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第4章 同甘共苦
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しおりを挟むそれでも実際は二人がどんな人かは他人より知ってるし、関わらないなんてことは出来ない。
だからやっぱり静先輩が悪く言われるのは嫌だ。
「基本的な俺らの立ち位置はそんな感じだな。で、ここからが大事な話だから弥桜にもちゃんと聞いて欲しいんだけど」
まとめに入るからもうこの話は終わりにするのかと思ったら、また改まった空気を出されて突っ伏していた顔を上げて真面目に話を聞く。
「ほとんどのやつらはびびって俺らに手を出してくることはないから、大丈夫だとは思うんだ。けど馬鹿なやつらは仕返しだとか復讐だとかを考える。その時今真っ先に狙われるのは間違いなく弥桜だ。お前に手を出されたら俺は何も出来る気がしない。俺の弱点は完全にお前なんだ、そんなことはすぐにみんなわかると思う」
言われた言葉になんて返せばいいのか分からなかった。
僕が静先輩の弱点。
どうしよう、静先輩の隣にいることが迷惑になってる。
「弥桜が気にするのはそこじゃない。弥桜にはとにかく知らない人に気をつけて欲しいんだ。万が一があってからじゃ遅いから」
「中でも『帝』てやつには要注意だよ。俺らから喧嘩をふっかけることはないけど売られる喧嘩ってのはそこそこあってね、その中には他大のやつらもちょこちょこいたんだけど、中でもこいつが一番厄介だ。静、あん時の怪我治ったのか」
「・・・・・・いや」
結永先輩の問いかけに静先輩が腹部を押さえながら答える。
丁度その辺りは目立つ大きな痣のあるところだった。
あれはその帝って人と喧嘩した時のなんだ。
うちの大学のトップとやった時でも無傷で勝ったのに、その人の時はあんなに痛そうな大きな痣が出来るぐらい強かったんだ。
僕なんかが捕まったら次こそは静先輩でも負けちゃうかもしれない。
なんだか僕の方まで痛くなってくる。
「き、気をつける」
まさか静先輩たちが大学で有名人だとか、ヒエラルキーのトップだとかそんなすごい話が出てくるとは思ってもみなかった。
前まではすぐに離れなきゃって思ってたから、出来るだけこういう話題は避けてたし。
この前少しだけ聞きたいこととかを聞いたりはしたけど、今はもうちょっとちゃんと知りたいって思ってもいいはず。
静先輩のことを知れるのは、純粋に嬉しい。
「し、静先輩はなんで生物科に入ったんですか?」
「どうした、いきなりだな」
「いや・・・・・・、ちょっと物騒な話だったけど静先輩のこと知れたから。もうちょっと何か知りたいなって、思って」
「ああ、そういえばあんまちゃんと話したことなかったな。せっかくだから少し話そうか」
そう言ってちょっとずつ自分のことについて話してくれることになった。
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