ダンジョンマスター先輩!!(冒険に)付き合ってあげるからオカルト研究会の存続に協力してください 2!! ~闇乃宮と涙怨の巫女~

千両文士

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第六章:『闇乃宮五ノ闘戯場/風獣カゼネコ』

【第44話】

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 闇乃宮最深部・神ノ間。
『水神紋の娘よ、あの者らは一体どうしたと言うのじゃ?』
 第五闘戯場、控室のオブジェクトの口を借りてルール変更の詔を下そうとしたものの、子供達の悲鳴のせいで話が進まなくなってしまったヤミノミヤノミコトこと死巫女ルイ。
 困ったルイは隣の座敷牢内で人魂ツミレを閉じ込めた籠を胸元に押し込んで着物の前をぎゅっと閉ざした美香に問う。
「ええとですね……」
 (アンタがコミュニケーションツールにつこうとるモンがホラーすぎるんや。もうちょいかわええモンに憑かんとあかんやろ)
『うむ、それでいいのか? ならば……』
 チノモノ英里子の歯に衣着せぬ助言を受けてルイが行動に移そうとしたその時だった。
「待って、ルイ!! 向こうの様子がおかしいわ!!」
 銅鏡の向こうで突如として生じた時空の歪みと共に第五闘戯場控室から消えて行く闇乃宮討伐隊メンバー達とその案内人ヤミネコと人質のシネコに気づいた時にはすでに遅し。
 その場にいた合計9人は雲散霧消してしまう。

「雲隠にみんな!! どうやってここに!?」
 第五闘戯場、上空で繰り広げられたセブンスソウル争奪(破壊)戦で暴走ナルカミノミヤにカゼネコを投げつけられ、バランスを崩した黒雲。
 失速して墜落するそれをどうにか操舵し、地面をえぐってオーバーランさせながらもどうにか不時着させた式神ライの治療中だった茜は突如箱庭世界に現れた11人に驚く。

「茜おばさん!! 私達の所にヤミノミヤノミコトが現れたの、それで……気がついたらここにいて」
「ちくしょう、あいつめ!! はめやがったな!!」
『ウガァァァァァ!! グヤァァァァァ!!』
 セブンスソウルの影響で3メートル級の超巨躯化&筋骨隆々マッスル化した小柄な少年五武神が全身に黒雷を纏い、黒いヤマアラシロングヘアーを振り乱しながら石柱を手当たり次第に破壊していく咆哮と破壊音が響く第五闘戯場、石柱箱庭世界に放り込まれたタケルは悪態をつく。
『雲隠の御子息殿、主様ではない。ワシのしわざじや。』
「カゼネコ!!」
 不時着した操縦拝つき黒雲の横で座り込んだカゼネコに気が付いた闇乃宮討伐隊メンバーは各々の武器を抜く。
『ドウシ殿がかつて主様より賜りになったアレを数百年もの間、隠し持っていたのはとにかく……ああなってしまっては私一人の手に負える相手ではありませぬ。
 それ故……第五闘戯場の主としてサンの郎党共のみならず最悪の事態に備えて兄者とシネコ君をお呼びしたのです』
『……』
『私はもうダメですが……囮や盾程度にはなります。兄者どうか、お願いです……ドウシ様を』
「まてよ、ジジイ」
『ナルカミノモノ様!?』
 感傷的な展開に割り入り、魔力・体力全快薬の瓶を差し出す須田丸。
「暗黒卿、こいつはおめぇら猫共にも効くんだろ? アイツが俺らに気づく前に飲ませてやれ」
 最後の数本となった天然の石柱破壊に手をかけつつある闇堕ちナルカミノミヤを指さしつつ須田丸は続ける。
『……どういうつもりだ?』
「どうもこうもねぇよ。 俺らだってナルカミノミヤには死なれちゃ困るし助けたいんだよ。
 だからほら、さっさと回復しろ。それであいつをぶん殴って止めるぞ」
『ウドのデカブツ……あんたロックすぎんだろ』
「須田丸おじさん、カッコイイ……」
「須田丸くん、奴と生身での直接対決は危険だ……呉井さんが君に渡していたアレを使おう」
「奇遇だねぇ、雲隠のアニキ。俺も同じことを考えていたよ」
「ヒノモノ様、我々にもご指示を!!」
 (普通なパニックに陥ってバラバラになってもおかしくないこの場をまとめあげるとは……流石は壇条学院オカルト研究会のリーダーだ!!)
 須田丸の男気と雲隠総大将の風格に魅了され、一致団結する闇乃宮メンバーとマヨイガメンバー。
 二大戦闘特化型マヨイガエレメント使いとしてチノミヤノミコト戦やタメシヤノミコト様戦で見せつけたあのベストカップルっぷりを回想してしまった茜は自身も魔力回復薬を飲みつつ暴走ナルカミノミヤ戦に備える。

【第45話につづく】
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