59 / 79
第八章:『闇乃宮裏闘戯場/総大将激突!! 白聖炎VS黒死炎』
【第59話】
しおりを挟む
『ふむ、実によい一撃である……!!』
神紋強化込みで超硬度と化したゴーレムアムドのフルパワーツインショットを受け止め、爽やかな笑顔で笑う死巫女ルイ。
「えっ?」
クレイジー災厄女、英里子にデコピンさせると言う最悪の判断ミスにより、死巫女ルイが脳築をぶちまけて即死と言う最悪の完結を回避すべく駆け寄ろうとしたものの、動きが止まる美香。
「うそやろ……あかん!!」
一撃でユーアーショックにしてお前はもう死んでいる……にしてやるで!! という殺意MAXの結末予測に反する結果に戸惑う英里子はマョイガもののふのカンですぐさま反撃回避バックジャンプする。
『ふむ、判断力もなかなかなものだ……よかろう、人のもののふ。わらわもそなたらと同じ土俵で戦ってやる……闇神技:ヤミイワ』
ルイの詠唱と共に闇の奥から響いてくるドガンゴロンと言う音。
「この音は!?」
「前からや!!」
2人の正面、ルイの背後から跳ねるように転がって来た庫気を纏う大岩は召喚者たるルイを避けて大ジャンプ。
美香と英里子に頭上から迫る。
『クリエイト・アイスウォール!!』
コンマ数秒でウォーターオーバードライブ状態になった美香は自身と英里子を覆うように幾重もの分厚い氷壁柱を生成。
『エレメントプラス・アイス!!』
それにぶつかった大岩が動きを止めた所で追撃完封すべくエレメントプラス・アイスを事前詠唱しつつ魔力チャージ体勢に入る。
『闇与:焔』
「うそん!?」
「なんちゅうヤツや!!」
ルイの詠唱で瞬時に青黒い炎を全体に纏った大岩は美香の氷壁にぶつかる前にその熱で氷壁を溶かし、蒸発させながら2人に迫る。
「美香ちゃん!! ウチがやったる、エレメントプラス頼むで!!」
『ゴーレムライド!!』
自身のオリジナル技にして十八番、球体ボディに手足が生えたゴーレムを召喚生成して操縦席に乗り込んだ英里子は右腕を後ろに引き、テレフォンパンチの構えを取る。
『ゴーレムヘヴィパンチ!! あちいいいいいい!!』
障石と化した大岩を正面から迎え撃つゴーレムの重量級巨腕。
巨大な岩塊であるゴーレムを内部から感覚共有魔力操作している英里子はその熱に思わず叫ぶ。
「英里子ちゃん!! エレメントプラス・アクア!!」
悲鳴を上げる親友を少しでも助けるべく美香はエレメントプラスでサポートする。
……時を同じくして闇乃宮内某所、ヤミネコの閉鎖次元空間内。
『ホワイトフレアショット!!』
『ダークフレアショット!!』
空中で正面衝突し、相互魔力干渉で消滅する白炎球と黒魔球。
魔力防壁で囲われた場内で激突する黒甲胃の武人・ヤミネコと火神紋使いのもののふ・雲隠探は各々の二刀と一刀で幾重に切り結ぼうと決着がつかず、必然的に魔法対決にもつれこんだ2人はお互いに距離を取って遠距離技で牽制しあいつつ、好機を伺いつづけていた。
「あやつ……何を考えておるのじゃ?」
「主様、どうなさいましたか?」
ぶつかり合う2人を安全地帯から見守ることしか出来ない五武神ミズノミヤ様の疑問に応える眷族魔物にして人魚族のゼド。
「それはどういう意味だ、ミズノミヤさん?」
ミズノミヤ様の言わんとする事が理解できず、ツッコミ質問してしまう須田丸。
「エミにタケル、そなたらの意見を聞きたい。あの者の動きに何か思う所はあるか?」
「私とお兄ちゃんですか、ミズノミヤ様!? ええと ううん」
いきなり五武神様に問われて戸惑いつつもエミは2人が切り結ぶ場上をガン見したままダンマリを決め込む兄の代わりに感じていた事を言語化しようとする。
「なんと言おうか……あのダースベイダーさんは間違いなく全力じゃないと思います。
むしろかなり意識的に魔力と力加減をコントロールしてパパのコンディションに合わせているようにさえ思えます」
「うむ」
「ゼドさんはご存知だと思うんですけど、ツミレ先生はマーメイドウォーリアーとしてお強いですよね? 数回ですけど先生が本気で戦う様を見たことはありますけど、私達の指導では怪我をさせずかつ全力を引き出せるようにかなりの力加減と調整をなさっていると思います。
何となくですけど、ヤミネコさんは今そういうムーブをしているように見えるんです」
(なるほどな、その観点は無かった……俺にわからねえのも納得だぜ!!)
かつて10数年前、親父を失った悲劇により幼馴染の英里子姉ちゃんと引き裂かれ、不良の掃きだめに放り込まれると言う急激な環境変化をサバイバルすべく独学&実地経験で突貫習得せざるを得なかった自身の我流喧嘩技。
マーメイドウォーリアーのツミレに師事する事が出来たエミとタケルと違い師を持たぬ自分には感じ取れないのは当然だと須田丸は納得する。
「ミズノミヤ様、私からもよろしいでしょうか……あの者との手合わせの中で雲隠のあの白炎は確実に強くなっております。しかしあのヤミネコ、何がしたくてにこのような敵に稽古をつけるような行為に及んでいるのでしょうか?
そしてなぜ主たるヤミノミヤノミコトは自身の不利に働く部下を看過しているのでしょうか……?」
「うむ御織院の娘よ、それはわらわにもわからぬ。だがこれが時間稼ぎであれ総大将殿自身……ひいては我ら全体にとって大きな利益となるのは間違いないであろう」
ミズノミヤ様のしめで会話は終わる。
【第60話につづく】
神紋強化込みで超硬度と化したゴーレムアムドのフルパワーツインショットを受け止め、爽やかな笑顔で笑う死巫女ルイ。
「えっ?」
クレイジー災厄女、英里子にデコピンさせると言う最悪の判断ミスにより、死巫女ルイが脳築をぶちまけて即死と言う最悪の完結を回避すべく駆け寄ろうとしたものの、動きが止まる美香。
「うそやろ……あかん!!」
一撃でユーアーショックにしてお前はもう死んでいる……にしてやるで!! という殺意MAXの結末予測に反する結果に戸惑う英里子はマョイガもののふのカンですぐさま反撃回避バックジャンプする。
『ふむ、判断力もなかなかなものだ……よかろう、人のもののふ。わらわもそなたらと同じ土俵で戦ってやる……闇神技:ヤミイワ』
ルイの詠唱と共に闇の奥から響いてくるドガンゴロンと言う音。
「この音は!?」
「前からや!!」
2人の正面、ルイの背後から跳ねるように転がって来た庫気を纏う大岩は召喚者たるルイを避けて大ジャンプ。
美香と英里子に頭上から迫る。
『クリエイト・アイスウォール!!』
コンマ数秒でウォーターオーバードライブ状態になった美香は自身と英里子を覆うように幾重もの分厚い氷壁柱を生成。
『エレメントプラス・アイス!!』
それにぶつかった大岩が動きを止めた所で追撃完封すべくエレメントプラス・アイスを事前詠唱しつつ魔力チャージ体勢に入る。
『闇与:焔』
「うそん!?」
「なんちゅうヤツや!!」
ルイの詠唱で瞬時に青黒い炎を全体に纏った大岩は美香の氷壁にぶつかる前にその熱で氷壁を溶かし、蒸発させながら2人に迫る。
「美香ちゃん!! ウチがやったる、エレメントプラス頼むで!!」
『ゴーレムライド!!』
自身のオリジナル技にして十八番、球体ボディに手足が生えたゴーレムを召喚生成して操縦席に乗り込んだ英里子は右腕を後ろに引き、テレフォンパンチの構えを取る。
『ゴーレムヘヴィパンチ!! あちいいいいいい!!』
障石と化した大岩を正面から迎え撃つゴーレムの重量級巨腕。
巨大な岩塊であるゴーレムを内部から感覚共有魔力操作している英里子はその熱に思わず叫ぶ。
「英里子ちゃん!! エレメントプラス・アクア!!」
