62 / 79
第八章:『闇乃宮裏闘戯場/総大将激突!! 白聖炎VS黒死炎』
【第62話】
しおりを挟む
『私がこの姿となったのは雲隠のもののふ様の技を再現するためです』
「技? それは姉さんを外敵から守るためか?」
『そうではございません、ドウシ様。
私が主様をお救いするために必要としていたそれはここにいらっしゃいます天賦の武人、探様が再現に成功なさった『火与・加護神炎』だったのです』
『はぁ!?』
2人の五武神はもちろん、デストロイスピーカーで死巫女ルイとヤミネコの過去に耳を傾ける場外の全員がエクスクラメーションマークと共に真顔フリーズ不可避な告白。
かつて死巫女ルイがタメシヤノミコト様謹製のマヨイガダンジョンに侵入し、オカルト研究会マヨイガ探索隊と接触していると言う時点でその右腕たるヤミネコがそれを出来ないはずがないと言うのは予想の範時ではあったが……その目的がマヨイガの儀に挑みしレジェンドもののふ・迷処七天賦の技を盗むと言う大それた物であったと言う事実にその場の全員が言葉を失う。
「色々と聞きたい事はあるが……クロよ、そなたがた加護神炎を必要とした目的は何じゃ?」
深呼吸しつつヤミネコに問うミズノミヤ様。
『主従共々常闇の世界に堕ちてから数百年後……主の御傍にいなくてはならない私に代わり外界調査を行っていた配下の者より天寿を全うしたサン様が多くの者に信仰される武神となり、ドウシ様含む生前に縁があった御五方と共に人々に冥加を与えている事を察知。
永遠に終わらぬ苦しみの床にあるルイ様をお助けいただくべく迷処迷宮におわすドウシ様に幾度となく接触を試み続けたもののことごとく失敗し諦めかけていたその時 私は雲隠竜成(くもがくれたきなり)様に出会ったのです』
ずっと話し続けていたヤミネコは一度言葉を切り、一息入れて休む。
『人間界のさる剣豪ではありませんが、迷処に住まう魔物達の邪気を破って戦意喪失させいざという時は仲間とご自身を守る様はまさに無手勝流……あの浄化の火をもってすれば主様や私達は救われると確信。
最悪の場合我らの闇の世界かどわかすと言う事も視野に入れて竜成様がマヨイガの儀を進めて行く様を監視し続けたのですが上手く行かず竜成様は試練を終えて冥加と共に元の世界へお戻りになってしまったのです』
「ちょっといいか、ヤミネコ。これで聞こえているか? 横入失礼するが御織院の血筋として聞きたい事がある」
話に割り入った茜はデストロイ・ミニスピーカーに顔を寄せる。
『はい、聞こえております御織院殿』
「ああ、それなら大丈夫だ。
まあマヨイガに携わってきた一族として探のご先祖様の誘拐を企てていたと言うのが聞き捨てならないのはさておき……それを画策したのはお前の独断か? それともヤミノミヤノミコトこと死蚕女ルイの命令なのか?」
『……私の独断でございます、御織院様』
「そうか、ならばもうーつ答えろ。
では聞くがお前が仕えている死巫女ルイが華咲を人質に我々をここに連れて来た理由とその最終目的は何だ?」
『……』
自身の告解が引き金になったとは言え、闇乃宮の核心を突かれて黙り込むヤミネコ。
「そう言えば……そうですな」
「なぜ主様のタメシヤの儀を模倣するような真似を?」
「ただの復讐にしちゃあまどろっこしすぎだろ……復讐ってんなら数の暴力で心身共に抵抗できなくなる程度に殴ってから全裸土下座謝罪とかさせる方が早くね?」
「須田丸おじさん!?」
「全裸で土下座させるの!?」
ママに没収されたものの、英里子おばちゃんから借りて少しだけ読めた昔のヤンキー漫画そのものな須田丸おじさんの発言に驚きの声を上げる雲隠家の双子。
「ああ、いや……ほら昔、おじさんはなんちゃってヤンキーだったろ?
