チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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 常夜たちにもわからないなら仕方ない、後々ティリアネに聞くか、自分で調べよう。


 次!

「じゃあ魔法はどうやって使うの? 」

「空気中にある魔素を、体内に取り込んで変換するのだ」

 体内に取り込んで変換・・・。あ、血液の循環みたいな感じか!

 白氷先生の説明は実に簡潔でわかりやすい。

「うん、なんとなくわかった」
「では実際に光を生み出してみるのだ。こんな風に」

 そう言った白氷の前に、ぽっと優しい光の玉が現れた。プカプカ浮いていて、拳大ぐらいのサイズだ。

 いきなりハードル高くない?

 とりあえず言われた通りにやってみることにした。

 手のひらを上に向けて出して、意識を集中させる。ふぅと息を吐いて、大気中の魔素、小さな粒を吸収するイメージ。

 これを体の中で光に変えて・・・。出す!


「・・・・・・」


 何も起きなかった。


 使えない? なんで? 嘘・・・。

「待って、もう一回やってみる」


 もう一度狙いを定めて・・・。取り込んで、放出! 


「・・・・・・」


 やっぱり何も起きない。


「魔素は吸収されていたはずだぞ?  なあフェニックス?  」

 パタパタと尻尾を振りながら黎月が発言すると、紅羽と白氷も同意して頷く。

「ええ、確かに魔素が減ったのを感じたわ! ペガサスも感じたわよね? 」
「もちろんだ」
「魔素量が足りなかったのか? 」
「そんなはずないわ! むしろあたしの感覚では多すぎたぐらいよ! 」
「もしかすると、愛し子ならではの体質の問題ではないのか? 」
「なら、ティリアネ様が俺たちに魔法を教えろとは言わないだろ? 変換時に上手くいかなかった可能性の方が高い気がするが」

 三人があーでもない、こーでもないとしている間、常夜はじっと私の方を見つめていた。


「なるほどのう」


「なにかわかったの!? 」
「どういうことなんだ? 」
「もったいぶらずに教えるのだ」

 なにが、と私が反応するよりも先に、さっきまで話し合っていた三人が食いついた。


「魔力の変換が中途半端だったようだ」


「ほら俺の言った通りだろ? 」

「イメージが上手くできていないのではないか? 」
「あー、もしかしたらそうかも」

 本当にそれかはわからないけど、心当たりがあるっちゃある。


「私が前いた世界には魔法がなかったから」


 前世の記憶を持っている私は、どうしても考え方がそっちに引っ張られがちだ。小さい頃から、魔法が当たり前の環境で暮らしてきたこの世界の人たちと違って、科学が発展した地球で暮らした記憶がある私には、何も無いところに突然何かが現れるという非科学的なことを、イメージはできても、概念自体が理解できないのだ。

「それじゃあ仕方ないわね~」
「焦ることはない。もっと魔法を見て、知るようになれば、いずれできるであろう」


 そういうわけで、魔法の練習は一旦中止になった。


「ところで、魚はどうなったのだ? 」

 忘れてた!









    
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