悲鳴を上げる親友を少しでも助けるべく美香はエレメントプラスでサポートする。
……時を同じくして闇乃宮内某所、ヤミネコの閉鎖次元空間内。
『ホワイトフレアショット!!』
『ダークフレアショット!!』
空中で正面衝突し、相互魔力干渉で消滅する白炎球と黒魔球。
魔力防壁で囲われた場内で激突する黒甲胃の武人・ヤミネコと火神紋使いのもののふ・雲隠探は各々の二刀と一刀で幾重に切り結ぼうと決着がつかず、必然的に魔法対決にもつれこんだ2人はお互いに距離を取って遠距離技で牽制しあいつつ、好機を伺いつづけていた。
「あやつ……何を考えておるのじゃ?」
「主様、どうなさいましたか?」
ぶつかり合う2人を安全地帯から見守ることしか出来ない五武神ミズノミヤ様の疑問に応える眷族魔物にして人魚族のゼド。
「それはどういう意味だ、ミズノミヤさん?」
ミズノミヤ様の言わんとする事が理解できず、ツッコミ質問してしまう須田丸。
「エミにタケル、そなたらの意見を聞きたい。あの者の動きに何か思う所はあるか?」
「私とお兄ちゃんですか、ミズノミヤ様!? ええと ううん」
いきなり五武神様に問われて戸惑いつつもエミは2人が切り結ぶ場上をガン見したままダンマリを決め込む兄の代わりに感じていた事を言語化しようとする。
「なんと言おうか……あのダースベイダーさんは間違いなく全力じゃないと思います。
むしろかなり意識的に魔力と力加減をコントロールしてパパのコンディションに合わせているようにさえ思えます」
「うむ」
「ゼドさんはご存知だと思うんですけど、ツミレ先生はマーメイドウォーリアーとしてお強いですよね? 数回ですけど先生が本気で戦う様を見たことはありますけど、私達の指導では怪我をさせずかつ全力を引き出せるようにかなりの力加減と調整をなさっていると思います。
何となくですけど、ヤミネコさんは今そういうムーブをしているように見えるんです」
(なるほどな、その観点は無かった……俺にわからねえのも納得だぜ!!)
かつて10数年前、親父を失った悲劇により幼馴染の英里子姉ちゃんと引き裂かれ、不良の掃きだめに放り込まれると言う急激な環境変化をサバイバルすべく独学&実地経験で突貫習得せざるを得なかった自身の我流喧嘩技。
マーメイドウォーリアーのツミレに師事する事が出来たエミとタケルと違い師を持たぬ自分には感じ取れないのは当然だと須田丸は納得する。
「ミズノミヤ様、私からもよろしいでしょうか……あの者との手合わせの中で雲隠のあの白炎は確実に強くなっております。しかしあのヤミネコ、何がしたくてにこのような敵に稽古をつけるような行為に及んでいるのでしょうか?
そしてなぜ主たるヤミノミヤノミコトは自身の不利に働く部下を看過しているのでしょうか……?」
「うむ御織院の娘よ、それはわらわにもわからぬ。だがこれが時間稼ぎであれ総大将殿自身……ひいては我ら全体にとって大きな利益となるのは間違いないであろう」
ミズノミヤ様のしめで会話は終わる。
【第60話につづく】
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる