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第84話
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『デストロイバルカン!!』『ストーンキャノン!!』
開幕早々でタメシヤノミコト様に打ち込まれる機関銃と頭上から降りそそぐ大岩小岩の数々。
「よっしゃ、ラスボス死亡!! 『ダンジョンマスター先輩』これにて完結や!!」
あっけない幕引きに呆然とする3人をよそに連携技で先手必勝を決めた須田丸と英里子はハイタッチする。
「ふむ、手癖の悪い策士と喧嘩屋らしい殺り方であるが……わらわは嫌いではないぞよ」
自らの周りに風のドームを張ってデストロイバルカン弾を全て受け流し、岩塊を受け止めていた無傷のタメシヤノミコト様は平然と振る舞う。
「どれ、次はわらわの番じゃ……喰らうがよい『跳風(はねかぜ)』」
タメシヤノミコト様が緑の光を帯びた右手を握った瞬間、部屋のあちこちから小竜巻が出現。独楽のように壁や同族にぶつかり合って無茶苦茶にバウンドする。
『アイスストーンシェルター!!』
古今のアクショングームでよくある技とパターンなのはさておき、視点調整で俯瞰出来ないリアルカミイクサではかわしきれない。そう判断した5人は美香と英里子の十八番合体技で生成した氷と岩のシェルターに身を隠す。
『地与(ちあたえ)』『火与(ひあたえ)』
右手に茶色、左手は赤。光を帯びた手をタメシヤノミコトが握った瞬間、風だけの竜巻は砂礫と炎を纏った破壊力抜群の火炎旋風化。
絶妙の角度で各々ぶつかり合ってバウンドしながらアイスストーンシェルターを壊して追い詰めていく。
「あいつ、ウチらのエレメントプラスみたいなのも使えるんか!!」
執拗に体当たりして氷を溶かして岩を砕くミニ竜巻軍団。
出れば逃げ場のない全方位無差別攻撃に巻き込まれ、安全地帯を壊されても全滅、魔力切れで補強できなくなっても全滅……全てのマヨイガエレメントを圧倒的な力で使いこなす強敵を前に武心玉による能力値上昇補正など無意味な事に気が付いた5人。
『オープンステータス!!』
すぐにサポートスキル画面を開いて緊急脱出しようとするが、そのスキルは発動しない。
「あれっ、何故……使えないんだ!?」
「もしかして『何度でも全快復活できる』って……そういう事なの?」
美香の指摘と緊急脱出が使えないと言う事実に『タメシヤノミコト様を倒すまでこの世界から出られない』と言う可能性に気が付いてしまった5人。
「とにかくここを出るで!! 地神紋発動!!」
マヨイガ神紋を発動させた英里子は拳を地面に叩きつける。
「ほほほ、そうでなくてはのぉ……それでこそわらわが試すにふさわしいもののふよ」
砂礫と炎の竜巻で倒壊していくシェルター。
その様子を上座で見ていたタメシヤノミコト様は上機嫌に微笑む。
『ミニヴォルケーノ!!』
『氷塊(ひょうかい)!』
英里子の強化チェンジアースで地下に掘り逃れ、タメシヤノミコト様の座下からミニ火山砲の不意打ちをしかけた探と英里子。
直撃かと思われたそれを瞬時に足下で創生した氷塊を身代わりにして受け止めたタメシヤノミコト様は足を抱えて横回転ジャンプ。そのまま身軽に着地する。
「うふふ、今のは危なかったのう……わらわも少し本気で行かねば」
地面からわらわらと出て来た5人のもののふ達を前にタメシヤノミコト様は二本の鉄扇を開き構える。
「みんな……もう退路はない。とにかくこの最終カミイクサを終わらせるぞ!!」
「おうっ!!」
「はいっ!! せん……?」
鬨の声の最中、美香は目の前の雲隠先輩が腰に付けていた武心玉がかすかな一瞬、赤く光ったような気がする。
『ジェットファイアースラッシュ!!』
「ほほほ、大将斬り込みとは実に蛮勇なり!! だが良きなり!!」
火炎二刀流で突っ込んで来る探を鉄扇で迎え撃つタメシヤノミコト様はにやりと笑う。
「俺達もアニキに続くぞ!!」
『土武者 (つちむしゃ)』
タメシヤノミコト様が手に作り出した茶色いマヨイガエレメント塊を地面に投げ落とした瞬間、大穴が出現。
そこから湧き出すように身長2メートル程度の茶色い人型の何かがわらわらと出て来る。
「あれ全部、日本史の教科書で見たわ!! 前方後円墳で出土したってやつよ!」
銅剣や槍、大盾を持った鎧兜の埴輪兵士達は一対一の大将決戦となった主を邪魔させないと言わんかのように隊列を組んで壁となり、4人の前に立ちはだかる。
「なるほど、俺らの相手はあいつらだって事か……面白れぇ」
「先輩のためにもこいつら全部ぶっ壊さないと!!」
「せやな、地のマヨイガエレメント使いのウチが全部土に返したるわ『エレメントプラス・アース』」
英里子は両腕にエレメントプラスをかける。
「来るぞ!!」
「ハニィィィィィィ!!」
