてご自分のお部屋の続きの部屋をルミアーナ様に、あてがって!
ほとんど、一日中、好きな時に会えるではないの?
ズルいわっ!と心の中で思ったリゼラだった。
残念だけれども仕方がない。
ルミアーナ様の安全が第一と、リゼラは近衛兵訓練場での練習を諦めてもらうようルミアーナに伝えた。
(それを伝えるだけなのに国王夫妻までもが、ついてくる。よほど毎日ルミアーナ様の顔を見たいらしい)
「まあ、残念ですわ。リゼラや近衛兵の皆様と一緒に切磋琢磨しながら練習出来ると思っておりましたのに…」と、本当にがっかりした様子のルミアーナである。
「では、私、もう屋敷に戻りますわ。顔のかすり傷もすっかり癒えましたし、先程、顔をだしてくれた父に相談しましたら自分が教えるとはりきってらっしゃいましたし…」とルミアーナが言うと王妃が叫んだ。
「まーあぁぁ!何てこと!それはなりません!ルミアーナ!」
『び!びっくりした!』という表情のルミアーナに王と王妃がまくしたてる。
「そうじゃ、其方はまだ危険なのじゃ。其方の命を狙った者がまだ、わからずじまいである以上、いつ何時また命を狙われるやもしれぬのだぞ?」王はいかにも心配した様子で言い立てた。
「え?私は王太子様の妃候補から外れたから、もう大丈夫なのではありませんか?」と心底驚いたようにルミアーナが言うと王が更に諭すように答える。
「ルミアーナ、其方かダルタス将軍との婚約を破棄した以上安心はできまい。そもそも、実際のところは、本当に王太子妃候補だったから狙われたのか、その他の思惑があってかなどわからぬのだから」
「…では、やはり、私は自分を守れるようになるためにも帰って修行します。何なら父と共に山にこもってでも!」と、拳をもちあげて言うと王も王妃もリゼラも慌てる!
「いやいやいや、絶対ダメですってば!それだったら、まだ近衛騎士団で鍛えた方がまだ安心ですってば!」
リゼラが国王夫妻にくるっとむきなおる。
「むぅ!しかし」
「そうね、ルミアーナに悪い虫がついては大変だし!かと言って山籠もりだなんて…」と王妃も心配そうである。
「そうだわ!ルミアーナ様には訓練中、男装して頂いて私の弟ということにして見習い訓練に参加するっていうのはどうでしょう?いくら可愛くても男の子を襲うような趣味の者は私の知る限りうちの隊にはおりませんわ」と、リゼラの口から突拍子もない案が出た!
「まあ!楽しそう!是非やりたいわ!それなら私が女だからといって手加減とかもされなくてすみそうですし!」ルミアーナがその案に飛びついた!
国王夫妻は、それはそれで心配だと思いつつも帰って山に籠られるよりは…と渋々許可を出した。
ただし、条件をつけて。
それは第二王子も騎士見習いという事にしてボディガードとして付けるから一緒に行動するようにというものだった。
国王夫妻の心配も尤もな事であったので諦めるしかないか…とさえ思われた。
と、言うのも、いくら身元のしっかりした貴族出身の身元の確かな者ばかりで編成された近衛兵だろうとほとんどが男性である。
ルミアーナに邪な気持ちを抱く者がでてくるやもしれぬ!と、国王夫妻は危惧したのである。
(リゼラには誰が…とは言えないが、つい先日身元のしっかりした王家の馬鹿者が出現したばかりなのだから)
「狼の群れに子羊を放つようなものではないか?そんな危険な事はさせられぬ」と王が言い、王妃も続けて気がかりを口にした。
「そうよルミアーナ!周りは男ばかりなのよ?貴女を巡って争いが起きるかもしれないわ!何より貴女自身が危ないわ!貴女を見初め思いつめた騎士に攫われたりしたらどうするの?」
そんな国王夫妻のルミアーナを心配する言葉は、リゼラも納得せざるを得ないものだった。
何しろルミアーナ様ときたら同性の自分ですら自分の家へ連れ帰りたいくらいの可愛らしさなのだから。
国王夫妻に、そんな心配な理由を諭されているルミアーナを見て改めてリゼラは思った。
危ないかもしれない!
…とゆーか、危ないわっっ!
よく考えたら国王夫妻も何だかんだと理由をつけてルミアーナ様を王宮にとどめているのは単に毎日自分たちが会いたいからではなかろうか?
いや、多分そうだ!そうに違いない!
王妃様なんてご自分のお部屋の続きの部屋をルミアーナ様に、あてがって!
ほとんど、一日中、好きな時に会えるではないの?
ズルいわっ!と心の中で思ったリゼラだった。
残念だけれども仕方がない。
ルミアーナ様の安全が第一と、リゼラは近衛兵訓練場での練習を諦めてもらうようルミアーナに伝えた。
(それを伝えるだけなのに国王夫妻までもが、ついてくる。よほど毎日ルミアーナ様の顔を見たいらしい)
「まあ、残念ですわ。リゼラや近衛兵の皆様と一緒に切磋琢磨しながら練習出来ると思っておりましたのに…」と、本当にがっかりした様子のルミアーナである。
「では、私、もう屋敷に戻りますわ。顔のかすり傷もすっかり癒えましたし、先程、顔をだしてくれた父に相談しましたら自分が教えるとはりきってらっしゃいましたし…」とルミアーナが言うと王妃が叫んだ。
「まーあぁぁ!何てこと!それはなりません!ルミアーナ!」
『び!びっくりした!』という表情のルミアーナに王と王妃がまくしたてる。
「そうじゃ、其方はまだ危険なのじゃ。其方の命を狙った者がまだ、わからずじまいである以上、いつ何時また命を狙われるやもしれぬのだぞ?」王はいかにも心配した様子で言い立てた。
「え?私は王太子様の妃候補から外れたから、もう大丈夫なのではありませんか?」と心底驚いたようにルミアーナが言うと王が更に諭すように答える。
「ルミアーナ、其方かダルタス将軍との婚約を破棄した以上安心はできまい。そもそも、実際のところは、本当に王太子妃候補だったから狙われたのか、その他の思惑があってかなどわからぬのだから」
「…では、やはり、私は自分を守れるようになるためにも帰って修行します。何なら父と共に山にこもってでも!」と、拳をもちあげて言うと王も王妃もリゼラも慌てる!
「いやいやいや、絶対ダメですってば!それだったら、まだ近衛騎士団で鍛えた方がまだ安心ですってば!」
リゼラが国王夫妻にくるっとむきなおる。
「むぅ!しかし」
「そうね、ルミアーナに悪い虫がついては大変だし!かと言って山籠もりだなんて…」と王妃も心配そうである。
「そうだわ!ルミアーナ様には訓練中、男装して頂いて私の弟ということにして見習い訓練に参加するっていうのはどうでしょう?いくら可愛くても男の子を襲うような趣味の者は私の知る限りうちの隊にはおりませんわ」と、リゼラの口から突拍子もない案が出た!
「まあ!楽しそう!是非やりたいわ!それなら私が女だからといって手加減とかもされなくてすみそうですし!」ルミアーナがその案に飛びついた!
国王夫妻は、それはそれで心配だと思いつつも帰って山に籠られるよりは…と渋々許可を出した。
ただし、条件をつけて。
それは第二王子も騎士見習いという事にしてボディガードとして付けるから一緒に行動するようにというものだった。
23
お気に入りに追加
2,776
あなたにおすすめの小説
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる