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さて、ここはいったいどこなんだろう?
「迷っちゃった・・・」
「迷っちゃったわね~」
「迷ったよ・・・」
「迷ったわね~」
ルーフェウス殿下が教えてくれた薬師団のところに向かって、かれこれ十分近く王宮内をうろうろしているが、一向に見つからない。
おかしいなー。
「途中でどこか間違えた? 」
「さあ、私にはわからないわ」
不思議だね。ちゃんと女官さんに聞いたとおりに歩いたのに。
宰相室を出て少し歩いてから自分が薬師団がどこにあるのか知らない、ということに気づき、近くにいた書類を抱えていた女官さんに道を聞いたのだ。その女官さん曰く、
『薬師団室でしたら、この廊下を真っすぐ進んだ先にある鷹の彫像が飾ってある曲がり角を左に曲がって、そこから二つ先の角を右に曲がって、ずっと進んでください。そのうち黄色のドレスを着た肖像画が見えるので、そこの曲がり角を右に進んで、さらに三番目の角を左に曲がってください。その後渡り廊下を歩いていくと、薔薇庭園に出ます。その庭園を突っ切って左側の出口から出て道に沿って進むと、今度は小花庭園に出るはずです。その小花庭園に面している渡り廊下を少し進んだところに、薬師団の団室や研究室がございます』
はあ・・・。想像の十倍長い説明だった。
『あ、ありがとうございます・・・。その、もう一度おしゃって頂けませんか? 』
『この廊下を真っすぐ進んだ先にある鷹の彫像が飾ってある曲がり角を左に、そこから二つ先の角を右に曲がってずっと進んでください。そのうち黄色のドレスを着た肖像画が見えるので、そこの曲がり角を右に、さらに三番目の角を左に曲がってください。その後渡り廊下を歩いていくと、薔薇庭園に出ます。その庭園を突っ切って左の出口から出て道に沿って進むと、今度は小花庭園に出ます。その小花庭園に面している渡り廊下を少し進んだところに、薬師団の団室や研究室がございます』
『わかりました・・・』
『あ、各庭園の真ん中にある柵で囲われているところは皇族以外の立ち入りが禁止されているので、気をつけてください』
『あ、ありがとうございます・・・』
こんなの誰が覚えられるかよ!? 誰かGマークのナビくれ!
「ここ絶対薔薇庭園とかではないよね。小花庭園とかいうやつでもなさそうだし・・・」
目の前に広がるのは一面のラベンダー。確かに庭園なんだけど、なんか違うなあ。
ふと、そのラベンダー畑の端っこでひょこひょこと動く何かが目に入った。
もっとよく見るとそれはしゃがんでいる人で、しきりに土をいじっている。背丈は私と同じくらい?
「あ、あの」
「なに? ん、あなた・・・」
小さな白衣を着たその子がクルッと振り向き、くりくりとした空色の瞳がこっちを捉える。
「どうしたの? 」
「王宮薬師団室への道を知りませんか? 」
「知ってるわ」
よし! 助かった!
「迷ってしまって・・・」
「そうだったの。私が案内してあげる! 」
そう言ってその子は私の手を引いて走り出した。
「こっちよ! 」
「迷っちゃった・・・」
「迷っちゃったわね~」
「迷ったよ・・・」
「迷ったわね~」
ルーフェウス殿下が教えてくれた薬師団のところに向かって、かれこれ十分近く王宮内をうろうろしているが、一向に見つからない。
おかしいなー。
「途中でどこか間違えた? 」
「さあ、私にはわからないわ」
不思議だね。ちゃんと女官さんに聞いたとおりに歩いたのに。
宰相室を出て少し歩いてから自分が薬師団がどこにあるのか知らない、ということに気づき、近くにいた書類を抱えていた女官さんに道を聞いたのだ。その女官さん曰く、
『薬師団室でしたら、この廊下を真っすぐ進んだ先にある鷹の彫像が飾ってある曲がり角を左に曲がって、そこから二つ先の角を右に曲がって、ずっと進んでください。そのうち黄色のドレスを着た肖像画が見えるので、そこの曲がり角を右に進んで、さらに三番目の角を左に曲がってください。その後渡り廊下を歩いていくと、薔薇庭園に出ます。その庭園を突っ切って左側の出口から出て道に沿って進むと、今度は小花庭園に出るはずです。その小花庭園に面している渡り廊下を少し進んだところに、薬師団の団室や研究室がございます』
はあ・・・。想像の十倍長い説明だった。
『あ、ありがとうございます・・・。その、もう一度おしゃって頂けませんか? 』
『この廊下を真っすぐ進んだ先にある鷹の彫像が飾ってある曲がり角を左に、そこから二つ先の角を右に曲がってずっと進んでください。そのうち黄色のドレスを着た肖像画が見えるので、そこの曲がり角を右に、さらに三番目の角を左に曲がってください。その後渡り廊下を歩いていくと、薔薇庭園に出ます。その庭園を突っ切って左の出口から出て道に沿って進むと、今度は小花庭園に出ます。その小花庭園に面している渡り廊下を少し進んだところに、薬師団の団室や研究室がございます』
『わかりました・・・』
『あ、各庭園の真ん中にある柵で囲われているところは皇族以外の立ち入りが禁止されているので、気をつけてください』
『あ、ありがとうございます・・・』
こんなの誰が覚えられるかよ!? 誰かGマークのナビくれ!
「ここ絶対薔薇庭園とかではないよね。小花庭園とかいうやつでもなさそうだし・・・」
目の前に広がるのは一面のラベンダー。確かに庭園なんだけど、なんか違うなあ。
ふと、そのラベンダー畑の端っこでひょこひょこと動く何かが目に入った。
もっとよく見るとそれはしゃがんでいる人で、しきりに土をいじっている。背丈は私と同じくらい?
「あ、あの」
「なに? ん、あなた・・・」
小さな白衣を着たその子がクルッと振り向き、くりくりとした空色の瞳がこっちを捉える。
「どうしたの? 」
「王宮薬師団室への道を知りませんか? 」
「知ってるわ」
よし! 助かった!
「迷ってしまって・・・」
「そうだったの。私が案内してあげる! 」
そう言ってその子は私の手を引いて走り出した。
「こっちよ! 」
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