強面男子だって恋をする。

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第8話

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ある日の昼休み

依織「…消毒、詰め替え終わりました。」

辰巳「ありがとう、仕事が早いね。」

俺、宮脇大樹は保健委員の仕事として消毒の詰め替えを行っていた。

大樹「白鳥先生、他になんかやること…ある、すか。」

辰巳「特にないよ、宮脇くん、去年から思ってたけど周りに気を配れて偉いね。」

大樹「え、去年から…?」

俺と白鳥先生は去年一度怪我して世話になったぐらいの付き合いのはずだ。

辰巳「ふふ、覚えてない?去年怪我して保健室に来た時に…消毒空っぽなの見つけて詰め替えますって言ってくれたでしょ。」

大樹「…あ?そうだったか…?」

辰巳「そうだったんだよ。遊来くんからも宮脇くんは吹奏楽で影として立ち回ってくれるって聞いたんだ。」

大樹「……っ、あざ、す。」

辰巳「あはは、顔赤い。かわいいね。」

大樹「かわ…っ、それ、遊来先生にも思ったけど…別に、俺はかわいくない、です。」

辰巳「いやいや、生徒はみんなかわいいものだよ。」

腑に落ちないが、2人の先生がそういうのならそうなのだろう。

辰巳「じゃあ、また体調悪くなったり怪我した時においで。改めてありがとう。」

大樹「っす。…失礼します。」

保健室を出ると、

大樹「うわっ!?」

?「お…っ!」

右側から走ってきた人にぶつかった。

大樹「いて…」

?「悪い!大丈夫か、怪我は?」

大樹「あ…」

手を差し伸べてきた人に俺は目を見開く。

大樹「生徒会長…」

湊「ん?ああ、双葉 湊フタバ ミナトだ。」

大樹「…宮脇大樹、す。」

湊「!お前が…」

相手は俺の名前を知っている様子だった。

大樹「っ、ふ、不良じゃねーんで。」

湊「…大丈夫だ、それは分かっている。不良だったら俺が既に糾弾しているからな。普段の行い的に不良ではないだろうと俺が判断した。」

ほ、と息をつく。

湊「…すまない、こちらからぶつかっておいてなんだが、急いでいるんだ。」

大樹「急いでる…?」

湊「ああ。…"問題児"を捕まえなきゃならん。…くそ、あのヤロー、逃げ足だけはいっつも速いんだよなァ…」

大樹「お、おお…」

生徒会長の迫力にぞく、としながらも

大樹「…手伝いましょうか。」

湊「なに?」

大樹「俺、もうやることないんで…」

双葉先輩は俺の肩をがっしり掴んで

湊「頼む!!」

と叫んだ。

大樹「っす。絶対、授業出させるっす。」

湊「助かる…俺はあっちを探すから、宮脇は反対の方を探してくれ。」

大樹「はい。……あ、でも。俺、その"問題児"の見た目、わかんねぇす。」

湊「……見たらわかる。…双葉 大地フタバ ダイチ、俺のクソ兄だ。」

大樹「え。でも、先輩3年生…」

湊「双子なんだ。…じゃあ、頼むぞ。」

それだけ言って、先輩は走っていってしまった。

大樹(双子…か。生徒会長で、すげぇ真面目な弟に対して、"問題児"な兄…これまた対照的だな。)

一つ一つ空き教室を確認していく。

最後の1部屋の扉を開けると

?「はー…ほんと、アイツもしつけぇなァ…」

教室の机に腰掛けて、長い足を組んでいる人。

青色に近い紫色の髪、綺麗な緑色の目。

大樹(あ。似てる。)

