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お気に入り150人記念ストーリー
しおりを挟む「どうも、本編ではまだ名前のみの登場にもかかわらず番外編にはちょこちょこ登場している弥桜の義兄の雅貴です」
「・・・・・・どうも、静です」
てか、なんで今回はこいつとなんだよ。
「えっ、弥桜は!? なんでストーカーがいるの」
「それはこっちのセリフだっての。前の時も弥桜とやったんだから今回も弥桜とで良くないか。てか、前から言おうと思ってたんですけど、そのストーカーって言うのやめてもらえます?」
「え、だってストーカーはストーカーだろ? あんな1年も弥桜のこと付けまわっんん゛ゔっっ」
「なんであんたがそんなこと知ってんですか。これだからブラコンは・・・」
いやっ、マジで、何で知ってんだよ。俺と結永しか知らないはずなのに。
あいつは言うはずねぇんだから洩れるわけがないんだ。
「っは、ちょっとなにするんだよ! それに、君だって俺の事ブラコンブラコンって言うけど、俺は弟が好きなんじゃなくて、弥桜が好きなの。だからブラコンとは違うんですぅ」
「自信満々に言うことじゃないし、どっちにしろ良くないことに変わりはないんだよ。弥桜は絶対やらねぇからな」
「やるとかやらないとか、そもそも弥桜は誰のものでも、ましてや君のものなんかじゃないんだよ。あああ、だからあの子を実家から出すのは嫌だったんだ。ちょっとぼーっとしてるところがあるし素直ないい子だから、簡単にこんなやつに騙されちゃって」
散々な言われようだけど、確かに弥桜がぼーっとしてるのはわかる。
「まあすぐあれ忘れたこれ忘れたとか、右と左間違えたりとか、俺のものと自分のもの間違えて持ってってたりとか、この前なんか財布忘れて買い物行ったりしてたし・・・・・・。ほんとにぼーっとしてるというか抜けてるというか」
「そうなんだよね、忘れ物はほんと多くてしょっちゅう届けに行ったりしてたし、この前なんか何回も行ってるはずの待ち合わせ場所の北口と東口間違えたりして、ほんとに目が離せないんだよね」
「そのくせ届けに行った時とか待ち合わせで苦労して会えた時とか、ごめんなさぁーいって言いつつにこにこして悪びれた様子もないし。気をつける気はあるのかって思うけど、でもなんだかんだ言ってそんな弥桜が可愛くて可愛くて毎回許しちゃったりして」
「そう!! ほんっとそうなんだよねぇ、弥桜は生まれた時から天使なんだよ!! あの子の周りにはいつもお花が舞ってて、成長した今じゃそのお花が薔薇に変わって少し大人っぽい雰囲気まで出すようになってて」
兄貴がこんなんじゃ弥桜があんなに世間知らずなのもよく分かるな。
弥桜の口ぶりからすると多分両親もこのノリなんだろう。
Ωの扱いとしては、異常、か。
でも弥桜にはそれだけの魅力があって、少しでも関わりのあるやつなら、癪な話だけど、どうしたってあいつを愛さずにはいられないんだ。
「時々見せる涙は今にも消えてしまいそうな儚さがあって、絶対一人にはさせられないって思わされる。特に最近は色んなことが立て続けにあったから余計目が離せなくて心配で心配で」
「ああ、そうだ。弥桜は大丈夫なのか!? なんだかほんとに大変だって聞いたんだけど。君が近くにいてどうしてこんなことになってるんだ? やっぱり君には弥桜を任せられないよ。だからほんとに家を出すのは嫌だったん。悪い虫だけじゃなくてこんな辛い思いまでするなんて」
「でも結局は許したんだろ? だから今弥桜はああしてあそこで暮らしてる」
「ゔ・・・・・・。で、でも、だって!! よく考えてみなよ、たぶん君も知ってると思うけど、家を出る条件として定期的に俺と会うこと、って言うのがあるんだけど。だから最終的には俺に許可取りに来るわけじゃん。・・・・・・弥桜からの頼み事だよ、断れると思う?」
目の前で涙目になりながら葛藤している男の言葉に、少しばかりその状況を想像してみるわけだけど。
あああ、、はい。
すみませんでした。
「・・・・・・悪かった、攻めるようなこと言って。それは無理だ」
「でしょ!? いつも大人しくていい子で、めったにわがまま言わない弥桜の、数少ない頼み事なんて断れるわけがないんだよ!!」
「まあ、それでも、ブラコンはご遠慮したいけどな。ほんとに」
「ここまで言ってるのに、まだそんな無駄なことを言うか。俺だってストーカーなんかを弥桜のそばにいさせるわけにはいかないんだよ。でも実際問題俺じゃ大学や普段の生活全部を守ってやることは出来ないから、仕方なく、本当に仕方なく、目を瞑ってるんだからね」
「はいはい、アリガトーゴザイマス、お義兄様ぁ」
「っ、なんだよその言い方!!」
・・・・・・もうそろそろお話、ひと段落しましたかねぇ。
私、もう出てきていいですか?
