チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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「その傷とかも、そのグレートベアーズとかいうやつにやられたやつ? 」

 ざっと見て二十人ぐらいいるこの人たち、みんなアニメなどによく出てくる騎士のような服を身に纏っていて、一人一つずつ剣を腰にさしている。だけど、その服はボロボロで、破けたり血が滲んでいたり、人によっては傷は丸見えだったりしている。
 この人、クラックさん本人の服にも血が飛び散っているし、頑張って隠しているものの、左腕に大きな四本傷がある。

「まあ、はい」

 バレたのが気不味かったのか、クラックさんが慌てて体を起こして傷を手で覆う。菌が入るとかって・・・、やっぱりこの世界じゃ知られてないか。


「・・・まあ、もう日も暮れるしね。森の中よりはこっちのほうが絶対安全だとは思うよ」
「ということは! 」

「とりあえず今晩はここにいたら? 傷も手当しなきゃだめでしょ? 」

「感謝します! 」

 大きな声でそう言ってクラックさんは再び頭を下げた。


「はいじゃあ決まったらすぐ動く! その分だと食料もまともにないでしょ。これぐらいの人数なら食材はあるから」
「いえ、そこまでして頂く訳には・・・、この通り携帯食ならまだありますし」

 別の人が腰の袋から何やら塊を取り出して遠慮しようとしたが、すぐに却下した。

「ごちゃごちゃ言わない! 怪我して余計体力消耗してるんだから、そんな乾燥したかったいパン一つで補える訳ないでしょ! 」
「・・・わかりました」
「よろしい。わかったら怪我人はさっさと服脱いでくれる? 」

 この人も肩から脇腹に浅くない傷がある。普通に重症者の分類だ。もう半強制的に服を剥ぎ取って、寝かせる。

「なにを・・・」
「染みるけど我慢しなさい」

 川の水をバシャバシャ傷口にかけて洗浄していく。

「借りるよ! 」

 軍服の下に来ていたその人のシャツを容赦なく破って、洗浄したあとの傷口に巻き付ける。
 この人よくここまでもったな・・・。相当出血量あるよこれ。とっくに顔面蒼白だし。普通に丈夫なだけなのか、気力でもたせてきたのか。どっちにしろ、助けられそうで良かった。

「大丈夫か、ルアン」

 クラックさんがこっちに歩いてきた。

「あ、団ちょ、ッ! 」
「ちょっと動かないで! 」

 急に起きあがるな!

「団長、他のみんなは・・・」
「安心しろ、みんな手当をしてもらっている。おまえが一番ひどかったから見に来たんだ」
「良かったです。僕もこの通り無事です」
「なに言ってんの? 下手したら失血死するとこだったのに、どこが無事よ」
「あはは・・・」


 こうして全員分手当を終え、器用な常夜と紅羽が作ってくれていたミルバーチを食べる時間がやってきた。









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