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第4章 同甘共苦
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しおりを挟む『やっぱり所詮ΩはΩか。こんなのと一緒にはいられない。汚ねぇ』
「いやっ!!!!」
静先輩–––––––––
夢・・・・・・。
気がついた時僕は自分のベッドにいた。
家の前で倒れた僕を結永先輩がベッドまで運んでくれたんだろう。
「弥桜くん⁉︎ びっくりした、大丈夫?」
「ぁ・・・・・・はぁ、はぁ・・・・・・」
まだ結永先輩がいてくれていた。
外がまだそんなに暗くなっていないから、あれからそこまで時間は経っていないのだろう。
「気分はどう?」
「えっと、あの・・・・・・」
状況が整理出来ない。
どうなったんだ。
あの写真は、結永先輩は、静先輩は・・・・・・。
何よりもあの写真のことが気になって、視線をきょろきょろと彷徨わせる。
「あー、探し物はこれかな」
見当たらないと思っていたら結永先輩があの時見た真っ白い封筒を持っていた。
「それっ」
あんなものが人の手にあることが恐ろしすぎて、早く手元で隠しておきたくて必死に手を伸ばす。
でも何故かそれは簡単に躱されてしまった。
「なんで。いやっ、お願い、返して‼︎」
「一旦落ち着こうか。とりあえず、この封筒はここに置いておくから」
そう言うと結永先輩は封筒をベッド横にあるチェストの上に置いて、手近にあった椅子に座った。
「送り主は弥桜くんもなんとなく見当はついてるよね。だからそこは置いといて、写真のことだけど。これ自体は静は知ってるの?」
結永先輩の問いかけに、首を横に振る。
「そっか。流石にこれは静に言った方がいいと思う。嫌だろうけどね」
「嫌だ、絶対に知られたくない。お願いです、これだけは言わないで」
「でも・・・・・・」
「写真も、出所は分かってるんです。それに、これは襲われた、とかじゃなくて。僕も拒否しなかったから」
写真自体はもうどうでもいいんだ。
先輩たちとしていた時のだし、僕自身拒否しなかったのだから同意したも同然なのだ。
このこと自体を責めることは出来ない。
「どういう・・・・・・」
「去年のことなんです。これが正しいと信じてた」
この一言で結永先輩は察してくれたのか、それ以上は何も言ってこなかった。
「でも、静先輩に知られることだけは、嫌だ」
静先輩の関係ないところに勝手にある分にはどうだってよかった。
でも今ここにある。
いつ静先輩に知られるかわかったものじゃない状況になってしまった。
こんなものを外に出すわけにはいかなかった。
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