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四の巻~平成美女は平安(ぽい?)世界で~
93.そして…
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「うわっうわっ!うわぁあああ~」と隆が叫んだ。
そして、またスタンガンを定近に押し付けようとする。
定近はそれを避けるように隆にのしかかり、スタンガンを奪おうとしたが、隆がそれよりも早くスタンガンのスイッチを押した。
バチッバチッと何度も!しかし、充電が不十分だったのか劣化してきていたのか一度目ほどの威力はなくしびれはするものの何とか意識を手放さずにすんだ。
定近は痛みとしびれで再び倒れそうになりながらも自分の大きな体で羽交い絞めするような形で倒れこんだ。
「きゃああああ!定近様っ!」亜里沙は叫んだ。
自分を助けようと定近は身を挺してスタンガンを手にしていた隆に向かっていったのだ。
一度、その電撃にあいながら!
スタンガンや電気の存在さえ知らぬはずのこの世界の人間が、そんな未知のの攻撃を受けて尚、それに立ち向かうなど、一体どれほどまでに勇気があるお方なのかと亜里沙は胸が熱くなり涙があふれた。
隆は手足をばたばたさせながらも、定近の筋肉質で大きな体に覆いかぶさられ、抜け出せずもがいていた。
「くそっ!重いっ!どけよ!どけったらっっ!亜里沙ちゃんは俺と一緒の方が幸せなんだってば」と未だに訳のわからない隆だった。
すると、林の外から人の気配がした。
心配になって近くまで様子を見に来たであろう惟信や義鷹、扶久子が、先ほどの亜里沙の叫び声に驚き走ってきたのだ。
「お祖父さまっ?」「亜里沙殿っ?」義鷹と惟信が叫ぶ。
「亜里沙っ?無事っ?えっ!何事っ?」
亜里沙が涙を溜めて震えているのを見て扶久子が絶叫し、倒れた定近やその下敷きでもがく隆を無視してかけよった。
義鷹は慌てて定近に駆け寄り、こわばって倒れている体を起こし、同時に惟信は、隆の頭を蹴り飛ばした。
「ぐほうっ!」と隆が惟信の蹴りに呻き声を上げた。
「ふっ扶久姫っ!定近様がっ…定近様がさらわれそうになった私を助けようとスタンガンで何回も」
「ええっ!攫われるって一体…スタンガンって?こいつ、そんなものまで持ってたのっ」と扶久子は驚き、隆をにらみつける。
そして惟信にけられて思わず落としたスタンガンを扶久子がさっと拾い上げる。
そしてそのスタンガンを隆に押し当てスイッチを押した。
天罰だろうか、この時、非常にスムーズに電源が入った。劣化しているせいか、威力にムラがあるようだ。定近の時よりも強い電流が流れた。
「うぎゃっ!」と一声あげて隆は気を失った。
なんと、最終的に隆にトドメを刺したのは扶久子であった。(死んでないけどね)
「惟信さん!こいつを縛って、納屋にでも放り込んでおいてください!あ!義鷹様は定近さまをお部屋まで運んでください!」ときびきびと指示した。
扶久子は意外といざという時、強いタイプだった。
義鷹も惟信も当たり前のように扶久子の指示に従い動いた。
そして扶久子は亜里沙に「亜里沙!しっかりして!歩ける?とにかく屋敷にもどりましょう?定近様の看病をしなければ!ね?大丈夫よ。もう大丈夫」と優しく聡し、支えながら屋敷まで歩いたのだった。
そして、またスタンガンを定近に押し付けようとする。
定近はそれを避けるように隆にのしかかり、スタンガンを奪おうとしたが、隆がそれよりも早くスタンガンのスイッチを押した。
バチッバチッと何度も!しかし、充電が不十分だったのか劣化してきていたのか一度目ほどの威力はなくしびれはするものの何とか意識を手放さずにすんだ。
定近は痛みとしびれで再び倒れそうになりながらも自分の大きな体で羽交い絞めするような形で倒れこんだ。
「きゃああああ!定近様っ!」亜里沙は叫んだ。
自分を助けようと定近は身を挺してスタンガンを手にしていた隆に向かっていったのだ。
一度、その電撃にあいながら!
スタンガンや電気の存在さえ知らぬはずのこの世界の人間が、そんな未知のの攻撃を受けて尚、それに立ち向かうなど、一体どれほどまでに勇気があるお方なのかと亜里沙は胸が熱くなり涙があふれた。
隆は手足をばたばたさせながらも、定近の筋肉質で大きな体に覆いかぶさられ、抜け出せずもがいていた。
「くそっ!重いっ!どけよ!どけったらっっ!亜里沙ちゃんは俺と一緒の方が幸せなんだってば」と未だに訳のわからない隆だった。
すると、林の外から人の気配がした。
心配になって近くまで様子を見に来たであろう惟信や義鷹、扶久子が、先ほどの亜里沙の叫び声に驚き走ってきたのだ。
「お祖父さまっ?」「亜里沙殿っ?」義鷹と惟信が叫ぶ。
「亜里沙っ?無事っ?えっ!何事っ?」
亜里沙が涙を溜めて震えているのを見て扶久子が絶叫し、倒れた定近やその下敷きでもがく隆を無視してかけよった。
義鷹は慌てて定近に駆け寄り、こわばって倒れている体を起こし、同時に惟信は、隆の頭を蹴り飛ばした。
「ぐほうっ!」と隆が惟信の蹴りに呻き声を上げた。
「ふっ扶久姫っ!定近様がっ…定近様がさらわれそうになった私を助けようとスタンガンで何回も」
「ええっ!攫われるって一体…スタンガンって?こいつ、そんなものまで持ってたのっ」と扶久子は驚き、隆をにらみつける。
そして惟信にけられて思わず落としたスタンガンを扶久子がさっと拾い上げる。
そしてそのスタンガンを隆に押し当てスイッチを押した。
天罰だろうか、この時、非常にスムーズに電源が入った。劣化しているせいか、威力にムラがあるようだ。定近の時よりも強い電流が流れた。
「うぎゃっ!」と一声あげて隆は気を失った。
なんと、最終的に隆にトドメを刺したのは扶久子であった。(死んでないけどね)
「惟信さん!こいつを縛って、納屋にでも放り込んでおいてください!あ!義鷹様は定近さまをお部屋まで運んでください!」ときびきびと指示した。
扶久子は意外といざという時、強いタイプだった。
義鷹も惟信も当たり前のように扶久子の指示に従い動いた。
そして扶久子は亜里沙に「亜里沙!しっかりして!歩ける?とにかく屋敷にもどりましょう?定近様の看病をしなければ!ね?大丈夫よ。もう大丈夫」と優しく聡し、支えながら屋敷まで歩いたのだった。
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