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「ん・・・」
もふもふだ・・・。ふさふさだ・・・。
「うーん・・・これぞ至福・・・」
このまま永遠にもふもふに埋もれていたい・・・。
手で撫でてるのも、すべすべで気持ちいい・・・。
「もふもふ・・・すべすべ・・・ふさふさ・・・」
「・・・よ、子よ」
「・・・なに?」
「そろそろ起きる時間だ」
「えー、あと五分・・・」
「ごふんというのがなにかはわからんが、もう朝だぞ? 」
「はいはいわかったよ! 起きればいいんでしょ! 起きれば」
渋々仕方なく、私は目を覚ました。
「はい起きたよ! って、え? わっ、お、狼? それと馬? いや、ユニコーン? あれ、ペガサスだっけ? で、これは鳥だよね? 」
なんだこの動物園状態は。
なんでこうなって・・・って、そうか。転生したんだった。
「愛し子よ」
突然、誰かが話しかけてきた。けど、周りを見渡しても誰もいない。いるのは狼と馬と鳥だけ。
「愛し子よ」
よく見ると、声が聞こえると同時に、狼の口が空いたり閉じたりしている。
「えっと、今『愛し子よ』って言ってるのは君? 」
「ああ、我だ」
「異世界だと狼も喋るんだ」
「違うぞ? 我が喋れるのは我が神獣だからだ」
神獣? あ、そういえばティリアネ言ってたな!
神獣という単語に、ようやく周りの動物たちに合点がいった。
『それなら神獣を送るわ! ちなみにフェンリルとフェニックスだったら、どっちの方がいい? 』
『え、どっちも欲しい』
『じゃあ、二匹ともね! あ、ペガサスと龍も付けておくわね! 』
つまりこの銀色の狼がフェンリルで、角に翼を生やした馬がペガサス。ユニコーンじゃなかったんだ。で、この真っ赤な長い尻尾を持った鳥がフェニックスってことか。
「あれ? 龍はこれまだ未登場ってこと? 」
「何を言ってるのよ。あそこにいるわ! 」
くちばしでジェスチャーしながら教えてくれたのは、フェニックス。
「あ、本当だ。・・・でかいね」
もはや言葉がでない。むくりと、とぐろを巻いた上に置かれた龍の頭が持ち上がった。
「起きたか、愛し子よ」
「おはようございます」
「体は平気か? 」
「今のところは全然大丈夫です」
なぜか龍相手だと自然と敬語になってしまう。
「そうか。ところでその・・・敬語は辞めてくれ」
「わかった、じゃあこっちで」
「ああ、それで頼む。改めてだが、我は神獣が一体、黒龍だ」
「同じくフェンリルだ」
「ペガサスである」
「あたしはフェニックスよ! 」
今まで沈黙していたペガサスも、初めて声を出してくれた。
全体的にまとめると、黒龍は神獣っぽく低くどっしりとした威厳のある声で、フェンリルはまるで父親のような話し方だ。ペガサスはお貴族様かのような口ぶりで話すし、フェニックスに関しては既視感がある。
「さて、愛し子よ。早速そなたにやってもらいたいことがあるのだが。我らに名を付けてくれないか」
「名? 」
「ああ。今まで神獣として生きてきた我らに、個体としての名前はない。どうか愛し子が付けてくれないか? 」
それってめっちゃ重要なことだよね?
