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「シエル殿」
「ん? なに、クラックさん」
後片付けも終えてそろそろ寝ようかと思っていたとき、クラックさんが声をかけてきた。
「シエル殿はいったいどこから来られたのですか? 」
あー、なんて言おう。違う世界から来たって言っても信じてもらえるわけないしな~・・・。
「説明してもわからないと思うよ」
「どういう・・・」
「少なくとも今はまだ明かせないかな」
クラックさんが悪い人には見えないけど、騎士団の団長とかいう役職だったら、絶対バックに国の政治やらが関わってくる。そういうところに漏れたら普通に困るんだよ。
「面倒事はごめんだよ」
「そうですか・・・、森の外に出てみる気は・・・」
「まあ面白そうではあるけど・・・」
「でしたら、我らと共に王都まで行くのはどうでしょう」
実を言うと、興味はある。めちゃくちゃある。
けど、クラックさん経由だと政治とかに関わってしまいそうなのが怖い。
「それってどれぐらいかかるの? 」
「約五日ほど」
「ふーん。あの子たちは? 」
もふもふは絶対に連れて行く。
「もちろん連れてもらってかまいません。できれば小さめになってもらえれば助かるのですが・・・」
「だって、できる? 」
ふいっと後ろを向けば、もふもふ勢はくつろいでいるふりをしながらも、しっかりと聞き耳を立てていた。
「ふむ・・・。こうか? 」
言うやいなや、尻尾をパタパタさせていた黎月が、ポンッと子犬に変わった。子狐にも見えるな。やばい、可愛すぎる。
「おいで! 」
黎月も黎月で、威嚴なんて綺麗さっぱり捨て切って普通のペットみたいに駆け込んでくる。
「もふもふぅ~」
小さくなっても変わらない手触りと柔らかさ。最高!
「おお、これならただの子犬に見えると思います」
クラックさんからのお墨付きも出た。
「してシエルよ。どうするのだ? 」
「そうだねぇ・・・」
もう一ヶ月も森に籠もったんだし、そろそろ外に出てみるときか。
「いいよ、一緒に行こう」
「ありがとうございます! 」
「但し、政治とかには一切関わるつもりはないから。こっちで決めたなら別だけど、知らないうちに変なことに巻き込まれるつもりはないよ」
「わかりました。できる限り尽力します」
・・・待って。なんか今自分で盛大なフラグ立てた気がする。うわぁ、いらないこと言っちゃった・・・。こんなの巻き込まれ確定の展開じゃん。
「できる限り尽力ってことは、やっぱり私に関わって欲しいなにかがあるんだね? 」
普通なら、できる限りなんてあやふやな言葉を前につけない。
じっとクラックさんを見つめると、観念したように息を吐いた。
「・・・はい。実は・・・━」
「ん? なに、クラックさん」
後片付けも終えてそろそろ寝ようかと思っていたとき、クラックさんが声をかけてきた。
「シエル殿はいったいどこから来られたのですか? 」
あー、なんて言おう。違う世界から来たって言っても信じてもらえるわけないしな~・・・。
「説明してもわからないと思うよ」
「どういう・・・」
「少なくとも今はまだ明かせないかな」
クラックさんが悪い人には見えないけど、騎士団の団長とかいう役職だったら、絶対バックに国の政治やらが関わってくる。そういうところに漏れたら普通に困るんだよ。
「面倒事はごめんだよ」
「そうですか・・・、森の外に出てみる気は・・・」
「まあ面白そうではあるけど・・・」
「でしたら、我らと共に王都まで行くのはどうでしょう」
実を言うと、興味はある。めちゃくちゃある。
けど、クラックさん経由だと政治とかに関わってしまいそうなのが怖い。
「それってどれぐらいかかるの? 」
「約五日ほど」
「ふーん。あの子たちは? 」
もふもふは絶対に連れて行く。
「もちろん連れてもらってかまいません。できれば小さめになってもらえれば助かるのですが・・・」
「だって、できる? 」
ふいっと後ろを向けば、もふもふ勢はくつろいでいるふりをしながらも、しっかりと聞き耳を立てていた。
「ふむ・・・。こうか? 」
言うやいなや、尻尾をパタパタさせていた黎月が、ポンッと子犬に変わった。子狐にも見えるな。やばい、可愛すぎる。
「おいで! 」
黎月も黎月で、威嚴なんて綺麗さっぱり捨て切って普通のペットみたいに駆け込んでくる。
「もふもふぅ~」
小さくなっても変わらない手触りと柔らかさ。最高!
「おお、これならただの子犬に見えると思います」
クラックさんからのお墨付きも出た。
「してシエルよ。どうするのだ? 」
「そうだねぇ・・・」
もう一ヶ月も森に籠もったんだし、そろそろ外に出てみるときか。
「いいよ、一緒に行こう」
「ありがとうございます! 」
「但し、政治とかには一切関わるつもりはないから。こっちで決めたなら別だけど、知らないうちに変なことに巻き込まれるつもりはないよ」
「わかりました。できる限り尽力します」
・・・待って。なんか今自分で盛大なフラグ立てた気がする。うわぁ、いらないこと言っちゃった・・・。こんなの巻き込まれ確定の展開じゃん。
「できる限り尽力ってことは、やっぱり私に関わって欲しいなにかがあるんだね? 」
普通なら、できる限りなんてあやふやな言葉を前につけない。
じっとクラックさんを見つめると、観念したように息を吐いた。
「・・・はい。実は・・・━」
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