「あ、お前、前回弥桜に酒飲ませたくそ野郎じゃねぇか」
「は? そんなことしたの? うち、家系的にそんな強い方じゃないはずなんだけど、こんな衆目でそんなことして大丈夫だったのか?」
「大丈夫なわけないだろ。どんだけ隠すのに苦労したか」
ああ、もうその話はいいですから。
それにしても今回は少し心配してたんだけど、なんだ思ったより全然仲いいじゃないですか、二人とも。
いつもすぐお互いのことディスり始めるから、どうなることかと思ってたけど。
「「はぁ!? あれのどこを見て仲が良いって!?」」
ほら息ぴったり。
今日の会話だって大体聞いてましたけど、二人とも意気投合してたじゃないですか、弥桜可愛いよねぇって。
すごい女子会みたいなノリでしたよ?
聞いてて結構面白かったです。
「なんだよそれ。まぁ、でも弥桜が可愛いのは世界共通だからな。かなーり癪だけど、それは認めざるを得ない」
「・・・・・・、まぁそうだね」
はいはい、二人とも弥桜のこと大好きなんですね。
それは大いに結構ですし、存分に争ってください。
結局決めるのは弥桜自身だけどね。
これこそ無駄な争いってやつですね。
「なんだって? なんか今聞き捨てならないような言葉が聞こえたと思ったんだけどな」
いえ、なんでもありませんよ。
それより、今日は150人達成記念なんですから、読者の皆様に何かお礼を言ってください。
「150って、なんでこんな中途半端な・・・・・・」
うちは登録の伸びがゆっくりなんで、その分細かくたくさん記念出来るじゃないですか。
メリットなんだから生かしていかないとね。
「ただ人気ないだけじゃ・・・・・・」
ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!!!
何言ってるんですか!?
そんなわけないじゃないですか。
だって、あなたたちの大好きな弥桜がいるんですから、そんなことは決してありえませんよ。
「まぁ、確かにそうか」
だから余計な事言ってないで、皆様にちゃんとお礼してください。
「ああ、ほんと前回も言った気がするけど、こんな俺たちをいつも見守ってくれてありがとう。これからも全力で弥桜を大切にしていくから宜しく」
ほら、雅貴も。
「あ、えっと、本日はお見苦しいところもあったかとは思いますが、どうもありがとうございました。俺はまだ本編は出てないけど、弥桜のこと、どうぞよろしくお願いします。このストーカー野郎がなにかよからぬことをしそうになったらすぐ教えてくださいね?」
「おい、何言って」
あー、はいはい、もう終わりの時間ですから、いちいち喧嘩しないでください。
ということで、今回はここまでとなります。
前回みたいに規制がかからなくてよかったです。
ちょっとだけ、二人が殴り合いの喧嘩でも始めたらどうしようとか心配してたんですけど。
そんなことにならなくてよかったです。
はぁ、ほんとに、この二人はずっとこんな感じなんだろうな。
今も後ろで言い争ってるし。
あんなに弥桜のことで意気投合できるのに、こんなにすぐ弥桜のことで喧嘩し始めるなんて。
手の施しようがないですね。
あの二人のことはもう諦めることにします。
と、言うことで、本日はまことにありがとうございました。
今後とも弥桜、結永含めみんなのことを宜しくお願いいたします。
薔 薇埜
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