チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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 お風呂にも入って、久々にちゃんとしたベッドで寝た次の日。

「ちょっ、・・・ル! ・・・きて! 」
「んん~」
「シエル! 起きて! 」
「はいはい・・・」

 渋々叩き起こされ、着替えて現在は食事中。ここは騎士団舎の食堂で、騎士団らしいガッツリとしたメニューが豊富だ。

 今食べているのはステーキ。とは言っても、日本のようなソースは流石になく、塩か胡椒での味付けしかないらしい。

「ふむ、まあまあだが美味である」

 隣では一人一枚もらった神獣組がもぐもぐしている。白氷は偉そうに評価しているが、満更でもない表情だ。

「結局四人にとったら、生肉と調理したの、どっちのほうが美味しいの? 」

 私と一緒に暮らすようになるまでは生肉を食べていたらしい。

「当然調理したものよ」
「やっぱりそうなの? 」
「ええ。でも調理するのってめんどくさいのよね」
「そのためだけに契約することもあるぞ」

 そんな軽く契約して良いんだ・・・。

「どうせ我らの時間は有り余っているのだ。人間ならせいぜい二百年、どうってことはない」
「その気になればいつでも切れるしのう」


 契約とは双方の同意を元にして行使される一種の魔法であり、どちらかがその合意を破棄すれば契約は切れる。って常夜が教えてくれた。

 昨日のティリアネの言葉同様、元人間の私には未だよくわからない感覚だけど、長命種にとったら、時間を無駄にするなんて言う概念はないらしい。


 とにかく、四人が調理したほうが好きだって言うなら、これからどんどんこの世界の食を開発していこう!


 ステーキソースぐらいは作りたいよねー。できればポン酢も欲しいな。


 考えていると、食堂に入ってきたアルシュさんが隣に座ってきた。


「おはようございます、シエルさん。昨晩はよく眠れましたか? 」
「うん、おかげさまで! 」

 予想外に来客はあったけど・・・。

「それは良かったです。何か問題があったりしましたか? 」
「今のところは大丈夫だよ。すっごく快適! 」
「そうですか。何かあったらまた言ってくださいね」
「わかった、ありがとう」

 ここまでは至って普通の朝の挨拶だった。


「ああそういえば、今日これから国王陛下との謁見があるので、心の準備だけしておいてください」
「なんて? 」


 この人今なんつった? こくおうへいかとのえっけん、とは?


「・・・こくおうへいかとのえっけんって言った? 」
「はい、陛下との謁見です」

 そんな大事なことサラッと言うな! なに、アルシュさんそういうタイプの人だったの!?

「え、これから? 」
「はい」

 もっと早く言って!

「そのままで構いません。本来はある程度正装であることが必要なのですが、シエルさんはそのままで構いませんよ」

 どうりでアルシュさんの隊服がちょっと豪華だったわけだ。

「このあと時間になったら迎えの馬車が来ますので、またお呼びに行きますね」
「はあ・・・、わかった」

 国王陛下ってどんな人なんだろう、漫画でよく見るふんぞり返っているだけのやつじゃないと良いけど・・・。


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