チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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 王都に来て一週間。いろんなことがあったが、一番大きな問題はやはり継承権争いの問題だ。聞くところによると、現在ルーフェウス殿下とメティーナ殿下の争いは五分五分。そして第三勢力の双子も台頭してきているらしい。

 それと同時に、私への訪問客も絶えない。実は私が対応した人たちだけでなく、さらに多くの人が来ていて、その度に私に気を遣わせないようにと、追い返していたらしい。

 昨日アルシュさんから聞いてこれ以上迷惑はかけられないと思い、今日は解決に来たのだ。

「こちらが宰相室になります」
「ありがとうございます。失礼します。宰相さんいますか? 」

 メイドさんに案内してもらいながら辿り着いた宰相室に前でノックする。

 いや、ほんっとうに広かった! 歩いても歩いても着かない! 何個角を曲がったかも忘れたよ。体感USJ。

 あの女官さんたちはどうやって覚えてるんだろう。

 そんなことを考えてたら、内側からガチャッと扉が開いた。

「はい。あ、シエルさん。どうぞ」

 出迎えてくれたのはストラーノさん。奥にある机に書類がうず高く積まれていて、その後ろにラックさんが見えた。

「おかけになって少々お待ちください」

 言われたソファーに座ると、お誕生日席のところに見たことのない人がいた。まあ、この王宮でそれを言うと見たことない人がほとんどなんだけど。

 でもなんとなく身分の高い人だってことはわかる。

 ピンクによったルビー色の目を持っていて、姿勢、足の組み方、表情、カップを持つ角度、その全てから気品が溢れている。なんだか見れば見るほど周りに花が飛んでいるように見えてきた。極めつけはふわっと波打つミルクティー色の髪。ただでさえきれいな顔立ちを引き立てている。

 まさに貴公子といった、そんな言葉がよく似合う雰囲気だ。


 ん? ミルクティー色の髪? 確かあの双子もこんな色だったような・・・。

 ってことはまさか、


「あなたがルーフェウス第一王子殿下ですか? 」
「ああ、その通りだよ。君はシエルちゃんだね」


 やっぱり! そうじゃん! しかもよく見たら目の色も王妃様と同じ。

「その子が神獣なのかい? 」

 もう慣れたけど、みんな二言目にはこれなのだ。そこはやはり王子でも変わらないらしい。

 ちなみに本日のお供は紅羽です。

「はい、そうですよ」
「その子だけかい? 謁見のときには他にもいたような気がするけど」
「あと三匹いますよ。ただ今日は三匹とも不在なので、この子を連れてきたんです」

 黎月は前の紅羽をみて羨ましくなったのか、自分も狩りをしたいと、ストレス発散に出かけた。常夜はクレーリーさんにくっついてお菓子を狙っていて、白氷は今日も今日とて馬同盟会会議参加しに行っている。最近ときどき、揃った馬の嘶き声がするんだけど関係あるよね? 

 まあ、というわけで空いていた紅羽が着いてきてくれたのだ。


「お待たせして申し訳ありません」


 横からのにこにこした笑顔に対してどうしようかと迷っていると、タイミングよくラックさんとストラーノさんが向かいのソファーに座ってくれた。

「ご紹介が遅れて申し訳ありません、こちらが我が国の第一王子ルーフェウス殿下になります。殿下、こちらがシエルさんです」
「ああ、存じている」

 すっと手を上げたその姿は、まさに漫画に出てくる正統派王子のような姿だった。


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