髪とか顔の造形は結構違うが、節々に似ているところがある。

大樹「アンタが、双葉大地…」

大地「…エ?あれ?誰?いつの間に。…そーだぜ、俺が双葉大地。…俺を追ってる、ってことは湊に頼まれた生徒会役員か?」

大樹「生徒会…ではねぇ、けど。」

大地「てことは湊に頼まれたのは合ってんのか…」

大樹「探してた。」

大地「戻る気はねぇよ、粗方授業に出ろとかそんなもんだろ。」

大樹「そんなに授業出てなかったら……留年すんじゃねぇの?」

大地「うわ、ズバッと言うじゃねぇの。ま、そこは安心しろ。ちゃんと計算して授業出てるから。」

大樹「……」

大地「な?だからお前も諦めて帰って__」

俺は廊下に向けて叫ぶ。

大樹「双葉会長!"問題児"の人、いました!」

大地「っ!?」

マジかよ、と言うような顔をした双葉兄が視界に映る。

大樹「…返事ねぇな。遠くにいんのか…」

すぅ、と更に大きな声で呼ぶために息を吸う。

大樹「双葉会__んんっ!?」

大地「はー…人ってみかけによらねぇのな。お前どーみたって不良だからちょっと安心したんだけどなァ…アイツに見つかると厄介だから、ちょーっとの間黙っててもらうぜ?」

大きな手のひらで口を塞がれる。

大樹「ん、んー…!」

逃げようともがくが

大樹(コイツ、俺よりタッパある…!?そんなやついんのか!)

ビクともせず俺は焦り始める。

最後の足掻きで教室の扉を蹴った。

大地「うおぉっ!?コラコラ乱暴すんな、悪いの俺だからよォ。蹴るなら俺にしとけ?」

大樹「っ…?」

そう言い聞かせる声は優しくて、あ、この人ホントに兄なんだなって思った。

すると、足音が聞こえてきて

湊「さっき宮脇の声が聞こえたが…ここか?」

大地「っ!?アイツ、耳よ過ぎるだろ…うーん……あ、よし。」

大樹「んんっ!?」

ぐい、と引っ張られて隠れた先は

大地「ここなら…なんとかその場しのぎくらいになるか…?」

大樹(ロッカー…)

しかし、180越えの男が2人も入ればそれはキツイ。

大地「…ごめんな、もーちょっと俺のワガママに付き合ってくれよ。」

大樹「…ん…」

もうこの人の拘束から逃げられる気がしなくて、諦めて力を抜く。

大地「はは、しおらしくなっちまって。」

誰のせいで、と睨む。

大地「おー怖。やっぱ顔はちょっと…いや、スゲェ不良っぽいのになァ?」

がら、と教室の扉が開く音がする。

湊「宮脇?いないか?」

大樹(!双葉会長…)

ガッチリ腕で拘束されているせいで、ロッカーを揺らすこともできない。

湊「……一応確認しておくか。」

足音がロッカーに近づく。

双葉会長に知らせないといけないのに、心臓がバクバクして動けない。

その時だった。

~~♪

湊「っ!予鈴…!クソ、今回はここまでか…宮脇に迷惑かけたな。」

足音が遠ざかる。

がた、とロッカーから出る。

大地「あっつ…流石に男2人がロッカーはキチィな…」

大樹「っ、んぐ…」

大地「あぁ、悪ぃ。」

大樹「ぷは、はぁ、は…」

大地「はは、息しずらかったよな。」

大樹「ぅぐ…ふたば、せんぱい、授業…」

大地「あ?」

大樹「出てください…」

大地「…」

大樹「じゃねーと、双葉会長に俺が双葉先輩に襲われたって言う。」

大地「お前、変なやつだな。俺の事なんてほっといたらいいんだよ。」

大樹「でも、約束した…すから。双葉会長に先輩を授業に出させるって。」

大地「…ま、確かに兄弟喧嘩にお前巻き込んだのは事実だからなァ…しゃーね、今回は出てやるよ。」

大樹「!」

大地「…結構顔に出やすいのな、お前…はァ、厄介なのを味方につけやがって、湊め…」

大樹「あ。俺もう、行くんで。絶対出てください、双葉先輩。」

大地「大地でいーよ。」

大樹「え?」

大地「名字一緒だとこんがらがるだろ、大地って呼べっつーこと。」

大樹「…!はい。あ、そうだ。」

俺は最後に振り返って大地先輩にある物を渡す。

大地「これ…飴か?」

大樹「す。俺好きなんで。これ食べて頑張ってください、大地先輩。それじゃあ…」

大地「はいはい…じゃーな。」

俺は空き教室から走り出した。


大地「はは、自分が好きだからって相手が好きとは限らねぇだろ。ま、好きだけど。

…あ。名前聞き忘れた。…宮脇って湊は言ってたよな。…あークソ、また会えっかねェ…?」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

