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少し気まずい雰囲気になってしまい、どうすればいいかわからなくなる。
「あ、ああ、そうそう! 」
「なに? 」
「詳しくは言えないんだけど、後でたとえ何が起こっても手を出さないで欲しいの」
「何が起こっても? 」
「うん、何が起こっても。たとえ私に不利な状況があっても」
「わかったわ」
あの馬鹿共を叩きのめすときに、意図せず邪魔になるかもしれない不確定要素はできるだけ抑えておきたい。
「お母様が呼んでいるから言ってくるわね」
「うん」
今扇子の閉じ開きで会話していたよね、すごいかっこいいんだけど!
「さて、私もそろそろ正念場かな」
四匹は・・・、なにやってんの?
テーブルを一つ丸々独占して、ビュッフェ用にデザートが入った皿を完全に私物化している。
「戻しなさい」
「シエル、おかえり! あ、ちょっとなにするのよ! 」
「む、あと一つだけだ」
「だめ」
容赦なく皿を取り上げて元の場所に戻す。こんなことしても怒られないのって、本当いかに神獣様々か・・・。
「それより、今からあの噂に聞くお花畑さんと遊びに行くんだけど、来る? 」
「もちろん行くぞ」
「早く行くのだ」
「私も一言言ってやりたかったのよ! 」
嬉々として四匹の参戦が決定。
「じゃあ行きますか! 」
*****
「ではミリリア様は本当に神獣の祝福を授けられたのですね! 」
「ええ、そうよ! お父様にも伯爵家の誇りだとおっしゃっていただきましたわ! 」
「素晴らしいですわ! さすがミリリア様ですわね! 」
その人だかりに近づいてみれば、当の本人は声高らかに、されてもいない祝福のことを言いふらして回っていた。みんな口々に褒め称えはしているものの、呆れ顔で信じていない者がほとんど。お膳立てられて現在有頂天真っ只中のミリリアは当然気づいていない。
「その話、本当に本当なんですか? 」
「ええ! 当然ですわ! 私がはっきりと神獣様の力を感じ取りましたもの! 」
まあよくも抜け抜けと。神獣様の力って、ねえ。
「だ、そうだけど? 」
「なっ!? シ、シエル様! 神獣様方もッ・・・」
くるりと振り返った先には勢揃いした4匹。さっきまでいた他の人たちも、面倒事はごめんだとばかりに、我先にと退散していった。結果、衆目環視の中で、ミリリア嬢と私、そして神獣たちだけが揃っている。
非常に素晴らしい舞台だ。
「そんなわけがあるか」
「貴様のような馬鹿にあげる力など、一片も持ち合わせておらぬ」
「なにを勘違いしてるのかしらね」
「はて、そなたなんぞに祝福を授けたなどという記憶はないが。一体どこでどう我らの力を感じたのか教えてほしいものだな」
「あ、あ、ああ・・・し、神獣様・・・。そんな、ご冗談を、おっしゃらない、で、くだ・・・」
これでもかというほどボロカスに言われたミリリア嬢は、もはやまともに言葉が紡げなくなっている。まだ始まったばかりだというのに、これ以上畳み掛けては可哀想なほど錯乱し出していた。
あ。異常に怯えてると思ったら・・・、紅羽! 魔力で威圧しない!
「はあ・・・。さて」
ここからが私のターンだけど、まだくたばらないでよね?
「この子たちがこう言っているのに、なぜあなたが神獣の祝福を得たなんて吹聴して回っているのか、教えてくださらない? 」
遠くでアルシュさんが頭を抱えたのが見えたけど、無視無視。
「あ、ああ、そうそう! 」
「なに? 」
「詳しくは言えないんだけど、後でたとえ何が起こっても手を出さないで欲しいの」
「何が起こっても? 」
「うん、何が起こっても。たとえ私に不利な状況があっても」
「わかったわ」
あの馬鹿共を叩きのめすときに、意図せず邪魔になるかもしれない不確定要素はできるだけ抑えておきたい。
「お母様が呼んでいるから言ってくるわね」
「うん」
今扇子の閉じ開きで会話していたよね、すごいかっこいいんだけど!
「さて、私もそろそろ正念場かな」
四匹は・・・、なにやってんの?
テーブルを一つ丸々独占して、ビュッフェ用にデザートが入った皿を完全に私物化している。
「戻しなさい」
「シエル、おかえり! あ、ちょっとなにするのよ! 」
「む、あと一つだけだ」
「だめ」
容赦なく皿を取り上げて元の場所に戻す。こんなことしても怒られないのって、本当いかに神獣様々か・・・。
「それより、今からあの噂に聞くお花畑さんと遊びに行くんだけど、来る? 」
「もちろん行くぞ」
「早く行くのだ」
「私も一言言ってやりたかったのよ! 」
嬉々として四匹の参戦が決定。
「じゃあ行きますか! 」
*****
「ではミリリア様は本当に神獣の祝福を授けられたのですね! 」
「ええ、そうよ! お父様にも伯爵家の誇りだとおっしゃっていただきましたわ! 」
「素晴らしいですわ! さすがミリリア様ですわね! 」
その人だかりに近づいてみれば、当の本人は声高らかに、されてもいない祝福のことを言いふらして回っていた。みんな口々に褒め称えはしているものの、呆れ顔で信じていない者がほとんど。お膳立てられて現在有頂天真っ只中のミリリアは当然気づいていない。
「その話、本当に本当なんですか? 」
「ええ! 当然ですわ! 私がはっきりと神獣様の力を感じ取りましたもの! 」
まあよくも抜け抜けと。神獣様の力って、ねえ。
「だ、そうだけど? 」
「なっ!? シ、シエル様! 神獣様方もッ・・・」
くるりと振り返った先には勢揃いした4匹。さっきまでいた他の人たちも、面倒事はごめんだとばかりに、我先にと退散していった。結果、衆目環視の中で、ミリリア嬢と私、そして神獣たちだけが揃っている。
非常に素晴らしい舞台だ。
「そんなわけがあるか」
「貴様のような馬鹿にあげる力など、一片も持ち合わせておらぬ」
「なにを勘違いしてるのかしらね」
「はて、そなたなんぞに祝福を授けたなどという記憶はないが。一体どこでどう我らの力を感じたのか教えてほしいものだな」
「あ、あ、ああ・・・し、神獣様・・・。そんな、ご冗談を、おっしゃらない、で、くだ・・・」
これでもかというほどボロカスに言われたミリリア嬢は、もはやまともに言葉が紡げなくなっている。まだ始まったばかりだというのに、これ以上畳み掛けては可哀想なほど錯乱し出していた。
あ。異常に怯えてると思ったら・・・、紅羽! 魔力で威圧しない!
「はあ・・・。さて」
ここからが私のターンだけど、まだくたばらないでよね?
「この子たちがこう言っているのに、なぜあなたが神獣の祝福を得たなんて吹聴して回っているのか、教えてくださらない? 」
遠くでアルシュさんが頭を抱えたのが見えたけど、無視無視。
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