ダンジョンマスター先輩!!(冒険に)付き合ってあげるからオカルト研究会の存続に協力してください 2!! ~闇乃宮と涙怨の巫女~

千両文士

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第九章:『闇神乃間/総員激突!! 解放と救済の最終決戦!!』

【第70話】

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 闇乃宮最終試練の場となる階段を駆け上る闇乃宮討伐隊メンバー。
「よしっ、次に来るのはどこのジャーマンや!?」
 開始地点となる第一踊り場から始まり、第二踊り場のヒネコ、第三踊り場のミズネコを切り抜けてきた英里子は威勢よく叫ぶ。
「止まれ!!」
 第四踊り場に滑り込むや否や停止命令をする副大将。
『またこうして再度、そなたらのような強者にまみえる事が出来るとは……嬉しいぞ!!』
「お前は確か……チネコだな!!」
 抜き身の巨大青龍刀を持ち、甲胃を装着した虎の魔獣は圧倒的な巨躯で立ち塞がる。
「それは嬉しいが……押し通らせてもらおう、エレメントプラス・ホワイトフレア!!」
 探の火神紋から噴き出す白い光。
 陽炎と化したそれは探のロングコートと全身を覆いつつ抜き身の二刀流をカバーしていく。
『ふふふ、幾星霜と苦しみ続けた我が主様をも浄化するその力……試させてもらいますぞ!! ふんっ!!』
 超巨大ボディとは思えぬ速度で瞬時に探の眼前に飛び込み、野太く巨大な腕で青龍刀を振り下ろすチネコ。
 位置的に巻き添えを避けられない皆を庇うべく探がそれを受け止めようとしたその時だった。
『サモン・ゴーレムレッグ!! リッタ&スーザン!!』
『ごふお!!』
 床から突き出してきてその一撃を蹴り止めつつ敵の腹に一撃喰らわせる足型岩柱。
「英里子おばさん!?」
「下がれ、タケル!! 『エレメントプラス・ヴォルト』」
「須田丸おじちゃん!?」
 立膝の構えでデストロイアーム右腕を左腕で支え、チネコにエイムを合わせている須田丸。
 その意図を察した美香はすぐに射線上のエミとタケルの手を掴み、慌てて下がらせる。
『ヴォルトロケットパンチ!!』
『ぶごお!!』
 マグネットプラス・ネガ&ポジの反発力で須田丸の腕から外れて飛び立つデストロイアームと言う漢の浪漫アタック。
 鉄塊そのものな重量級マヨイガ兵器のメリコミロケットパンチを顔面に食らったチネコは後頭部から地面に倒れていく。
「トドメ刺すで須田丸君!!」
「アニキにみんな!! 俺らに任せて先に行け!!」
 四肢をゴーレムアムド強化した英里子とロケットメリコミパンチを喰らわせたデストロイアームを引き戻し再装着し、チネコに突撃していく。
「わかった、行くぞ!!」
「おうつ!!」
 英里子と須田丸にこの場を託した残りメンバーは崩れ消え始めている第五踊り場への階段に滑り込むように駆け上りだす。
『逃すかあ!!』
「させへんで!! 須田丸君!!」
「おう、姉ちゃん!!」
 青龍刀を振り上げて走る敵の前に滑り込んだ須田丸と英里子は足に力を入れ、脇をしめて拳を握る。
「スダスダスダスダスダスダスダスダ!!」
「エリエリエリエリエリエリエリエリエリエリ!!」
 本来ならばベストカップルな探&須田丸の火炎拳と轟雷拳オーバードライブ正拳乱打で放たれる近接打撃合体技・ブレイズナックル。
 この戦いの勝敗を左右する総大将に代わってパートナーチェンジした英里子はゴーレムアムト正拳乱打を須田丸と共に打ち込む。
「ぱわあおぶラブじやああああああああああああああああ!!」
「らぶいずえぶりしんぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
 途中から掛け声が変わっている事にも気づかず、2人はガードブレイク状態の敵を壁ハメボコボコにしなから崩れ消える階段に追われながらも上に向かう仲間を見送る。

「よしっ、足止めナイスよ!!」
 眼下の第四踊り場でチネコの巨躯を一方的に壁ハメオラオラしていく英里子と須田丸を見下ろすハイドロフォイル滑走中の美香。
『 DEATH METAL!!』
「危ない!!」
 前方から衝撃波による奇襲を感知した式神ライは急加速して皆の前に滑り出し、雷ェレメント防壁を生成して受け止める。
「この攻撃は……」
『マチガイネェ、ヤツダ!! デストロイ・トランスフォーム!!』
 ライの首に紐で下げられたミニスピーカーから瞬時にエレキギターにトランスフォームしたシルバーデストロイメン。
『Le t's ROCK!!』
 式神ライと半機械眷属魔物シルバーデストロイメンは同じ雷マヨイガエレメント使いとして二重防壁を生成。
 幾重にも襲い来る衝撃波を弾き壊す壁として皆を守りながら一気に突き進む。
『来やがったなオメエら!! ここがオメエらの墓場だ!! 野郎ども、デスライブ行くぞ!!』
「ニヤアアアアン! !」
 第五踊り場で待ち構えていたロックンロールキャットことシネコ。
 もはやバリケードでしかない大量の爆音大型スピーカーに宙に浮くミラーボール。
 そんなステージ上でギターを構えたシネコに応えるのはドラムやベース、キーボードの前に座る黒猫軍団だ。
「可愛すぎ!!」
 夢にまでみたネコロックを前に眼がハートになるエミとその耳を慌てて塞ぐ茜。
 そもそも防御不可能な爆音攻撃を至近距離で食らわされたら耳の鼓膜はもちろん頭も無事では済まない。
 探は一瞬の隙をついてでもここを突破する方法を模索する。
「総大将!! ここはアタシとライちゃんに任せろ!!」
「フウさん!!」
 いつの間にかデストロイメンのトランスフォームスタンド付きマイクを握っていた式神フウ。
 専用武器として風マヨイガエレメントをたっぷりと蓄えた風袋の口を咥え、その中身を一息で吸い込んだ彼女はすぐさま中指を立てつつマイクを口に当てる。

『ガッデェェェェェェム!!』

『ぐおおおおお!?』
「にゃあああん!!」
「ぎにやああああ!!」
 バケモノ級の肺活量を誇る肉体派式神フウの最大出力咆哮爆風で倒壊し、底知れぬ闇に落ちて行く爆音スピーカーバリケードとミラーボール、その他もろもろの音楽機材。
 その一撃に耐えたシネコの周囲で黒猫達は必死で身を低くし、お互い手を取り合って飛ばされないようにしがみつく。

【第71話につづく】

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