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「常夜、なんか気になった? 」
常夜は普段みんなが話し終わるのを待ってから話すタイプだから、今口を開いたということは、何かこの二人に伝えたいことがあるということだろう。
「我はかつて、そなたらのような男を二度見たことがある。一人は失敗し反逆者として処刑されたが、もう一人はその後王となった」
常夜が話すというだけで、一気にその場の空気が常夜を中心に回り出す。誰も口を挟めない雰囲気が自然と作り上げられるのだ。
「さて、そなたらに聞こう」
ごくりと、いつの間にか背筋を伸ばしていた双子の喉が鳴る。
「なぜそこまでして王になりたいと願う」
「それはもちろん、民のことを守りたくて・・・」
「ほう・・・。本心か? 」
「常夜? 」
「本心かと聞いておる。民を守る、民のためになることをする、そなたらの兄や姉が王になったとしても、それはできる」
ズズズ、と音が聞こえそうな程の存在感がその場に漂い始め、紅羽が「あらー」と口元を押さた。
まじか、魔力で威圧し始めたぞ。神獣たちの魔力変換効率は人間の数百倍。単純な魔力放出でもその気になれば人間二人ぐらい、プチッといけるのだ。それでも常夜と見つめ合えるのだから、さすが王族といったところだろう。
「でも確かにそうよね。政治のことはあまり興味ないけど、他国に嫁いでご機嫌取りした方が、ふんぞり返っているだけの国王よりもよっぽど役に立つものね」
紅羽、辛口コメント炸裂したねー。
でも、二人が言ってることはご最もだ。
「むしろ王という地位は足枷となりうることもあるのだ。そなたらは聡い。それぐらいわかっておるのだろう? ではなぜわざわざ王になろうとするのだ? 」
「「ッ・・・」」
言葉を詰まらせて俯いた二人は、しばらく迷ってからルシオン殿下の方から口を開いた。
「僕たちじゃなきゃダメだから・・・。僕達じゃないとダメなんだ」
「兄上や姉上じゃダメなんだ」
「ルーフェウス兄上はいい人だし、文武両道で人望もある。でも平凡すぎる。それじゃあ今までの王と何も変わらない。今まで通りにしかできない」
「メティーナ姉上はすごく頭が良くて聡明だけど、王になるには向いていない。欲が足りないんだよ。それに本人は王という地位に対して何も夢見ていないんだ」
堰き止められていた水が溢れ出すように、二人の言葉が紡がれる。今まで言えなかったことを一気に吐き出しているようにも見える。
まあそりゃあ普段こんなこと言ったら、周りの大人がここぞとばかりに食いつくだろうからね。
「過去とか未来とか、他の国のことはわからないけど」
「少なくともこの代、この国で、最も良い王になれるのは僕たちだ」
俯いた顔を上げて、二人は言い切った。
「なるほどのう、よくわかった」
満足げな常夜の言葉が響き、さっきよりも強い意志を持った二対の目がこっちに向けられていた。
常夜は普段みんなが話し終わるのを待ってから話すタイプだから、今口を開いたということは、何かこの二人に伝えたいことがあるということだろう。
「我はかつて、そなたらのような男を二度見たことがある。一人は失敗し反逆者として処刑されたが、もう一人はその後王となった」
常夜が話すというだけで、一気にその場の空気が常夜を中心に回り出す。誰も口を挟めない雰囲気が自然と作り上げられるのだ。
「さて、そなたらに聞こう」
ごくりと、いつの間にか背筋を伸ばしていた双子の喉が鳴る。
「なぜそこまでして王になりたいと願う」
「それはもちろん、民のことを守りたくて・・・」
「ほう・・・。本心か? 」
「常夜? 」
「本心かと聞いておる。民を守る、民のためになることをする、そなたらの兄や姉が王になったとしても、それはできる」
ズズズ、と音が聞こえそうな程の存在感がその場に漂い始め、紅羽が「あらー」と口元を押さた。
まじか、魔力で威圧し始めたぞ。神獣たちの魔力変換効率は人間の数百倍。単純な魔力放出でもその気になれば人間二人ぐらい、プチッといけるのだ。それでも常夜と見つめ合えるのだから、さすが王族といったところだろう。
「でも確かにそうよね。政治のことはあまり興味ないけど、他国に嫁いでご機嫌取りした方が、ふんぞり返っているだけの国王よりもよっぽど役に立つものね」
紅羽、辛口コメント炸裂したねー。
でも、二人が言ってることはご最もだ。
「むしろ王という地位は足枷となりうることもあるのだ。そなたらは聡い。それぐらいわかっておるのだろう? ではなぜわざわざ王になろうとするのだ? 」
「「ッ・・・」」
言葉を詰まらせて俯いた二人は、しばらく迷ってからルシオン殿下の方から口を開いた。
「僕たちじゃなきゃダメだから・・・。僕達じゃないとダメなんだ」
「兄上や姉上じゃダメなんだ」
「ルーフェウス兄上はいい人だし、文武両道で人望もある。でも平凡すぎる。それじゃあ今までの王と何も変わらない。今まで通りにしかできない」
「メティーナ姉上はすごく頭が良くて聡明だけど、王になるには向いていない。欲が足りないんだよ。それに本人は王という地位に対して何も夢見ていないんだ」
堰き止められていた水が溢れ出すように、二人の言葉が紡がれる。今まで言えなかったことを一気に吐き出しているようにも見える。
まあそりゃあ普段こんなこと言ったら、周りの大人がここぞとばかりに食いつくだろうからね。
「過去とか未来とか、他の国のことはわからないけど」
「少なくともこの代、この国で、最も良い王になれるのは僕たちだ」
俯いた顔を上げて、二人は言い切った。
「なるほどのう、よくわかった」
満足げな常夜の言葉が響き、さっきよりも強い意志を持った二対の目がこっちに向けられていた。
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