チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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 それから一週間後。

「まあまあ! なんて素晴らしい! 」
「は、はあ・・・」
「お客様には青系統の色がお似合いですので、こちらなんてどうでしょうか。段重ねのフリルが可愛い一着です」
「えっと・・・」
「さあさあ、とりあえずご試着してみてください! 」

 私は王都にある高級服飾店でVIP対応を受けていた。

 なんでこうなったんだっけ・・・。


 原因を遡れば、今日の朝に辿り着く。

「おはようございます、シエルさん」
「アルシュさん」

 誰もいない訓練場で一人魔法を打っていると、今や見慣れた人影が後ろから歩いてきた。

「朝から練習ですか? 」
「うん、早く目が覚めちゃったから」

 紅羽と黎月は狩りに行き、あと二匹はまだ寝ていた。

「ちょうど良かった。あとでお話ししたいことがあるので、食堂で待っててもらえますか? 」
「あ、うん。わかった」
「では私は少し仕事を片付けてきますので後ほど」

 その後食堂で待っていると、約束通りアルシュさんがやってきた。隊服で書類を抱えていたから、先にどこかに行ってきたのだろう。

「お待たせして申し訳ありません。少々王宮の方に出向いておりまして・・・」
「王宮? 」
「はい、今度の夜会の件の最終的な決議が今日の朝議で行われたので」
「へー」

 ん? 夜会?

「その夜会って? 」
「まあ簡単に言えばパーティーですね。主に貴族が参加し、様々なお披露目や宣伝の場としても使われます」
「つまり腹の探り合いってこと? 」
「理解が早くて助かります」

 待てよ。この話を私にするっていうことは・・・。

「その夜会に参加しろとかそういう話じゃあ、ないよね? 」
「お察しの通りです」


 はあ~!?


「開催日はちょうど一週間後です」
「・・・なんて」
「開催日は一週間後です」

 一週間!? は!?

「夕方に会場しますが、皇族の方々が入場する前にさる到着できれば大丈夫です」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「ご心配なさらずとも、すでにブティックは押さえてありますよ」
「ブティックって・・・」

 それってめっちゃ高級品を取り扱うようなところじゃ・・・。

「当然ですよ。王宮の夜会なのですから、しかも今回の主役が既成品なんて身につけていいわけがありませんよ」
「え、じゃあオーダーメイドってこと!? 」
「ええ、本日はその採寸に行ってきてもらいたいのです。あ、もちろん私も同行するので、迷子の心配はしなくても大丈夫ですよ」

 なんだかセレブたちしか使わないような単語が連発されていて、少しショートしかけている。

「あれは、マナーとかは!? 」
「講師を招いて一週間特訓しますので、付け焼き刃ではあるかもしれませんが、使えるレベルにはなるかと」
「特訓・・・」

 私の一週間が・・・、こうも呆気なく潰されるとは・・・。

「では本日の昼十二時半に正門前で待ってますので」

 そう言って、ひらひらと手を振ったアルシュさんは食堂から出ていってしまった。


「嘘でしょ・・・」


 もうちょっと早く言ってくれよ!


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