大樹「……あの双子も攻略対象だったのか。」

メモ帳を開きながら俺は驚きの声を漏らす。

大樹「って、ん?」

聞き覚えのある声がした。

創「だーかーら、僕別にそういうの興味ないんで。」

?「いいじゃん、いいじゃん。ちょっとくらい。俺が奢るよ?」

創「えー…」

大樹「愛垣?」

創「へ?…あ!宮脇センパイじゃん!」

愛垣とは初対面のあの日に何故か好かれたみたいで、よく連絡を取る仲だ。

大樹「あ、悪い。知り合いか。…邪魔した。」

創「違う!全然邪魔じゃないから!」

?「えー、大分邪魔だけどね?」

大樹「…?」

創「この人僕のことナンパしてんの。興味無いって言ってんのに…」

?「だってこんなに可愛い子見たことないからさ?」

大樹「……??」

俺は思わず口を挟んだ。

大樹「愛垣って男だよな。」

?「は?」

創「あっはは!センパイ今言う!?」

?「え?」

創「あー、おもしろ。そうですよ、僕男です。」

?「…え!?」

創「で、奢ってくれるんですよね?じゃあ行きまーす。…宮脇センパイも行くでしょ?」

大樹「え?俺?」

?「……はー…そりゃそうだよね、それ制服だし…バラ学が共学になったなんて聞いてないし…考えればわかったな…馬鹿だ…」

大樹「…行っていいのか?」

?「一人も二人も変わんないからいいよ。それと…口止め料。俺が男ナンパしたこと言いふらさないでね?」

創「はーい。」

大樹「っす。」

?「…君が愛垣くんで、横の子は?」

大樹「あ、宮脇大樹…す。」

?「ああ、不良の子ね。」

大樹「違ぇ、不良じゃない。」

?「そうなの?」

創「なんか勘違いされちゃうらしいですよ。意外と天然なとこあってかわいーんですよね。」

晃「男のかわいい事情とか聞きたくなかったなぁ…っと。俺は笹原 晃ササハラ アキラ。まぁ友達としてよろしくね。」

大樹「え。」

晃「ん?」

大樹「なんか、そういうチャラい人?って女の人としか仲良くしねぇんだと思った。」

晃「アニメや漫画の世界じゃないんだから…普通に男友達もいるよ。女の子としか仲良くなりたくないんだったら男子校なんてまず来ないし。」

ゲームの世界なんだが、というツッコミは飲み込んで、なるほど、と相槌を打つ。

晃「どこ食べに行こう。何がいいとかある?」

創「この前クレープ屋さんが出来てたんですよ、あそこに行きたいなぁ。」

晃「ああ、いいね。俺も気になってた。宮脇くん甘いもの嫌いとかない?」

大樹「大丈夫っす。」

晃「よし。…ここ俺の友達がバイトしてるんだよね。」

創「へー、そうなんだ。」

晃「確かバラ学からその子含めて2人いるはず。」

大樹「詳しいっすね。」

晃「その友達、すごくバイトが楽しいみたいでね。よく話してくれるんだ。」

店は学校からそう遠くない場所にあり、とてもファンシーな外見をしていた。

晃「これ、男3人で入るの勇気いるね…」

創「んー、まぁ僕、一見女の子に見えるから大丈夫じゃないですか?」

?「何名様でしょうか。」

俺は店員を見る。

茜「…あれ?宮脇くん。」

大樹「あ、大西。お前か、バラ学の生徒がバイトしてるっていうの。」

茜「そうそう。奇遇だね。…あ!案内するね。」

大西茜オオニシ アカネ。去年クラスが一緒だった。

千冬・千夏ほど仲はよくないが、コイツの秘密も知っている。

それは

茜「ちょっとちょっと、宮脇くん。」

大西が手招きして俺を呼ぶ。

大樹「…なんだ。」

茜「言うてへんよな、誰にも…!」

大樹「言ってねーよ。」

茜「よかった…いや、ほんまに宮脇くんが口固くて助かったわ…」

大樹「…何度も言うが、お前がその関西__あー、方便?喋ってたとしても誰も気にしねぇよ。」

茜「いんや、今までずっと、ずーっとからかわれてきたんや。ここまで来たらもう隠し通したほうがええ。」

大樹「そうか…?」

コイツは関西弁のことを隠してる。…いや、この世界では関西の概念がなく、遠い地方の方便らしいが。

どうやら転勤族らしく、周りと違う喋り方のせいでからかわれたことがあるらしい。

俺は一度、大西と喋った時に、イントネーションが俺と違うことに気づき

大樹「お前、ここの生まれじゃねぇのか?」

と聞いただけ。

大西はその瞬間絶望という顔をして

茜「お願いやから誰にも言わんといて…!」

と悲痛な声をあげた。

これが大西の秘密。…てか、俺秘密知ってること多くねぇか。

それと、これで全員だ。俺と元々交流があった人間。

二重千冬と千夏、漣朝陽、大西茜。

(どんどん揃ってきたな。)

茜「って、すまん、めっちゃ引き止めてもーた。ほんならな。クレープ楽しんでって。」

大樹「おう。」

席に戻ると二人がメニュー表を広げていた。

創「宮脇先輩と大西先輩って仲良いんですね!」

大樹「や、仲良いってか…成り行きっつーか」

晃「ふーん?あ、何食べる?俺はいちごクレープにしようかな。」

創「あ!いいですね。…僕このバナナクレープ…あーでも、チョコもいいなぁ…!」

大樹「…じゃあ、俺がチョコ食べるから半分こするか。」

創「え!いいんですか!やったー!」

晃「じゃあ俺のも半分こしよっか。」

創「これインステにあげましょうよ!」

大樹「いんすて…?」

創「え、知らないんですか?」

大樹「…わかんねぇ、俺スマホにLIMEくらいしかいれてねぇし…」

晃「そんな子いるんだ、まぁ簡単に説明すれば写真撮ってSNSに上げるんだよ。」

大樹「そ、そうなのか…」

創「学校の子しか繋がってないんで、僕は顔出してるんですけど、先輩たちどうですか?」

晃「俺はいいよ~」

大樹「…いい、けど、俺と一緒でいいのか?」

創「?ダメなんですか?」

大樹「や…俺、不良とか言われてんのに…」

晃「大丈夫大丈夫。寧ろこんな人だったんだ、って思うんじゃない?」

創「ハッシュタグでつけときましょーか?『俺は不良じゃねぇ』って。」

大樹「……っ、写真だけでいい。」

晃「よし、決まりだね。」

笹原先輩がベルを押し、店員を呼ぶ。

?「注文は、お決まりですか。」

(!…ハーフ?)

スゲェイケメン、というよりも美人という言葉が当てはまる。

晃「あれ、ケイくんじゃん。やっほー。」

ケイ「アキラ…来てくれたんだな。」

晃「すごい可愛い店だね。」

創「あ、もしかして…」

晃「うん、俺の友達。」

ケイ「3年B組、日外 ケイアグイ ケイだ。」

綺麗な白髪に目を奪われる。

晃「ケイくん、どっかの国のハーフなんだよね?」

ケイ「うん、そうだ。…まぁ、今は両親と縁を切って一人暮らししている。」

晃「料理、凄く上手なんだよね。キッチンじゃないんだ。」 

ケイ「今は人がいないから、駆り出された。」

創「はー、なるほどです!あ、注文なんですけど…」

ケイ「ああ、すまない。」

愛垣が注文しているのを他所に、俺はメモ帳に書き込む。

大樹(…日外ケイさん、攻略対象。3-B…一人暮らし 料理が上手いらしい。)

