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二話
伊吹の木
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その頃、ある妊婦が道端で激痛に襲われ
苦しんでいた。
それを見た通行人が病院に連絡し
救急車で運ばれた。
ちょうどその時彼女の夫•正樹も駆けつけた。
『あゆみ、頑張るんだ!』
彼女にエールを送ると手術室前へ止まった。
『中野さん、分かりますか?』
彼女は治療室へ搬送された。
『よろしくお願いします!』
『安心を。必ず奥さんを救います!』
椎田がそういうと手術室へ駆け出した。
『岡本先生、緊急帝王切開の準備が
整いました!』
『すぐに手術室へ!』
『はい!』
あゆみは手術室へ運ばれ手術が開始。
『もうすぐ赤ちゃん出ますよ!』
岡本が合図を送ると椎田は一緒に腹部を
押した。
そして小さな産声が手術室に響いた。
胎児は橘の元で健康状態を確認。
一方、手術室前にいている正樹は
護符を握りしめて無事を祈っていた。
そして手術室から横川が退室して来た。
『先生!僕の妻は?』
『奥さんは無事ですよ。
しかしまだ麻酔が効いているみたいで
意識はまだはっきり••』
『そうなんですか••』
しばらくして中野の意識が戻り
ゆっくりと目を開いた。
『あゆみ、分かるか?』
『あれ•••ここは•••?』
突然の陣痛で起こった事を覚えていなかった。
『そういえば赤ちゃんは?』
『今新生児室だって。』
疑問を感じたあゆみは
椎田に車椅子を押してもらい
新生児室に案内してもらった。
『こちらです。どうぞ。』
『これが、赤ちゃん••』
するとあゆみの目から涙が溢れた。
正樹は優しく肩をポンポンし
『君のせいじゃないよ。大丈夫。
この赤ちゃんも一生懸命頑張ったと思う。
それだけでも奇跡だよ。』
『うん••ごめんね、赤ちゃん••』
あゆみはそっと赤ちゃんを撫でた。
そして自宅に帰った正樹は同居している
彼女の母•寿子と今日のことについて
話した。
『あゆみはどう?』
『はい。緊急帝王切開になりましたが
赤ちゃんとあゆみは元気です。』
『そう••それは良かった。
あの子生まれつき体が弱いから心配
してたのよ。』
翌日、正樹は再びあゆみの病室を
訪れた。
『どうだ?今日の調子は。』
『うん。体も楽になって来たし、
一人で歩行しても良いって。』
『そうか。』
二人は再び新生児室へ足を運んだ。
あゆみは何かを感じた。
『赤ちゃんもこうやって
一生懸命いきてるんだね•••』
すると正樹は
『なぁ、この子大木のように元気に育ち
そうじゃないか?』
『ほんと。』
『この子名前決めたよ。』
『何?』
『伊吹ってどうだ?』
『伊吹ってどうしてこの名前を?』
『伊吹のように逞しく、力強い子になって
欲しいと言う気持ちを込めて。』
『伊吹くん••いい名前だね••』
その後、あゆみ夫妻は退院して
伊吹くんを大事に育てる事になった。
苦しんでいた。
それを見た通行人が病院に連絡し
救急車で運ばれた。
ちょうどその時彼女の夫•正樹も駆けつけた。
『あゆみ、頑張るんだ!』
彼女にエールを送ると手術室前へ止まった。
『中野さん、分かりますか?』
彼女は治療室へ搬送された。
『よろしくお願いします!』
『安心を。必ず奥さんを救います!』
椎田がそういうと手術室へ駆け出した。
『岡本先生、緊急帝王切開の準備が
整いました!』
『すぐに手術室へ!』
『はい!』
あゆみは手術室へ運ばれ手術が開始。
『もうすぐ赤ちゃん出ますよ!』
岡本が合図を送ると椎田は一緒に腹部を
押した。
そして小さな産声が手術室に響いた。
胎児は橘の元で健康状態を確認。
一方、手術室前にいている正樹は
護符を握りしめて無事を祈っていた。
そして手術室から横川が退室して来た。
『先生!僕の妻は?』
『奥さんは無事ですよ。
しかしまだ麻酔が効いているみたいで
意識はまだはっきり••』
『そうなんですか••』
しばらくして中野の意識が戻り
ゆっくりと目を開いた。
『あゆみ、分かるか?』
『あれ•••ここは•••?』
突然の陣痛で起こった事を覚えていなかった。
『そういえば赤ちゃんは?』
『今新生児室だって。』
疑問を感じたあゆみは
椎田に車椅子を押してもらい
新生児室に案内してもらった。
『こちらです。どうぞ。』
『これが、赤ちゃん••』
するとあゆみの目から涙が溢れた。
正樹は優しく肩をポンポンし
『君のせいじゃないよ。大丈夫。
この赤ちゃんも一生懸命頑張ったと思う。
それだけでも奇跡だよ。』
『うん••ごめんね、赤ちゃん••』
あゆみはそっと赤ちゃんを撫でた。
そして自宅に帰った正樹は同居している
彼女の母•寿子と今日のことについて
話した。
『あゆみはどう?』
『はい。緊急帝王切開になりましたが
赤ちゃんとあゆみは元気です。』
『そう••それは良かった。
あの子生まれつき体が弱いから心配
してたのよ。』
翌日、正樹は再びあゆみの病室を
訪れた。
『どうだ?今日の調子は。』
『うん。体も楽になって来たし、
一人で歩行しても良いって。』
『そうか。』
二人は再び新生児室へ足を運んだ。
あゆみは何かを感じた。
『赤ちゃんもこうやって
一生懸命いきてるんだね•••』
すると正樹は
『なぁ、この子大木のように元気に育ち
そうじゃないか?』
『ほんと。』
『この子名前決めたよ。』
『何?』
『伊吹ってどうだ?』
『伊吹ってどうしてこの名前を?』
『伊吹のように逞しく、力強い子になって
欲しいと言う気持ちを込めて。』
『伊吹くん••いい名前だね••』
その後、あゆみ夫妻は退院して
伊吹くんを大事に育てる事になった。
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