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第4章 同甘共苦
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しおりを挟む「っ・・・・・・は、あ、れ・・・・・・? 僕、どうして・・・・・・」
目が覚めた時、あんなに重かった発情や身体の怠さはほとんどなくなっていた。
そしてそれと同時にその間の記憶もあやふやで、ほとんど覚えていなかった。
思い出せるのはいつも効くはずの薬が全く効かなくて、容量オーバーした副作用のせいでさらに悪化してしまった所までだ。
その後のことは、とにかく身体中疼いてどうしようもなく辛かったという感覚だけ。
「っ!!!!」
兎にも角にもあれからどれくらい経ったのか確認しようと起き上がろうとした時、視界の隅にちらりと映った存在に心臓が止まるかと思うほど驚いた。
し、静先輩ーーーーっ!!??
なんで隣で寝てーーーー、ひぃっ!
静先輩に目を向けて視界に映った光景に、全身に火がついたように紅くなった。
それから今の自分の格好にも気付いて布団を急いで引っ張る。
二人して全裸でいることに、何があったのかだんだん状況が見えてきた。
それと同時にさぁーっと血の気が引いていく。
うそ、だ・・・・・・。
そんな、だって・・・・・・。
気付いてしまった現実に静先輩の隣にはいられなくなって、起こさないように出来るだけ静かにでも急いで脱ぎ散らかしてあるパジャマを拾ってお風呂に駆け込む。
シャワーのお湯を上からかぶってその場に蹲る。
「なんで、こんなことに・・・・・・」
静先輩に抱かれたことは、多分間違いない。
身体中がそう証明している。
幸い番避けだけはしっかりついていて番にはなっていないようだけれど、もう後戻りは出来ない。
ただでさえ心も体も求めていた静先輩に、シラフの時でさえ絶対に抱かれるなんてだめだったのに。
それが発情期になんて。
もう理性じゃどうしようも出来なくなってしまった。
目の前の鏡に映る自分の姿を眺めていると、余計現実が押し寄せてくる。
この身体はきっと隅々まで静先輩に触られ、口付けられた。
こんな身体を触らせてしまった。
決して綺麗な身体じゃない。
静先輩に触らせることなんて出来るような身体じゃないんだ。
それを、こんなに・・・・・・っ。
こんな、こんな汚い身体っ・・・・・・、嫌だ。
ごめんなさい、静先輩、ごめんなさい。
溢れ出てくる涙を、声を押し殺してシャワーのお湯と一緒に流す。
どれだけ石鹸で洗おうと、いくら擦っても、この身体が綺麗になることはない。
それでもいくらやっても気が済まなくてやめられない。
もう洗いすぎと力の入れすぎで、あちこち赤くなっていた。
それでも耐えられなくて、体に爪を立てる。
流れるお湯に汚い血が混ざる。
こんなことで何が変わるというのか、それでもこの痛みに少しだけ罪悪感が紛らわされたような気がした。
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