攻略対象、あと一人だ。

大樹「……気賀 真琴キガ マコト…」

この人、生徒会副会長だったよな。

晃「ん?宮脇くん、真琴くんと知り合いなの?」

大樹「あ。」

既に日外先輩はいなくなっていて、俺のつぶやきは拾われていたようだ。

大樹「い、いや…」

創「気賀先輩も僕と同じ中学だったんですよね。あの人陸上部なんですけど、すっごい足速いんですよ。」

大樹「え。陸上部…?」

俺の記憶では、気賀先輩は…

晃「…真琴くん、高一までは陸上部だったんだけどね。」

創「えっ、ち、違うんですか?」

晃「うん、高一の最後の方の大会で右足だったかな…を、怪我しちゃって辞めちゃったんだよね。」

大樹「そうだったのか…」

晃「もう治ってるらしいけど、陸上部に戻る気は無いみたい。まぁもう3年生だから。」

創「ショックだなぁ、気賀先輩…あんなに熱血な人だったのに。」

大樹「…へぇ…」

姉さんが書いてくれたメモには

『無気力』

と書かれている。

大樹(全然、どんな人かわかんねぇな。)

実際俺の知っている副会長は無気力な感じだったはずだ。だが中学が一緒の愛垣は熱血な人だと言う。

茜「お待たせ致しました。」

創「あ、クレープ!写真撮ろっ。」

晃「こう見ると女子高生なんだけど…はぁ…」

創「あはは、でもナンパしてくれたから先輩たちとクレープ食べられたからよかったです。」

愛垣は俺と笹原先輩が座っている席に詰めてくる。

大樹「おわっ!」

創「ほら、クレープ持って、撮りますよ!」

大樹「ま、待て、俺が真ん中…!」

晃「いいじゃんいいじゃん、ほら睨まないの。」

パシャ!

創「よし、じゃあインステあげますね?」

愛垣は慣れた手つきでハッシュタグを入力していく。

#ナンパされた #センパイ2人ともいい人 #ギャップ

晃「ちょっと!ナンパのこと言っちゃダメだって!」

創「いーじゃないですか!」

晃「湊くんに見つかったらグチグチ言われるんだって。」

創「投稿!」

晃「あー!」

大樹「……うめぇ。」

晃「宮脇くんは黙々と食べ続けてるし…」

創「あ、先輩。僕らもう今日で距離縮まったんですからその呼び方やめましょ?」

晃「ん?ああ…大樹くん、創くん、だよね。」

創「はい!大樹先輩、晃先輩!」

大樹「っ…」

2人がニコニコと俺を見る。

大樹「…恥じぃ…創、晃先輩。」

創「かわいー!ねぇ、それも写真撮っていいですか?」

大樹「ひ、1人はいやだ!」

晃「ふ、やっぱりなんだかんだ友達と遊ぶのは楽しいよね」


今日の夕方、帰宅した俺は姉さんに創と晃先輩とクレープを食べたことを話した。

智大「いいねぇ、着実に大樹が総受けルートを進んで…コホン。どう?バラ学、楽しい?」

大樹「…楽しい。今までみんな、俺の事怖がってたのに。」

智大「大樹が積極的に関わるようになって、本当の大樹がわかるようになったのよ。」

大樹「…そうか。…あ、あと一人だ、攻略対象。」

智大「気賀くん?そうだよね、メインストーリーの時も気賀くんが一番最後に登場したな。」

大樹「創が熱血な人だったって言ってたんだが…」

智大「それも理由があるのよ!はー、気賀くん…ストーリーよかったな。」

普通に、学校が楽しい。友達が沢山できた。

大樹(もしかしたら。本当にもしかしたら。…俺が、『好き』だと思う人が出来るのかもしれねぇ。)

そんなはずはないけど、つい期待してしまう。

智大「…大樹の顔、いい感じに解れてきたじゃん。…あー、いつか『好きな人が出来たんだ』って相談されたい。」

智大は頬を少し赤らめた大樹を見て微笑むのだった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

8話ありがとうございました。やっと残り一人でメインキャラ揃います…

皆さんの癖に刺さるキャラクターはいるでしょうか。

今回新登場のキャラクター

・双葉 湊 3-A ふたば みなと

・双葉 大地 3-B ふたば だいち

・笹原 晃 3-A ささはら あきら

・大西 茜 2-C おおにし あかね

・日外 ケイ 3-B あぐい けい

一気にキャラ増えた!

いつかそれぞれのキャラとのCPも書いていきたいです。

次回もよろしくお願いします!

(追記:双葉大地の名前間違えていました、すみません!)
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