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第八章:『闇乃宮裏闘戯場/総大将激突!! 白聖炎VS黒死炎』
【第62話】
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『私がこの姿となったのは雲隠のもののふ様の技を再現するためです』
「技? それは姉さんを外敵から守るためか?」
『そうではございません、ドウシ様。
私が主様をお救いするために必要としていたそれはここにいらっしゃいます天賦の武人、探様が再現に成功なさった『火与・加護神炎』だったのです』
『はぁ!?』
2人の五武神はもちろん、デストロイスピーカーで死巫女ルイとヤミネコの過去に耳を傾ける場外の全員がエクスクラメーションマークと共に真顔フリーズ不可避な告白。
かつて死巫女ルイがタメシヤノミコト様謹製のマヨイガダンジョンに侵入し、オカルト研究会マヨイガ探索隊と接触していると言う時点でその右腕たるヤミネコがそれを出来ないはずがないと言うのは予想の範時ではあったが……その目的がマヨイガの儀に挑みしレジェンドもののふ・迷処七天賦の技を盗むと言う大それた物であったと言う事実にその場の全員が言葉を失う。
「色々と聞きたい事はあるが……クロよ、そなたがた加護神炎を必要とした目的は何じゃ?」
深呼吸しつつヤミネコに問うミズノミヤ様。
『主従共々常闇の世界に堕ちてから数百年後……主の御傍にいなくてはならない私に代わり外界調査を行っていた配下の者より天寿を全うしたサン様が多くの者に信仰される武神となり、ドウシ様含む生前に縁があった御五方と共に人々に冥加を与えている事を察知。
永遠に終わらぬ苦しみの床にあるルイ様をお助けいただくべく迷処迷宮におわすドウシ様に幾度となく接触を試み続けたもののことごとく失敗し諦めかけていたその時 私は雲隠竜成(くもがくれたきなり)様に出会ったのです』
ずっと話し続けていたヤミネコは一度言葉を切り、一息入れて休む。
『人間界のさる剣豪ではありませんが、迷処に住まう魔物達の邪気を破って戦意喪失させいざという時は仲間とご自身を守る様はまさに無手勝流……あの浄化の火をもってすれば主様や私達は救われると確信。
最悪の場合我らの闇の世界かどわかすと言う事も視野に入れて竜成様がマヨイガの儀を進めて行く様を監視し続けたのですが上手く行かず竜成様は試練を終えて冥加と共に元の世界へお戻りになってしまったのです』
「ちょっといいか、ヤミネコ。これで聞こえているか? 横入失礼するが御織院の血筋として聞きたい事がある」
話に割り入った茜はデストロイ・ミニスピーカーに顔を寄せる。
『はい、聞こえております御織院殿』
「ああ、それなら大丈夫だ。
まあマヨイガに携わってきた一族として探のご先祖様の誘拐を企てていたと言うのが聞き捨てならないのはさておき……それを画策したのはお前の独断か? それともヤミノミヤノミコトこと死蚕女ルイの命令なのか?」
『……私の独断でございます、御織院様』
「そうか、ならばもうーつ答えろ。
では聞くがお前が仕えている死巫女ルイが華咲を人質に我々をここに連れて来た理由とその最終目的は何だ?」
『……』
自身の告解が引き金になったとは言え、闇乃宮の核心を突かれて黙り込むヤミネコ。
「そう言えば……そうですな」
「なぜ主様のタメシヤの儀を模倣するような真似を?」
「ただの復讐にしちゃあまどろっこしすぎだろ……復讐ってんなら数の暴力で心身共に抵抗できなくなる程度に殴ってから全裸土下座謝罪とかさせる方が早くね?」
「須田丸おじさん!?」
「全裸で土下座させるの!?」
ママに没収されたものの、英里子おばちゃんから借りて少しだけ読めた昔のヤンキー漫画そのものな須田丸おじさんの発言に驚きの声を上げる雲隠家の双子。
「ああ、いや……ほら昔、おじさんはなんちゃってヤンキーだったろ?
だから自分でもそこまでやらなかったし、バカ共にやらせなかったけど一部の手加減を知らない過激な連中だとそれぐらいやる輩もいたのよ。
まあそう言う輩はすぐに仲間からも見放されちま……」
「須田丸、教育に悪いぞ」
修羅ならぬ『豪』 の圧でわちゃわちゃ話す3人を黙らせる茜。
『……』
「答えろ、嘘偽りなく」
スピーカーの向こうでだんまりを決め込むヤミネコに茜は低い声で再度問う。
「うごああああ!! うごおおおおお!!」
「英里子ちゃん!! もうやめて!!」
自身の目の前で親友に手を上げて半殺しにした死巫女ルイを粉砕すべく、ルイのヤミイワの破片をも取り込んでジョン・マルゲリータ・リッタ・スーザンのゴーレム4体でゴーレムフルアムド化した英里子。
そこにゴーレムアーム2本も追加生成して文字通りの二脚六臂となって無茶苦茶な殴打の一方を続ける英里子の様子がおかしくなりつつあることに気が付いていた美香は青ビキニ&パレオな半裸装備で地面バウンドして叩きつけられた体を一刻でも早く起こそうと回復させつつ叫ぶ。
『うむ、この者我が闇の魔力に囚われかけておる……まだ大丈夫かもしれないがここらが潮時か』
ルイはそんな事を呟きつつ英里子を足払いしてバランスを崩させ、連続バックジャンプで距離を取る。
『今楽にしてやる、地神紋のもののふよ』
「だめえええええ!!」
このままでは親友が殺される。テレフォンパンチの構えを取る死巫女ルイを前に直感的に察した美香は絶叫する。
【第63話につづく】
「技? それは姉さんを外敵から守るためか?」
『そうではございません、ドウシ様。
私が主様をお救いするために必要としていたそれはここにいらっしゃいます天賦の武人、探様が再現に成功なさった『火与・加護神炎』だったのです』
『はぁ!?』
2人の五武神はもちろん、デストロイスピーカーで死巫女ルイとヤミネコの過去に耳を傾ける場外の全員がエクスクラメーションマークと共に真顔フリーズ不可避な告白。
かつて死巫女ルイがタメシヤノミコト様謹製のマヨイガダンジョンに侵入し、オカルト研究会マヨイガ探索隊と接触していると言う時点でその右腕たるヤミネコがそれを出来ないはずがないと言うのは予想の範時ではあったが……その目的がマヨイガの儀に挑みしレジェンドもののふ・迷処七天賦の技を盗むと言う大それた物であったと言う事実にその場の全員が言葉を失う。
「色々と聞きたい事はあるが……クロよ、そなたがた加護神炎を必要とした目的は何じゃ?」
深呼吸しつつヤミネコに問うミズノミヤ様。
『主従共々常闇の世界に堕ちてから数百年後……主の御傍にいなくてはならない私に代わり外界調査を行っていた配下の者より天寿を全うしたサン様が多くの者に信仰される武神となり、ドウシ様含む生前に縁があった御五方と共に人々に冥加を与えている事を察知。
永遠に終わらぬ苦しみの床にあるルイ様をお助けいただくべく迷処迷宮におわすドウシ様に幾度となく接触を試み続けたもののことごとく失敗し諦めかけていたその時 私は雲隠竜成(くもがくれたきなり)様に出会ったのです』
ずっと話し続けていたヤミネコは一度言葉を切り、一息入れて休む。
『人間界のさる剣豪ではありませんが、迷処に住まう魔物達の邪気を破って戦意喪失させいざという時は仲間とご自身を守る様はまさに無手勝流……あの浄化の火をもってすれば主様や私達は救われると確信。
最悪の場合我らの闇の世界かどわかすと言う事も視野に入れて竜成様がマヨイガの儀を進めて行く様を監視し続けたのですが上手く行かず竜成様は試練を終えて冥加と共に元の世界へお戻りになってしまったのです』
「ちょっといいか、ヤミネコ。これで聞こえているか? 横入失礼するが御織院の血筋として聞きたい事がある」
話に割り入った茜はデストロイ・ミニスピーカーに顔を寄せる。
『はい、聞こえております御織院殿』
「ああ、それなら大丈夫だ。
まあマヨイガに携わってきた一族として探のご先祖様の誘拐を企てていたと言うのが聞き捨てならないのはさておき……それを画策したのはお前の独断か? それともヤミノミヤノミコトこと死蚕女ルイの命令なのか?」
『……私の独断でございます、御織院様』
「そうか、ならばもうーつ答えろ。
では聞くがお前が仕えている死巫女ルイが華咲を人質に我々をここに連れて来た理由とその最終目的は何だ?」
『……』
自身の告解が引き金になったとは言え、闇乃宮の核心を突かれて黙り込むヤミネコ。
「そう言えば……そうですな」
「なぜ主様のタメシヤの儀を模倣するような真似を?」
「ただの復讐にしちゃあまどろっこしすぎだろ……復讐ってんなら数の暴力で心身共に抵抗できなくなる程度に殴ってから全裸土下座謝罪とかさせる方が早くね?」
「須田丸おじさん!?」
「全裸で土下座させるの!?」
ママに没収されたものの、英里子おばちゃんから借りて少しだけ読めた昔のヤンキー漫画そのものな須田丸おじさんの発言に驚きの声を上げる雲隠家の双子。
「ああ、いや……ほら昔、おじさんはなんちゃってヤンキーだったろ?
だから自分でもそこまでやらなかったし、バカ共にやらせなかったけど一部の手加減を知らない過激な連中だとそれぐらいやる輩もいたのよ。
まあそう言う輩はすぐに仲間からも見放されちま……」
「須田丸、教育に悪いぞ」
修羅ならぬ『豪』 の圧でわちゃわちゃ話す3人を黙らせる茜。
『……』
「答えろ、嘘偽りなく」
スピーカーの向こうでだんまりを決め込むヤミネコに茜は低い声で再度問う。
「うごああああ!! うごおおおおお!!」
「英里子ちゃん!! もうやめて!!」
自身の目の前で親友に手を上げて半殺しにした死巫女ルイを粉砕すべく、ルイのヤミイワの破片をも取り込んでジョン・マルゲリータ・リッタ・スーザンのゴーレム4体でゴーレムフルアムド化した英里子。
そこにゴーレムアーム2本も追加生成して文字通りの二脚六臂となって無茶苦茶な殴打の一方を続ける英里子の様子がおかしくなりつつあることに気が付いていた美香は青ビキニ&パレオな半裸装備で地面バウンドして叩きつけられた体を一刻でも早く起こそうと回復させつつ叫ぶ。
『うむ、この者我が闇の魔力に囚われかけておる……まだ大丈夫かもしれないがここらが潮時か』
ルイはそんな事を呟きつつ英里子を足払いしてバランスを崩させ、連続バックジャンプで距離を取る。
『今楽にしてやる、地神紋のもののふよ』
「だめえええええ!!」
このままでは親友が殺される。テレフォンパンチの構えを取る死巫女ルイを前に直感的に察した美香は絶叫する。
【第63話につづく】
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