チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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「ごちそうさまでした! 」

 かなり遅れて来たけど、まだご飯が残っていて良かった。

「して、どんな話だったのだ? 」
「うーん。難しい大人の話」
「無理をするでないそ」
「わかってる」


 あの副宰相さん、切れ者だけどちょっと大根役者なところがあるよね。あんな提案、餌なのがバレバレだよ。

 ・・・にしても、王位継承問題か~。タイミングもピンポイントすぎる。

 王子たち本人にはまだ会ったことがないから、なんとも言えないけど。


「そんなに難しい話だったんですか? 」

 はあ、と黎月をモフりながら大きいため息を付くと、すっと隣に座ったとある騎士さんが相談に乗るように話しかけてきた。
 確かにレンさんみたいな名前だったはず。

「あ、レンさん、だっけ? 」
「レングです」
「レングさんか。ごめんなさい、名前覚えてなくて」
「いえいえ。それよりもあの副宰相殿と会ったんですか? 」
「知ってるの? 」
「ええ」

 もしかしたら何か情報を得られるかもしれない!

「これでも実家は公爵家なんですよ」
「そうなの!? ちなみにどちらの派閥で? 」
「派閥ですか? ああ、我が家はどちらにも属していませんよ」
「どちらにも? 」
「ええ」

 そう言ってこほんと咳払いをしたレングさん。

「まずこの国の貴族関係をご存知ですか? 」
「ううん。さっきルーフェウス殿下派とメティーナ殿下派がいることは知ったけど、それ以上は・・・」

「どこから話しましょうか・・・。我が国には六公爵家、十侯爵家、十五伯爵家と四辺境伯爵家、そして十七子爵家と二十三男爵家、そして十準男爵家が現在存在していて、伯爵家から上が高位貴族として認められます。六つの公爵家の中でも、団長の実家でもあるクロスタット公爵家、ラック公爵家、トルディ公爵家、ラッコレ公爵家は四大公爵家と呼ばれていて、建国期から我が国を支えてきた名家です。残りの家が主に外交面を任されているモックムジェ公爵家と大陸一大きい商団、ラディエ商会を持つグラオディエ公爵家ですね」

 ほうほう。

「ちなみにレングさんはどの家の出身で? 」
「僕はトルディ公爵家の出身です。三男でしたが、父が隠居したため、今は一番上の兄が家を継いでいますね。確か団長も次男だったはずですけど、あそこはまだまだ先代が健在でバリバリに仕事をしてらっしゃいますよ」
「先代って言うと・・・」
「現クロスタット家当主ラキロス・クロスタット公爵。団長のお祖父様ですね」

 す、スゲェ・・・。団長が見た目三十歳くらいだから、相当元気なおじいだ。

「ええと、王位継承の話でしたっけ? 」
「ああ、そうだった」


「ざっくりいうと、現在貴族内では三派閥に分かれていて、さっき言っていたルーフェウス殿下派とメティーナ殿下派、そしてもう一つ中立派がいるんですよ。中立派の中にも、どちらにも全く同じ条件で対応をする穏健派と条件によってはどちらかを優遇したりする日和見派がいます」

 今の大事。日和見派の存在はでかいよ。

「今のところ、ルーフェウス派の筆頭がトルク宰相率いるラック公爵家、メティーナ殿下派の筆頭がラッコレ公爵家になっています。そして中立派の中でも穏健派をまとめあげているのがクロスタット公爵家で、我がトルディ家もそれに追従しています。日和見派は一応グラオディエ公爵家を前に置く形になっています。ですがやはり商団持ちが中心なので、個々での行動域が広いですね。モックムジェ公爵家に関しては、今回の王位継承問題には一切関与しないとの宣言があったので、完全に部外者状態です」


「じゃあ大まかに言うと、ラック公爵家対ラッコレ公爵家で、クロスタット公爵家とトルディ公爵家は何があっても中立。グラオディエ公爵家は交渉によっては、モックムジェ公爵家は完全に我関せずってことか」

「そういうことですね。王妃様のご実家がラック公爵家で、第二側妃様のご実家がラッコレ公爵家傘下のタクトア伯爵家なので」


 あー! エクセルが欲しい! 誰かこれまとめて!

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