埴輪軍団は空洞ボディ内から笛のような戦いの声を上げつつ4人に向かってくる。
【第85話に続く】
開幕早々でタメシヤノミコト様に打ち込まれる機関銃と頭上から降りそそぐ大岩小岩の数々。
「よっしゃ、ラスボス死亡!! 『ダンジョンマスター先輩』これにて完結や!!」
あっけない幕引きに呆然とする3人をよそに連携技で先手必勝を決めた須田丸と英里子はハイタッチする。
「ふむ、手癖の悪い策士と喧嘩屋らしい殺り方であるが……わらわは嫌いではないぞよ」
自らの周りに風のドームを張ってデストロイバルカン弾を全て受け流し、岩塊を受け止めていた無傷のタメシヤノミコト様は平然と振る舞う。
「どれ、次はわらわの番じゃ……喰らうがよい『跳風(はねかぜ)』」
タメシヤノミコト様が緑の光を帯びた右手を握った瞬間、部屋のあちこちから小竜巻が出現。独楽のように壁や同族にぶつかり合って無茶苦茶にバウンドする。
『アイスストーンシェルター!!』
古今のアクショングームでよくある技とパターンなのはさておき、視点調整で俯瞰出来ないリアルカミイクサではかわしきれない。そう判断した5人は美香と英里子の十八番合体技で生成した氷と岩のシェルターに身を隠す。
『地与(ちあたえ)』『火与(ひあたえ)』
右手に茶色、左手は赤。光を帯びた手をタメシヤノミコトが握った瞬間、風だけの竜巻は砂礫と炎を纏った破壊力抜群の火炎旋風化。
絶妙の角度で各々ぶつかり合ってバウンドしながらアイスストーンシェルターを壊して追い詰めていく。
「あいつ、ウチらのエレメントプラスみたいなのも使えるんか!!」
執拗に体当たりして氷を溶かして岩を砕くミニ竜巻軍団。
出れば逃げ場のない全方位無差別攻撃に巻き込まれ、安全地帯を壊されても全滅、魔力切れで補強できなくなっても全滅……全てのマヨイガエレメントを圧倒的な力で使いこなす強敵を前に武心玉による能力値上昇補正など無意味な事に気が付いた5人。
『オープンステータス!!』
すぐにサポートスキル画面を開いて緊急脱出しようとするが、そのスキルは発動しない。
「あれっ、何故……使えないんだ!?」
「もしかして『何度でも全快復活できる』って……そういう事なの?」
美香の指摘と緊急脱出が使えないと言う事実に『タメシヤノミコト様を倒すまでこの世界から出られない』と言う可能性に気が付いてしまった5人。
「とにかくここを出るで!! 地神紋発動!!」
マヨイガ神紋を発動させた英里子は拳を地面に叩きつける。
「ほほほ、そうでなくてはのぉ……それでこそわらわが試すにふさわしいもののふよ」
砂礫と炎の竜巻で倒壊していくシェルター。
その様子を上座で見ていたタメシヤノミコト様は上機嫌に微笑む。
『ミニヴォルケーノ!!』
『氷塊(ひょうかい)!』
英里子の強化チェンジアースで地下に掘り逃れ、タメシヤノミコト様の座下からミニ火山砲の不意打ちをしかけた探と英里子。
直撃かと思われたそれを瞬時に足下で創生した氷塊を身代わりにして受け止めたタメシヤノミコト様は足を抱えて横回転ジャンプ。そのまま身軽に着地する。
「うふふ、今のは危なかったのう……わらわも少し本気で行かねば」
地面からわらわらと出て来た5人のもののふ達を前にタメシヤノミコト様は二本の鉄扇を開き構える。
「みんな……もう退路はない。とにかくこの最終カミイクサを終わらせるぞ!!」
「おうっ!!」
「はいっ!! せん……?」
鬨の声の最中、美香は目の前の雲隠先輩が腰に付けていた武心玉がかすかな一瞬、赤く光ったような気がする。
『ジェットファイアースラッシュ!!』
「ほほほ、大将斬り込みとは実に蛮勇なり!! だが良きなり!!」
火炎二刀流で突っ込んで来る探を鉄扇で迎え撃つタメシヤノミコト様はにやりと笑う。
「俺達もアニキに続くぞ!!」
『土武者 (つちむしゃ)』
タメシヤノミコト様が手に作り出した茶色いマヨイガエレメント塊を地面に投げ落とした瞬間、大穴が出現。
そこから湧き出すように身長2メートル程度の茶色い人型の何かがわらわらと出て来る。
「あれ全部、日本史の教科書で見たわ!! 前方後円墳で出土したってやつよ!」
銅剣や槍、大盾を持った鎧兜の埴輪兵士達は一対一の大将決戦となった主を邪魔させないと言わんかのように隊列を組んで壁となり、4人の前に立ちはだかる。
「なるほど、俺らの相手はあいつらだって事か……面白れぇ」
「先輩のためにもこいつら全部ぶっ壊さないと!!」
「せやな、地のマヨイガエレメント使いのウチが全部土に返したるわ『エレメントプラス・アース』」
英里子は両腕にエレメントプラスをかける。
「来るぞ!!」
「ハニィィィィィィ!!」
埴輪軍団は空洞ボディ内から笛のような戦いの声を上げつつ4人に向かってくる。
【第85話に続く】
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