だから自分でもそこまでやらなかったし、バカ共にやらせなかったけど一部の手加減を知らない過激な連中だとそれぐらいやる輩もいたのよ。
まあそう言う輩はすぐに仲間からも見放されちま……」
「須田丸、教育に悪いぞ」
修羅ならぬ『豪』 の圧でわちゃわちゃ話す3人を黙らせる茜。
『……』
「答えろ、嘘偽りなく」
スピーカーの向こうでだんまりを決め込むヤミネコに茜は低い声で再度問う。
「うごああああ!! うごおおおおお!!」
「英里子ちゃん!! もうやめて!!」
自身の目の前で親友に手を上げて半殺しにした死巫女ルイを粉砕すべく、ルイのヤミイワの破片をも取り込んでジョン・マルゲリータ・リッタ・スーザンのゴーレム4体でゴーレムフルアムド化した英里子。
そこにゴーレムアーム2本も追加生成して文字通りの二脚六臂となって無茶苦茶な殴打の一方を続ける英里子の様子がおかしくなりつつあることに気が付いていた美香は青ビキニ&パレオな半裸装備で地面バウンドして叩きつけられた体を一刻でも早く起こそうと回復させつつ叫ぶ。
『うむ、この者我が闇の魔力に囚われかけておる……まだ大丈夫かもしれないがここらが潮時か』
ルイはそんな事を呟きつつ英里子を足払いしてバランスを崩させ、連続バックジャンプで距離を取る。
『今楽にしてやる、地神紋のもののふよ』
「だめえええええ!!」
このままでは親友が殺される。テレフォンパンチの構えを取る死巫女ルイを前に直感的に察した美香は絶叫する。
【第63話につづく】
「技? それは姉さんを外敵から守るためか?」
『そうではございません、ドウシ様。
私が主様をお救いするために必要としていたそれはここにいらっしゃいます天賦の武人、探様が再現に成功なさった『火与・加護神炎』だったのです』
『はぁ!?』
2人の五武神はもちろん、デストロイスピーカーで死巫女ルイとヤミネコの過去に耳を傾ける場外の全員がエクスクラメーションマークと共に真顔フリーズ不可避な告白。
かつて死巫女ルイがタメシヤノミコト様謹製のマヨイガダンジョンに侵入し、オカルト研究会マヨイガ探索隊と接触していると言う時点でその右腕たるヤミネコがそれを出来ないはずがないと言うのは予想の範時ではあったが……その目的がマヨイガの儀に挑みしレジェンドもののふ・迷処七天賦の技を盗むと言う大それた物であったと言う事実にその場の全員が言葉を失う。
「色々と聞きたい事はあるが……クロよ、そなたがた加護神炎を必要とした目的は何じゃ?」
深呼吸しつつヤミネコに問うミズノミヤ様。
『主従共々常闇の世界に堕ちてから数百年後……主の御傍にいなくてはならない私に代わり外界調査を行っていた配下の者より天寿を全うしたサン様が多くの者に信仰される武神となり、ドウシ様含む生前に縁があった御五方と共に人々に冥加を与えている事を察知。
永遠に終わらぬ苦しみの床にあるルイ様をお助けいただくべく迷処迷宮におわすドウシ様に幾度となく接触を試み続けたもののことごとく失敗し諦めかけていたその時 私は雲隠竜成(くもがくれたきなり)様に出会ったのです』
ずっと話し続けていたヤミネコは一度言葉を切り、一息入れて休む。
『人間界のさる剣豪ではありませんが、迷処に住まう魔物達の邪気を破って戦意喪失させいざという時は仲間とご自身を守る様はまさに無手勝流……あの浄化の火をもってすれば主様や私達は救われると確信。
最悪の場合我らの闇の世界かどわかすと言う事も視野に入れて竜成様がマヨイガの儀を進めて行く様を監視し続けたのですが上手く行かず竜成様は試練を終えて冥加と共に元の世界へお戻りになってしまったのです』
「ちょっといいか、ヤミネコ。これで聞こえているか? 横入失礼するが御織院の血筋として聞きたい事がある」
話に割り入った茜はデストロイ・ミニスピーカーに顔を寄せる。
『はい、聞こえております御織院殿』
「ああ、それなら大丈夫だ。
まあマヨイガに携わってきた一族として探のご先祖様の誘拐を企てていたと言うのが聞き捨てならないのはさておき……それを画策したのはお前の独断か? それともヤミノミヤノミコトこと死蚕女ルイの命令なのか?」
『……私の独断でございます、御織院様』
「そうか、ならばもうーつ答えろ。
では聞くがお前が仕えている死巫女ルイが華咲を人質に我々をここに連れて来た理由とその最終目的は何だ?」
『……』
自身の告解が引き金になったとは言え、闇乃宮の核心を突かれて黙り込むヤミネコ。
「そう言えば……そうですな」
「なぜ主様のタメシヤの儀を模倣するような真似を?」
「ただの復讐にしちゃあまどろっこしすぎだろ……復讐ってんなら数の暴力で心身共に抵抗できなくなる程度に殴ってから全裸土下座謝罪とかさせる方が早くね?」
「須田丸おじさん!?」
「全裸で土下座させるの!?」
ママに没収されたものの、英里子おばちゃんから借りて少しだけ読めた昔のヤンキー漫画そのものな須田丸おじさんの発言に驚きの声を上げる雲隠家の双子。
「ああ、いや……ほら昔、おじさんはなんちゃってヤンキーだったろ?
だから自分でもそこまでやらなかったし、バカ共にやらせなかったけど一部の手加減を知らない過激な連中だとそれぐらいやる輩もいたのよ。
まあそう言う輩はすぐに仲間からも見放されちま……」
「須田丸、教育に悪いぞ」
修羅ならぬ『豪』 の圧でわちゃわちゃ話す3人を黙らせる茜。
『……』
「答えろ、嘘偽りなく」
スピーカーの向こうでだんまりを決め込むヤミネコに茜は低い声で再度問う。
「うごああああ!! うごおおおおお!!」
「英里子ちゃん!! もうやめて!!」
自身の目の前で親友に手を上げて半殺しにした死巫女ルイを粉砕すべく、ルイのヤミイワの破片をも取り込んでジョン・マルゲリータ・リッタ・スーザンのゴーレム4体でゴーレムフルアムド化した英里子。
そこにゴーレムアーム2本も追加生成して文字通りの二脚六臂となって無茶苦茶な殴打の一方を続ける英里子の様子がおかしくなりつつあることに気が付いていた美香は青ビキニ&パレオな半裸装備で地面バウンドして叩きつけられた体を一刻でも早く起こそうと回復させつつ叫ぶ。
『うむ、この者我が闇の魔力に囚われかけておる……まだ大丈夫かもしれないがここらが潮時か』
ルイはそんな事を呟きつつ英里子を足払いしてバランスを崩させ、連続バックジャンプで距離を取る。
『今楽にしてやる、地神紋のもののふよ』
「だめえええええ!!」
このままでは親友が殺される。テレフォンパンチの構えを取る死巫女ルイを前に直感的に察した美香は絶叫する。
【第63話につづく】
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる