チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

文字の大きさ
上 下
17 / 79

17

しおりを挟む
「シエル殿」
「ん? なに、クラックさん」

 後片付けも終えてそろそろ寝ようかと思っていたとき、クラックさんが声をかけてきた。

「シエル殿はいったいどこから来られたのですか? 」

 あー、なんて言おう。違う世界から来たって言っても信じてもらえるわけないしな~・・・。

「説明してもわからないと思うよ」
「どういう・・・」
「少なくとも今はまだ明かせないかな」

 クラックさんが悪い人には見えないけど、騎士団の団長とかいう役職だったら、絶対バックに国の政治やらが関わってくる。そういうところに漏れたら普通に困るんだよ。

「面倒事はごめんだよ」
「そうですか・・・、森の外に出てみる気は・・・」
「まあ面白そうではあるけど・・・」

「でしたら、我らと共に王都まで行くのはどうでしょう」

 実を言うと、興味はある。めちゃくちゃある。
 けど、クラックさん経由だと政治とかに関わってしまいそうなのが怖い。

「それってどれぐらいかかるの? 」
「約五日ほど」
「ふーん。あの子たちは? 」

 もふもふは絶対に連れて行く。

「もちろん連れてもらってかまいません。できれば小さめになってもらえれば助かるのですが・・・」

「だって、できる? 」

 ふいっと後ろを向けば、もふもふ勢はくつろいでいるふりをしながらも、しっかりと聞き耳を立てていた。

「ふむ・・・。こうか? 」

 言うやいなや、尻尾をパタパタさせていた黎月が、ポンッと子犬に変わった。子狐にも見えるな。やばい、可愛すぎる。

「おいで! 」

 黎月も黎月で、威嚴なんて綺麗さっぱり捨て切って普通のペットみたいに駆け込んでくる。

「もふもふぅ~」

 小さくなっても変わらない手触りと柔らかさ。最高! 

「おお、これならただの子犬に見えると思います」

 クラックさんからのお墨付きも出た。

「してシエルよ。どうするのだ? 」
「そうだねぇ・・・」

 もう一ヶ月も森に籠もったんだし、そろそろ外に出てみるときか。


「いいよ、一緒に行こう」


「ありがとうございます! 」
「但し、政治とかには一切関わるつもりはないから。こっちで決めたなら別だけど、知らないうちに変なことに巻き込まれるつもりはないよ」
「わかりました。できる限り尽力します」

 ・・・待って。なんか今自分で盛大なフラグ立てた気がする。うわぁ、いらないこと言っちゃった・・・。こんなの巻き込まれ確定の展開じゃん。

「できる限り尽力ってことは、やっぱり私に関わって欲しいなにかがあるんだね? 」

 普通なら、できる限りなんてあやふやな言葉を前につけない。

 じっとクラックさんを見つめると、観念したように息を吐いた。

「・・・はい。実は・・・━」









しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~

沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。 ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。 魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。 そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。 果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。 転生要素は薄いかもしれません。 最後まで執筆済み。完結は保障します。 前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。 長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。 カクヨム様にも投稿しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~

翡翠蓮
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

処理中です...