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四の巻~平成美女は平安(ぽい?)世界で~
98.確かめ合う気持ち
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定近の部屋で二人は、お互いの顔をまじまじと見つめあった。
そして定近の方から切り出した。
「亜里沙殿…儂はな、其方が何故そのように自分を卑下するのかわからん。いや、それ以上に儂の事を随分と褒め称えてくれる。少なくとも嫌われてはいないと思ってよいのだろうか?」
その言葉に亜里沙は驚いたように返す。
「っ!もちろんでございます。私が定近様を嫌うなどあり得ません!」
「そうか…その…儂のようなおっさんと二人きりで気持ち悪くはないか?」
「なっ!定近様は、おっさんなどではありません!」
定近のその言葉に、亜里沙はこの世界で虐げられてきた定近の身の上を慮り切なくなった。
(定近様ほど内も外も素晴らしき殿方などいらっしゃらないと思うのに…おいたわしい。わたしが扶久姫の半分でも(この世界での基準で)美しければ、お慕いしていると告げられたかもしれないのに…)とこれまでの強気が嘘のようにしぼんでいた。
扶久子に発破をかけていた時の自分を思うと苦笑いしかできない。
しかし、扶久姫の時はあくまでも彼女がこの世界での美の基準で最高峰の美少女であることをしっていたからこその発破だったともいえる。
それに引き換え自分は平成でいくら美少女ともてはやされていたとは言えこの世界では貧相で不細工なのだから定近には迷惑に違いないと思っている。
悲しそうにでも、決して目をそらさず答えた亜里沙に定近は何か意を決したように再び問いかけた。
「おっさんなどではない…それは真の気持ちで言ってくれているのだろうか?」
「勿論でございます」
「その…儂はな…聡い其方ならわかっているだろうが随分と単純な男なのだ。亜里沙殿のように若く魅力的な女性にそのような事を真顔で言われれば自分の都合のよい夢を見てしまう」
「都合のよい?夢?でございますか…?それは…」
ふと目が合うと定近の目は真剣でそらせることもかなわず亜里沙は固まった。
「扶久姫が言っていたが…真なら…儂が望めば其方は儂の嫁になってくれるのだろうかという事だ…」
「えっ?そ、そそそ、そんな私のような…」
「もう自分を卑下するのはお互いにやめよう!」
「儂とて自分に自信などない。いくら亜里沙殿が儂を褒めてくれてもやはり自分は醜いと思うし、儂のような男に嫁のきてなどなかろうと思っている。身分をたてにとれば嫁を娶ることはできようが儂は嫌がる相手と添いたいとは思えず家督をゆずり隠居の身となったのだ」
「定近様…」
「亜里沙殿…儂は其方に惹かれている。其方が嫌でなければ儂を其方の夫にしてはくれないだろうか?」
「定近様…」
亜里沙の瞳からは奇麗な涙がぽろぽろと溢れた。
「あっ!亜里沙殿っ!すっすまぬっ!泣くほど嫌だったか?」と定近は慌てた。
「嫌なら無理にとは言わぬ。先ほども言ったが身分をたてに嫌がる相手と添おうとは思っていないのだ。今言ったことは忘れてくれっ」
亜里沙の涙を見た定近は焦ってそう言った。
扶久子の言葉にもしかしたら本当に亜里沙が自分の事を憎からず想ってくれているのではと調子に乗ってしまったと一瞬激しく後悔しながらも、自分の気持ちを伝えられた事に、どこか吹っ切れたような気持ちさえあった。
そして亜里沙が泣きながら言った。
「嫌ですっ!」
「わ、わかったから…」
はっきりと亜里沙の否定の言葉を聞き定近は肩を落として頷いた。
亜里沙は首をぶんぶんと横に振りさらに言った。
「忘れるなど嫌でございます!わ…私は定近様をお慕いしております」
そして定近の方から切り出した。
「亜里沙殿…儂はな、其方が何故そのように自分を卑下するのかわからん。いや、それ以上に儂の事を随分と褒め称えてくれる。少なくとも嫌われてはいないと思ってよいのだろうか?」
その言葉に亜里沙は驚いたように返す。
「っ!もちろんでございます。私が定近様を嫌うなどあり得ません!」
「そうか…その…儂のようなおっさんと二人きりで気持ち悪くはないか?」
「なっ!定近様は、おっさんなどではありません!」
定近のその言葉に、亜里沙はこの世界で虐げられてきた定近の身の上を慮り切なくなった。
(定近様ほど内も外も素晴らしき殿方などいらっしゃらないと思うのに…おいたわしい。わたしが扶久姫の半分でも(この世界での基準で)美しければ、お慕いしていると告げられたかもしれないのに…)とこれまでの強気が嘘のようにしぼんでいた。
扶久子に発破をかけていた時の自分を思うと苦笑いしかできない。
しかし、扶久姫の時はあくまでも彼女がこの世界での美の基準で最高峰の美少女であることをしっていたからこその発破だったともいえる。
それに引き換え自分は平成でいくら美少女ともてはやされていたとは言えこの世界では貧相で不細工なのだから定近には迷惑に違いないと思っている。
悲しそうにでも、決して目をそらさず答えた亜里沙に定近は何か意を決したように再び問いかけた。
「おっさんなどではない…それは真の気持ちで言ってくれているのだろうか?」
「勿論でございます」
「その…儂はな…聡い其方ならわかっているだろうが随分と単純な男なのだ。亜里沙殿のように若く魅力的な女性にそのような事を真顔で言われれば自分の都合のよい夢を見てしまう」
「都合のよい?夢?でございますか…?それは…」
ふと目が合うと定近の目は真剣でそらせることもかなわず亜里沙は固まった。
「扶久姫が言っていたが…真なら…儂が望めば其方は儂の嫁になってくれるのだろうかという事だ…」
「えっ?そ、そそそ、そんな私のような…」
「もう自分を卑下するのはお互いにやめよう!」
「儂とて自分に自信などない。いくら亜里沙殿が儂を褒めてくれてもやはり自分は醜いと思うし、儂のような男に嫁のきてなどなかろうと思っている。身分をたてにとれば嫁を娶ることはできようが儂は嫌がる相手と添いたいとは思えず家督をゆずり隠居の身となったのだ」
「定近様…」
「亜里沙殿…儂は其方に惹かれている。其方が嫌でなければ儂を其方の夫にしてはくれないだろうか?」
「定近様…」
亜里沙の瞳からは奇麗な涙がぽろぽろと溢れた。
「あっ!亜里沙殿っ!すっすまぬっ!泣くほど嫌だったか?」と定近は慌てた。
「嫌なら無理にとは言わぬ。先ほども言ったが身分をたてに嫌がる相手と添おうとは思っていないのだ。今言ったことは忘れてくれっ」
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扶久子の言葉にもしかしたら本当に亜里沙が自分の事を憎からず想ってくれているのではと調子に乗ってしまったと一瞬激しく後悔しながらも、自分の気持ちを伝えられた事に、どこか吹っ切れたような気持ちさえあった。
そして亜里沙が泣きながら言った。
「嫌ですっ!」
「わ、わかったから…」
はっきりと亜里沙の否定の言葉を聞き定近は肩を落として頷いた。
亜里沙は首をぶんぶんと横に振りさらに言った。
「忘れるなど嫌でございます!わ…私は定近様をお慕いしております」
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