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第五章:『闇乃宮肆ノ闘戯場/雷獣シネコ』
【第35話】
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「ナイスだ!! デストロイメン!!」
魔力吸収能力を持つ液体金属ボディを大きく網のように広げ、魔力塊の闇渦をすっぽりと包み込み、そのまま取り込むと言うアイディアにサムズアップする茜。
『だが、あの者の魔力容量では……逆に取り込まれてしまうぞ!! どうするつもりだ?』
「そう決めつけるな、ブラックサムライ……あとは俺達に任せろ!!」
ヤミネコを押しのけて最前列に立ったのは須田丸を中央にして横一列に並ぶタケル、ナルカミノミヤノミコト、式神ライ、マーマンウォーリアーのゼドの5人だ。
『雷神紋解放、ヴォルトオーバードライブ!!』
須田丸の詠唱に合わせて閃光と共に激しく帯電する雷神紋。
『エレメントプラス・ヴォルト!!』
『ウゴォォォ!! オレサマツヨクナッタゼ!!』
須田丸のヴォルトオーバードライブエレメントプラスで急速充電されたシルバーデストロイメンは魔力暴発反動で内側からベコボコされる状況から逆にベキボコグシャグシヤと漬し始める。
「一気に行くぞ!!」
「エレメントプラス・サンダー!!」
「エレメントプラス・ヴォルト!!」
「雷与!!(カミナリアタエ)」
マヨイガエレメント使いとしてエレメントプラスを幾重にもかけ続けるタケルとゼド村長。
雷の五武神として自らの半機械眷族魔物に雷与をかけるナルカミノミヤノミコト。
『雷神神技・雷雲招来!』
式神ライのリズミカルな太鼓に合わせて球体化したシルバーデストロイメンの頭上に現れたコロッケ型の黒雲。
『無限放雷!!』
『シビレルゼェェェ!!』
黒雲から墜ちてくる雷を全て受け止め、吸収したエレメントプラス強化済み液体魔力金属は闇渦の急速吸収に伴う同化が始まり、銀色の液体魔力金属に黒い筋が混じり始める。
「まずいぞ!! もういいから退け、退くんだシルバーデストロイメン!!」
動きを封じた闇渦を消滅させるためにマヨイガエレメント・サンダーの力で一時的にエネルギーオーバードーズしなくてはならなかったとは言え、このままでは強化反動ダメージで完全消滅してしまう。
ナルカミノミヤノミコトは五武神として自身の眷族半機械魔物に命じる。
「アルジサマ、モウシワケアリマセヌ……アトハオマカセ……イタシマス!! オメエラ、グッドラックダゼェ!! ミカチャンニヨロシク!!」
ラストメッセージと共に限界突破した液体魔力金属が蒸発消滅しはじめ、空気が抜けた風船のように一気に収縮していくシルバーデストロイメン。
その勇姿を前に闇乃宮討伐隊メンバーは本能的に敬礼で見送る。
「タケル、大丈夫そうか?」
ヤミネコが第五闘戯場へのグートを開けるか確かめる間、第四闘戯場内を『ヒートセンス』感覚強化で安全確認するタケル。
「ああ、あのブラックホールそのものは大丈夫だが……あれは何だ?
いまアイテムスキャン中だけどイマイチ狙いがつかなくて……」
薄暗い室内の物陰に転がっていた未知の機械に気づいたタケルはアイテムスキャナーで狙いつつ指さす。
「あれか?『シルバーデストロイコア』……初めて見る名前だな」
「カゼノモノ、 それはまことか!?」
自身の胸に顔をうずめてすすり泣くエミを慰めつつ、タケルの代わりにアイテムスキャナー解析した茜。
その言葉にナルカミノミヤは驚きの声を上げる。
「ああ、あそこに……」
茜が指さす方向に駆けだし、すぐに謎の球体機械を拾うナルカミノミヤ。
「……よしっ、まだ動いているぞ!!」
「ナルカミノミヤ、それは安全な物なのか?」
未知のアイテムを持って戻って来るナルカミノミヤに探は総大将として間う。
「ああ、これは我が半機械眷族魔物、シルバーデストロイメンの頭脳にして心臓部にあたる最重要パーツ。今は液体魔力金属を失って剥き出しの状態だが……時間をかければ再生して元の姿に戻れるはずだ!! タケル殿、見つけてくれて本当にありがとう!!」
「あっ、はい…… どうもありがとうございます。」
いつもの薄気味悪いニヤニヤとは全く違う晴れやかで屈託のない少年五武神らしい笑顔。
オカルト研究会マヨイガ探索隊のもののふ達は初めて見るそれにタケル少年と同じぐらい戸惑う。
『お主ら、準備は出来たぞ……この先に進むも進まないもそなたらの自由。選ぶがよい』
「みんな、行こう!!」
「ああ!!」
