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第4章 同甘共苦
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しおりを挟むキスの仕方はわからなくても、体へのアプローチの仕方なら体が覚えている。
どこをどう触れば気持ち良くなってくれるのか。
どう動けば早く中に入れてもらえるのか。
ありったけの力で引き寄せた静先輩がバランスを崩したのを利用して体勢を入れ替えて、静先輩の上に跨る。
そして呆気に取られて動けないでいる静先輩に手を伸ばす。
6月目前だが梅雨のせいで雨の降る夜中は肌寒いため、最近は脱いでいることも多い緑色のパーカーも今は羽織っている。
それを肩からずり下ろし、性急にその下のワイシャツのボタンに手をかける。
その間も身体の疼きは酷くなる一方で、静先輩の服が汚れるのも構わず腰を擦り付けることが止められない。
そんな状態にも関わらず、こんな夜中なのにワイシャツなんか着てるとか、意識ははっきりしてるし手元もしっかり動いていた。
だんだん静先輩の抵抗も弱くなってきている。
それにお尻に当たるこの感覚。
「静先輩のも、固くなってる・・・・・・」
「おまえ、なんつー・・・・・・っ」
片手を顕になった胸元に置いて、もう片方は後ろに回して静先輩の膨らみに触れる。
「はぁ・・・・・・しずか、せんぱい。・・・・・・はやく、これちょうだい」
相手が静先輩だからだろうか、いつも無意識にかかっていた最後のリミッターも完全になくなって、余計素直に口からぽろぽろ本音が漏れる。
もう自分では自分の行動が完全に制御出来なくなっていた。
自分から強請ったことなんてないけれど、いつもさせられる時に言えと言われることの多いこのセリフは、きっと男たちにとって煽るような何か刺さる言葉なのだろう。
初めて自分からこれを心底欲して言葉にすると、いつもより何倍も甘い音色に変わっていた。
「みおうっ」
静先輩の顔はもう真っ赤になっていて、なんとか理性を保とうとしているようだった。
でもそんなもの今の僕に必要ない邪魔なもので、あと一押しで崩れそうだった。
ぺたりと胸元に寝転んで顔だけ上に向ける。
何かを発することもなく、視線だけを向けて訴える。
真っ赤だった顔はさらに赤くなって瞳もどんどん見開かれていく。
ついに我慢の限界か、胸元に張り付いている僕をさらに抱きしめると完全に身動きの取れない僕を抱えてまた体勢を入れ替えてきた。
僕をベッドに下ろすと、急に放り出していた鞄を漁り始めて足元で何かガサガサし始めた。
これだけは先輩たちもしていたから何をしているのかはわかるけど、今この瞬間はそんな時間も惜しくて急かすように腕を伸ばす。
そのタイミングで準備が終わったのかガバッと足を開かされて、後ろにぴたりと静先輩のものが押し当てられた。
「ふぅ・・・・・・」
直に触れて感じるその熱と視界に入ってくる静先輩の顔に、今まで感じたことのない気持ちに身体まで勝手に反応して、発情とは別の意味で全身の体温が一気に上がった。
「弥桜」
「しずかせんぱい・・・・・・っく、ぁあ、あ! おっきぃ・・・・・・」
もうここまで来て我慢することなんて何もない、と一気に入ってくるものに中が押し開かれていく。
初めてじゃあるまいし、さっきまで散々弄っていたからすんなり入ってくる。
初めて好きな人と繋がった。
Ωに生まれたからにはこれは誰とでもすることなんだと思っていた。
今までもそれこそ初めての時も何も感じなかった。
でも、今この瞬間好きな人と繋がれたことに、過去の自分の行いを初めて後悔した。
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