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「た、確かに祝福を授かったのです! 」
「この子たちはそれを否定しているのに? 」
「それはッ・・・」
本人たちが否定している以上、いくら食い下がってもどうにもならないのはわかっているはずだ。
「ですがッ、私が祝福されないなんて、あり得ないですわ! 私はエスモグーなんですのよ!? 」
家の呪縛か。
先祖が祝福されたのだから、子孫も祝福される。祝福された家系。誰がそんなことを言い出したのかは知らないけど、本当に馬鹿げている。
「エスモグーを名乗っているからなに? それはあなたがその人の子孫であるっていうことを示すだけで、その人と同じくらい優秀だとは言えないんじゃない? 」
この子たちにとっては家系なんてどうでもいいんだよ。長い時の中でそんなものいちいち気にしてられない。
「確かに我はかつて、グラムという名のエスモグーを名乗る男に祝福を授けたことがある」
白氷。
「でしたら私にも! 」
「我がその男を気に入ったからだ。だが、今我は貴様気に入らんのだ。なぜ祝福を授けなければならぬ」
「気に入ら、ない・・・」
とうとうミリリア嬢がへたり込んでしまったしまったところで、新たな人物が登場した。
「これはなんの騒ぎだ? 」
「お話中のところ申し訳ありません、もしや我が娘がなにか? 」
「殿下! お父様! 」
堂々と人の波の中を歩いてきたのは、ルーフェウス殿下の一団と、恐らくエスモグー伯爵であり、このバカ娘の親だと思われる人物。
「はじめまして、シエルと言います」
「リリアナの父、カロルド・イオ・エスモグーと申します。これは一体どういうことなのでしょうか? 」
「リリアナ嬢が神獣の祝福を授かったという、とんでもない嘘を吹聴して回っているようでしたので、訂正させて頂いていたところです」
とりあえず事実を伝えてみる。
「・・・それは大変申し訳ございませんでした。ご不快な思いをさせたこと、深くお詫びいたします」
特に激しく娘を叱るわけでもなく、慌てて弁明したり庇うわけでもない。一体どういうタイプだ?
「リリアナ、嘘だったのか」
「も、申し訳ございません。お父様」
実の娘だというのに、やけに底冷えた視線をリリアナ嬢に向けている。
「まあよい、もとより期待はしていなかった」
あれ? もしかしてこいつが元凶?
そう思ったのも束の間。
「ミリリアでないのでしたら、リガロですかな? 」
「え、なにが? 」
すまない、あまりにも聞き慣れないフレーズだったせいか聞き間違えた気がするんだけど・・・。咄嗟に素で返しちゃったけど、リガロって誰? でなにが?
「すみません、聞き間違えたみたいで・・・」
「間違えてはおらぬ」
カツンっと床に蹄が打ち付けられる音がした。
隣から冷気が漂ってきたと思ったら、足元の地面がピキピキと凍っている。
「この子たちはそれを否定しているのに? 」
「それはッ・・・」
本人たちが否定している以上、いくら食い下がってもどうにもならないのはわかっているはずだ。
「ですがッ、私が祝福されないなんて、あり得ないですわ! 私はエスモグーなんですのよ!? 」
家の呪縛か。
先祖が祝福されたのだから、子孫も祝福される。祝福された家系。誰がそんなことを言い出したのかは知らないけど、本当に馬鹿げている。
「エスモグーを名乗っているからなに? それはあなたがその人の子孫であるっていうことを示すだけで、その人と同じくらい優秀だとは言えないんじゃない? 」
この子たちにとっては家系なんてどうでもいいんだよ。長い時の中でそんなものいちいち気にしてられない。
「確かに我はかつて、グラムという名のエスモグーを名乗る男に祝福を授けたことがある」
白氷。
「でしたら私にも! 」
「我がその男を気に入ったからだ。だが、今我は貴様気に入らんのだ。なぜ祝福を授けなければならぬ」
「気に入ら、ない・・・」
とうとうミリリア嬢がへたり込んでしまったしまったところで、新たな人物が登場した。
「これはなんの騒ぎだ? 」
「お話中のところ申し訳ありません、もしや我が娘がなにか? 」
「殿下! お父様! 」
堂々と人の波の中を歩いてきたのは、ルーフェウス殿下の一団と、恐らくエスモグー伯爵であり、このバカ娘の親だと思われる人物。
「はじめまして、シエルと言います」
「リリアナの父、カロルド・イオ・エスモグーと申します。これは一体どういうことなのでしょうか? 」
「リリアナ嬢が神獣の祝福を授かったという、とんでもない嘘を吹聴して回っているようでしたので、訂正させて頂いていたところです」
とりあえず事実を伝えてみる。
「・・・それは大変申し訳ございませんでした。ご不快な思いをさせたこと、深くお詫びいたします」
特に激しく娘を叱るわけでもなく、慌てて弁明したり庇うわけでもない。一体どういうタイプだ?
「リリアナ、嘘だったのか」
「も、申し訳ございません。お父様」
実の娘だというのに、やけに底冷えた視線をリリアナ嬢に向けている。
「まあよい、もとより期待はしていなかった」
あれ? もしかしてこいつが元凶?
そう思ったのも束の間。
「ミリリアでないのでしたら、リガロですかな? 」
「え、なにが? 」
すまない、あまりにも聞き慣れないフレーズだったせいか聞き間違えた気がするんだけど・・・。咄嗟に素で返しちゃったけど、リガロって誰? でなにが?
「すみません、聞き間違えたみたいで・・・」
「間違えてはおらぬ」
カツンっと床に蹄が打ち付けられる音がした。
隣から冷気が漂ってきたと思ったら、足元の地面がピキピキと凍っている。
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