瘴気で満たされた黒鳥居の傍らに立つヤミネコの警告とも脅しともとれる文言に動じることなく闇乃宮討伐隊メンバーは鳥居の奥に歩を進めるのであった。
【第36話につづく】
魔力吸収能力を持つ液体金属ボディを大きく網のように広げ、魔力塊の闇渦をすっぽりと包み込み、そのまま取り込むと言うアイディアにサムズアップする茜。
『だが、あの者の魔力容量では……逆に取り込まれてしまうぞ!! どうするつもりだ?』
「そう決めつけるな、ブラックサムライ……あとは俺達に任せろ!!」
ヤミネコを押しのけて最前列に立ったのは須田丸を中央にして横一列に並ぶタケル、ナルカミノミヤノミコト、式神ライ、マーマンウォーリアーのゼドの5人だ。
『雷神紋解放、ヴォルトオーバードライブ!!』
須田丸の詠唱に合わせて閃光と共に激しく帯電する雷神紋。
『エレメントプラス・ヴォルト!!』
『ウゴォォォ!! オレサマツヨクナッタゼ!!』
須田丸のヴォルトオーバードライブエレメントプラスで急速充電されたシルバーデストロイメンは魔力暴発反動で内側からベコボコされる状況から逆にベキボコグシャグシヤと漬し始める。
「一気に行くぞ!!」
「エレメントプラス・サンダー!!」
「エレメントプラス・ヴォルト!!」
「雷与!!(カミナリアタエ)」
マヨイガエレメント使いとしてエレメントプラスを幾重にもかけ続けるタケルとゼド村長。
雷の五武神として自らの半機械眷族魔物に雷与をかけるナルカミノミヤノミコト。
『雷神神技・雷雲招来!』
式神ライのリズミカルな太鼓に合わせて球体化したシルバーデストロイメンの頭上に現れたコロッケ型の黒雲。
『無限放雷!!』
『シビレルゼェェェ!!』
黒雲から墜ちてくる雷を全て受け止め、吸収したエレメントプラス強化済み液体魔力金属は闇渦の急速吸収に伴う同化が始まり、銀色の液体魔力金属に黒い筋が混じり始める。
「まずいぞ!! もういいから退け、退くんだシルバーデストロイメン!!」
動きを封じた闇渦を消滅させるためにマヨイガエレメント・サンダーの力で一時的にエネルギーオーバードーズしなくてはならなかったとは言え、このままでは強化反動ダメージで完全消滅してしまう。
ナルカミノミヤノミコトは五武神として自身の眷族半機械魔物に命じる。
「アルジサマ、モウシワケアリマセヌ……アトハオマカセ……イタシマス!! オメエラ、グッドラックダゼェ!! ミカチャンニヨロシク!!」
ラストメッセージと共に限界突破した液体魔力金属が蒸発消滅しはじめ、空気が抜けた風船のように一気に収縮していくシルバーデストロイメン。
その勇姿を前に闇乃宮討伐隊メンバーは本能的に敬礼で見送る。
「タケル、大丈夫そうか?」
ヤミネコが第五闘戯場へのグートを開けるか確かめる間、第四闘戯場内を『ヒートセンス』感覚強化で安全確認するタケル。
「ああ、あのブラックホールそのものは大丈夫だが……あれは何だ?
いまアイテムスキャン中だけどイマイチ狙いがつかなくて……」
薄暗い室内の物陰に転がっていた未知の機械に気づいたタケルはアイテムスキャナーで狙いつつ指さす。
「あれか?『シルバーデストロイコア』……初めて見る名前だな」
「カゼノモノ、 それはまことか!?」
自身の胸に顔をうずめてすすり泣くエミを慰めつつ、タケルの代わりにアイテムスキャナー解析した茜。
その言葉にナルカミノミヤは驚きの声を上げる。
「ああ、あそこに……」
茜が指さす方向に駆けだし、すぐに謎の球体機械を拾うナルカミノミヤ。
「……よしっ、まだ動いているぞ!!」
「ナルカミノミヤ、それは安全な物なのか?」
未知のアイテムを持って戻って来るナルカミノミヤに探は総大将として間う。
「ああ、これは我が半機械眷族魔物、シルバーデストロイメンの頭脳にして心臓部にあたる最重要パーツ。今は液体魔力金属を失って剥き出しの状態だが……時間をかければ再生して元の姿に戻れるはずだ!! タケル殿、見つけてくれて本当にありがとう!!」
「あっ、はい…… どうもありがとうございます。」
いつもの薄気味悪いニヤニヤとは全く違う晴れやかで屈託のない少年五武神らしい笑顔。
オカルト研究会マヨイガ探索隊のもののふ達は初めて見るそれにタケル少年と同じぐらい戸惑う。
『お主ら、準備は出来たぞ……この先に進むも進まないもそなたらの自由。選ぶがよい』
「みんな、行こう!!」
「ああ!!」
瘴気で満たされた黒鳥居の傍らに立つヤミネコの警告とも脅しともとれる文言に動じることなく闇乃宮討伐隊メンバーは鳥居の奥に歩を進めるのであった。
【第36話につづく】
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