「そんな大事なことを私に任せちゃっていい訳? 」
「愛し子だからだ」
こんな大役、文化祭の劇で背景の木役をやったとき以来だ。真剣に悩み始めた私を、神獣たちは静かに待ってくれている。
「じゃあ、黒龍は常夜。フェンリルは黎月。ペガサスは白氷。フェニックスは紅羽。どう? 」
「ふむ、常夜か」
「紅羽! いい響きね! 」
「黎月、我は気に入ったぞ」
「白氷というのも悪くない」
それぞれの反応をしてくれる神獣たちは、みんな満足そうだ。よかった。発想がどうしても日本人よりになっちゃったから、もうちょっとヨーロッパ風にしてもよかったかもしれない。
「さて愛し子よ、これからどうするのだ? 」
「もちろんあたしたちは着いていくわ! 」
もふもふだ・・・。ふさふさだ・・・。
「うーん・・・これぞ至福・・・」
このまま永遠にもふもふに埋もれていたい・・・。
手で撫でてるのも、すべすべで気持ちいい・・・。
「もふもふ・・・すべすべ・・・ふさふさ・・・」
「・・・よ、子よ」
「・・・なに?」
「そろそろ起きる時間だ」
「えー、あと五分・・・」
「ごふんというのがなにかはわからんが、もう朝だぞ? 」
「はいはいわかったよ! 起きればいいんでしょ! 起きれば」
渋々仕方なく、私は目を覚ました。
「はい起きたよ! って、え? わっ、お、狼? それと馬? いや、ユニコーン? あれ、ペガサスだっけ? で、これは鳥だよね? 」
なんだこの動物園状態は。
なんでこうなって・・・って、そうか。転生したんだった。
「愛し子よ」
突然、誰かが話しかけてきた。けど、周りを見渡しても誰もいない。いるのは狼と馬と鳥だけ。
「愛し子よ」
よく見ると、声が聞こえると同時に、狼の口が空いたり閉じたりしている。
「えっと、今『愛し子よ』って言ってるのは君? 」
「ああ、我だ」
「異世界だと狼も喋るんだ」
「違うぞ? 我が喋れるのは我が神獣だからだ」
神獣? あ、そういえばティリアネ言ってたな!
神獣という単語に、ようやく周りの動物たちに合点がいった。
『それなら神獣を送るわ! ちなみにフェンリルとフェニックスだったら、どっちの方がいい? 』
『え、どっちも欲しい』
『じゃあ、二匹ともね! あ、ペガサスと龍も付けておくわね! 』
つまりこの銀色の狼がフェンリルで、角に翼を生やした馬がペガサス。ユニコーンじゃなかったんだ。で、この真っ赤な長い尻尾を持った鳥がフェニックスってことか。
「あれ? 龍はこれまだ未登場ってこと? 」
「何を言ってるのよ。あそこにいるわ! 」
くちばしでジェスチャーしながら教えてくれたのは、フェニックス。
「あ、本当だ。・・・でかいね」
もはや言葉がでない。むくりと、とぐろを巻いた上に置かれた龍の頭が持ち上がった。
「起きたか、愛し子よ」
「おはようございます」
「体は平気か? 」
「今のところは全然大丈夫です」
なぜか龍相手だと自然と敬語になってしまう。
「そうか。ところでその・・・敬語は辞めてくれ」
「わかった、じゃあこっちで」
「ああ、それで頼む。改めてだが、我は神獣が一体、黒龍だ」
「同じくフェンリルだ」
「ペガサスである」
「あたしはフェニックスよ! 」
今まで沈黙していたペガサスも、初めて声を出してくれた。
全体的にまとめると、黒龍は神獣っぽく低くどっしりとした威厳のある声で、フェンリルはまるで父親のような話し方だ。ペガサスはお貴族様かのような口ぶりで話すし、フェニックスに関しては既視感がある。
「さて、愛し子よ。早速そなたにやってもらいたいことがあるのだが。我らに名を付けてくれないか」
「名? 」
「ああ。今まで神獣として生きてきた我らに、個体としての名前はない。どうか愛し子が付けてくれないか? 」
それってめっちゃ重要なことだよね?
「そんな大事なことを私に任せちゃっていい訳? 」
「愛し子だからだ」
こんな大役、文化祭の劇で背景の木役をやったとき以来だ。真剣に悩み始めた私を、神獣たちは静かに待ってくれている。
「じゃあ、黒龍は常夜。フェンリルは黎月。ペガサスは白氷。フェニックスは紅羽。どう? 」
「ふむ、常夜か」
「紅羽! いい響きね! 」
「黎月、我は気に入ったぞ」
「白氷というのも悪くない」
それぞれの反応をしてくれる神獣たちは、みんな満足そうだ。よかった。発想がどうしても日本人よりになっちゃったから、もうちょっとヨーロッパ風にしてもよかったかもしれない。
「さて愛し子よ、これからどうするのだ? 」
「もちろんあたしたちは着いていくわ! 」
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